アメリカ在住のロースクール生が使って便利なiPhoneアプリ(その1)

先週書いた記事iPhoneで読む電子書籍も悪くはないがKindleでのエクスペリエンスにはかなわない - 若江の日記では、本を読むにはiPhoneは向いていない、Kindleは独立した端末でこそ意味がある、と書いた。ただそう書いたのは、あまりにiPhoneでほとんどのことができてしまうからで、iPhoneへの愛着の裏返しでもある(笑)。IT系ジャーナリスト林信行さんがいうとおり、iPhoneWeb 2.0 in your pocketを実現する最強の電話と思うが、オフィスを持たず、キャンパス内あちこちを、ケースブックやペーパーの束を抱えて移動しなければならないロースクールの学生には特に威力が大きい。最近は、読むべきケースブックあるいはペーパーと、iPhoneと、Kindleだけを持って、図書館やカフェを移動する生活を送っている。(ただ、ペーパーを書くときやリサーチをするときはMacbookを持ち歩く必要があるし、ラップトップでメモをとる講義もある。)

nobilog2: Switching Off 2008
nobilog2: Web 2.0 in your pocket.

iPhoneでほとんどのことができるようになったのは、2008年7月にiPhone 3Gの発売と同時にオープンしたApp Storeで提供されるサードパーティーのアプリによるところが大きい。アメリカ在住のロースクール留学生がどのアプリをどんな風に使っているか、順に書いていく。ちょうど合格発表が順々に出てきている季節、これからアメリカにいらっしゃる方は、是非iPhone買っちゃってください(笑)。

まずは1枚目。右下のRemote以外は標準アプリです。ただ生活で最も活躍しているのは実はこれらのアプリで、たぶんアメリカ留学生活ならではの部分があるので、とりあげる。

(1) SMS

アメリカでは、他のほとんどの国と同じように、特殊な国・日本と違って携帯電話事業者間でSMS(テキストメッセージ)のやりとりが可能(つまり、iPhoneAT&Tだが、相手がVerizonやT-Mobileであっても気にせず送れる)なので、SMSは意外とよく使う。間に合わせのときとか、相手にすぐ読んでもらいたいときに。月5ドル、200通までのプランで普通は間に合う。

(2) Calendar

講義・セミナーの時間(Class)や、アドバイザーの教授との打ち合わせやresearch assistantの会合、学内で行われるセミナー等の予定(Work)、友だちとの食事や学校内外のイベント、コンサート等の予定(Home)を入力する。MaciCalに入力したものが、MobileMeでつねに無線で同期される。東京の事務所では、事務所のIT部門が相当な苦労をして、Microsoft Exchange ServerOutlookWindows Mobileとでデータが同期される仕組みが構築されていた*1が、iPhoneならば自分一人でもほぼ同じ事ができる。まさにExchange for the rest of usだと思う。

Google Calendarを使っている場合は、さいすけ for iPhone SaiSuke (Google Calendar? Sync)がよいようだ。Microsoft Exchangeプロトコルを使ったGoogle Syncもある。

(3) Photos

写真を友だちに見せるときにはこれで。

(4) Camera

意外ときれいな写真がとれるので、ちょこちょこiPhoneで写真をとっている。facebookやBrightkite等のアプリ内蔵のカメラに比べて、反応が早くシャッターチャンスを逃さない。

(5) YouTube

ほとんど使わない。YouTube自体は見ないわけではないが、YouTubeのユーザーアカウントと同期していないのがよくない。

(6) Stocks

最近はあまり見ないようにしてます。。。(泣)

(7) Maps


最も使うアプリの一つで、街歩きには必須。東京にいたときは、どこか知らないところに行くときは必ずグーグルマップで検索してから紙に打ち出していたものだが、それが、住所だけメモっておけば(あるいはメールを控えておけば)済むようになった。Directionsモードでは、目的地までの距離、車で行く場合の道筋(ボストン/ケンブリッジやニューヨークは一方通行が多いので)を示してくれるし、徒歩で歩くと何分くらいかもわかる。

残念なのは、ボストンのMBTAがGoogle Mapsの経路検索には対応していないところ(iPhoneのせいではない)。パソコン上ではTrip Planner | MBTAを使えばよいが、iPhone上では、MBTAにも対応している別のアプリを使う必要あり(後でとりあげます。)ちなみに、ニューヨークの地下鉄はGoogle Mapsの経路検索に対応しています!

(ちなみに上の場所は、イタリア人街のThe Daily Catch。昨年の1月、合格が決まる前にボストンを訪問した際高校の友人K君とI君に連れて行ってもらった店だが、最近再訪した。やはりおいしい。)

(8) Weather


冬の間は、ああ今日も明日もボストンはこんなに寒いよ、と嘆きを人と共有するための道具だったが、最近は、この週末は暖かいね、遊びに行こうか、と喜びを共有することもできる道具になってきた(笑)。

(9) Clock

目覚まし時計、東京や西海岸の時間を手早く知るための世界時計として使う。また、アラームを複数好きなだけ設定できるので、待ち合わせや次の授業の時間まで時計を気にせずものを読みたいときや、時間をきめて作業をしたいときに使うとよい。

(10) Calculator

Corporate Financeの問題を解くときには結構使った。あとはtip計算。ただ、やっぱりちゃんと作業するときは電卓かExcelが必要。

(11) Notes

自分宛にメールする方が便利なので、あまり使わない。

(12) Settings、(13) iTunes、(14) App Store、(15) Contacts

特にコメントなし。iTunes、今年のMWSFを機に、Wi-Fiに接続していなくても3G回線で曲が変えるようになったのは大変便利。

(16) Remote Remote

Apple純正のiTunesリモコン。Mac又はPC上のiTunesWi-Fiで通信して、ワイヤレスで操作できる。*2部屋でパソコンを使わないでくつろぐときによい。

2枚目以降は、サードパーティーのアプリを紹介します。アメリカでしか実質上使えないアプリ(iTVAmazon.comなど)もあり、参考になるんではと思います。
意外と書くのに時間がかかるので、時間があるときに徐々にやっていきます。。。

(その2に続く)

*1:秘書が自分の端末のOutlookから入力した予定がつねに自分の手元でみれ、逆に新たな予定を出先でいれれば事務所にいる秘書はそれを把握できる、という効率的な仕組みが、ウィルコムW-Zero3を使って構築されていた。

*2:昔はBluetoothを使うSalling Clickerというソフトを使っていたが、AirTunesでスピーカーに無線で音楽をとばしているときに、本体とスピーカーの出力切り替えができないのが不便だった。