PS3に先んじたWiiの広報戦略

本日は任天堂の業者向け月例説明会が行われた日でしたが、いきなり朝から動きがありました。どうやら、日本中で多くの人が出社前、出校前に見ていると思われるめざましテレビ(および同時間帯の他局)の中で、WiiのCMが流されたからのようです。海外のニュースでもとくにTVCMの話は出ていませんので、もしかしたらこのCMを見た人たちは、世界で最初にWiiのCMを見たことになるのかもしれませんね。

ちなみに、CMは即座にGoogleに買収されて話題になっっているYouTubeにあげられました。

左上の時報『6:28』の表記が非常にリアルですね。最初の音はDSと似ていながら若干豪華にしたような感じ、アナウンサーは脳トレなどと同様トリビアの泉の人。そして内容は完全にティザー広告です。DSのいい流れをWiiに引き継ぎたい、という意図がよく現れていますね。

ちなみに、このCMは任天堂の公式ページでもそれからまもなく公開されています。
Wii.com JP - Wii TVCM 『これは、何でしょう?』篇

しかし、PS3の発売までちょうど後一ヶ月というタイミングで、朝一の情報番組からCMを流し始めるというのは、相当にえぐい戦略ですねぇw。PS3は気にしていない、と言っていながら牽制する気満々です。…まあ、未だにCMすらしていないPS3が悪いというのもありますが。

新たに明らかになった周辺機器の価格

任天堂のページでは、それ以外にも今日の任天堂説明会で話された様々な情報が公開されています。その一つが、周辺機器です。先日のWiiPreviewでWiiリモコンやヌンチャクなど、コントローラ関連の周辺機器の価格は公開されましたが、それ以外のパーツの価格が公開されていませんでした。それについて、本日新たにページが追加されて情報が公開されています。

周辺機器 - Wii

自分は「HDTV所有、無線LANルータあり」という環境なので、この中で重要なのは「D端子ケーブル」。結局、価格は2500円。個人的には妥当な価格でよかったな、という印象です。

GCの時はケーブル側に回路がついており、音声も含まず映像のみで3500円という値段でした。
GAMECUBE 周辺機器
一方、今回のWiiのケーブルは、PS2のAVマルチと同様にD端子でも音声出力つきで、自然な形態。ちなみにPS3でも使えるPS2用のD端子ケーブルは2,625円ですので、Wiiの方が消費税分安いかんじですね。
PlayStation.com | ショッピング | プレイステーション2専用D端子ケーブル(音声出力端子付き)

それ以外では、S端子ケーブル、アダプタはGCと同様、コンポジットは1000円とGCより500円安くなっています。また、D端子だけでなくコンポーネントも用意されているところが違うところですね。海外製の安い液晶ディスプレイ(Dellとか)だとコンポーネントはあってもD端子がついてないこともあるので、人によってはありがたいところでしょう。変換コネクタとかで何とかなるレベルですが、その分余計な出費になりますしね。


そして、自分は必要ないですが世間的には関心が高かった有線LANアダプタ。これは2800円で、しかも発売日が12月と日付が明記されていません。価格については、大体市販のUSB1.1対応LANアダプタがこの程度の定価ですから、それに合わせた感じですかね。USB2.0対応だとギガビット対応のものなどがありますが、価格が4000円以上しますし、インターネットだけでは他がボトルネックになってギガビット対応はあまり意味ないですからね。動画ダウンロードなども特にないWiiでは妥当な判断でしょう。

LANアダプタ 商品・価格 一覧 - coneco.net

とはいえ、発売日が他の周辺機器は12月2日と書いてあるのに、これだけ日付が書いていないのは気になりますね。12月とは書いてあるので、遅れるとしてもわずかなのですが、ロンチで出さないとすると何か意味があるのでしょうか。一人暮らしの人なんかはルータとゲーム機が近くにある人も多いでしょうし、有線LANは非常にシンプルなソリューションだと思うんですけどね。一戸建ての家とかだと、無線LANで構築している、もしくは1つしかない回線をPCに直結しているだけで、わざわざルータを買うなら無線LANのものを買うと思うので問題ないとは思いますが。不満を持つ人が出るのは、しかたないことでしょうね。

Web通販専用のGCゼルダ

もう一つ論議を呼んでいるのは、「GC最後の大作」と言われながらじらしにじらされ続けたGCゼルダです。一部ではGC版は同発じゃないのでは?という噂はありましたが、結局同発になりました。しかし、違ったのは「通販限定」というところです。
ニンテンドー ゲームキューブ
任天堂ホームページ 発売カレンダー

おそらく、この通販限定という対応は、「同時発売のWiiゼルダとの混同をさけるため」ということがあるのは間違いないでしょう。WiiWiiのソフトもGCのソフトも動いてしまいます。同じタイトルが、上位機種と下位機種両方で出ると言うことは前代未聞。パッケージの大きさは違うとはいえ、ややこしいことには変わりありませんので。もう一つの理由は、「通販なら作りすぎを避けることができる」というもの。どう考えてもWiiロンチのゼルダGC版よりもWii版の方が多く出るでしょうから、通販で受注生産の形にした方がリスクが少ないという本音もあるのでしょう。GC版の予約は11/6から受け付けると言うことですし、かなり正確な数を把握でしょうから。

とはいえ、一昨年のE3の発表で大歓声をあげ、「Comming Soon」と言われながらWii対応のために今まで待たされたGCユーザとしたら、正直いい気分がしないのは確かでしょう。ただでさえ、DS以降のGCの扱いはひどいものがありましたし。スーパーペーパーマリオなんかもWiiにシフトされてしまい、完全にGCは捨てられちゃいましたからね。自分はGCを持っていないので憤慨はしていませんが、GCユーザとしては面白くないでしょう。ただでさえ負けハードをつかまされた口でしょうし。

正直、岩田社長にはどこか公式な場で謝罪のコメントを出して欲しいですね。素直に、Wiiに注力したいのでGCを犠牲にしたと語ればいいと思います。幸い、Wiiインタビューはソフト編に入り、そのうちゼルダ編にもなるでしょう。そこでちゃんと謝罪しておいて欲しい思います。岩田社長は、それができるだけの度量のある人間だと思っていますので。

PS3のCM攻勢はいつ?!

しかし、WiiはCMといい、周辺機器の詳細といい、どう見てもPS3より多くの情報が公開されています。何か、PS3Wiiの発売日が逆と言われてもおかしくない状態です。
とはいえ、据置ゲーム機ではPSは圧倒的なブランド。それに対しWiiはまだ知名度はかなり低いでしょうから、今回のCMのようなティザー広告も交えて多くアピールしていかなければならない、というのも事実です。しかし、DSがゲーム市場を現在支配しているだけに、PS3も単にPSブランドにおぼれてアピール不足なのでは足下をすくわれてしまいます。出荷数が少ないから宣伝を自粛する、というのはたまにある話ですが、発売前から自粛するぐらいなら発売日を延期すればいいだけで、前代未聞です。
おそらく、近日中にPS3のPR活動も活発になってくることでしょう。最近CMセンスがよくないだけに、PS3でどう巻き返してくるのか、注目です。