他の地域のまちづくりに学ぼう(4)愛知万博

今日は愛知県長久手町周辺の愛知万博までのまちづくりと
万博後のまちづくりの課題について考えてみようと思います。


長久手町はウエ大のDRAGON氏が4年間住んでいた地であり、
私自身もテニスの試合が口論議運動公園であっていたため
多いときは年に2、3回訪れていました。(口論議日進市ですが)
歴史的には「小牧・長久手の戦い」が有名であり、
現在も犬山市から小牧市長久手町にかけて城跡・陣跡・古戦場が多数残っています。
下は長久手町郷土資料室で購入したマンガ本です。

ご当地の歴史を紹介したマンガ本は全国多数あります。
たいがい地元の歴史を美化しすぎたり、無理やり中央の歴史とつなげたりしています。
でも長久手町の発行したこの本は、客観的にわかりやすく書いてあり
今まで読んだご当地歴史マンガ本の中で1番の完成度だと思います。
長久手の戦いにいたるまでのプロセス→そして長久手の戦いの詳しい内容
→その後の歴史にどのような影響を与えたか、と流れを把握しやすいです。


愛知万博は「自然との共生」をテーマにした博覧会ですが、
当初からその万博会場開発のために自然を破壊するのは本末転倒ではないかという意見も多く、
地元ニュースでは用地の買収でもめる様子が報道されていました。
万博会場となったのは長久手町瀬戸市ですが、愛知県全体で開発は行われました。
世界からの窓口となる中部国際(セントレア)空港の建設、高速道路および鉄道の環状化などです。
 



セントレア空港にある滑走路との距離が300mしかない「スカイデッキ」や
「ちょうちん横丁」は、人にぶつかりまくるほど大混雑していました。
反面、タクシーや車で混雑していた小牧空港の方は、
各都市へのバスの便数も少なくなり、駐車場もガラーンとして昔の面影がなくなっています。
名古屋駅南には万博サテライト会場もつくられました。
 


長久手のメイン会場には、名古屋地下鉄東山線の終点「藤が丘」駅からリニモに乗り換えて行きました。
「藤が丘」駅もリニモができたため、モダンなたたずまいに変わっていました。
そのため田舎の風情が残っていた長久手古戦場周辺も雰囲気が変わってしまいました。
前年末に、上海で最高時速430kmのリニアモーターカーに乗っていたので、
リニモはどれだけスピードが速いのだろうかとワクワクしていたのですが、
遅い…とにかく遅い…
ゆりかもめ」の方がまだ速いのではないかと思うくらいでした。
しかも、カーブが多いので乗り心地もイマイチです。

長久手会場に着くとあまりの人ごみに驚く。
大人気のトヨタのパビリオンは入場整理券を受け取るのに5時間待ちという状況。
 
これでもこの日はまだ少ないほう、翌日は10万人を超えたと報道されていた。
(旧諫早市の人口を超える人が会場に来たということに)
この混雑を見て「午前中は瀬戸会場で時間をつぶしたがいいな」と思い。
モリゾーゴンドラで瀬戸会場へ移動。
 
ゴンドラで一緒になった地元の老夫婦は、
開催してまだ1ヶ月だというのに「もう10回以上来た」と言っていました。
私も近くに住んでいれば、3回行けば元が取れるフリーパスを買ったのに…
(企業や国の)たてまえが立派な長久手会場と違い、
瀬戸会場は地元の人たちが協力してイベントをやっていて好感がもてました。
 
現在の瀬戸会場跡は、瀬戸万博記念公園・あいち海上の森として開放していますが、
ガラーンとしてさみしくなっており、万博時の面影はありません。

瀬戸会場から今度は燃料電池バスに乗って長久手会場に帰りました。
 

バスは外から内側が見えないつくりで、音も静かでした。
企業のパビリオンはあいかわらず混雑していたので、
比較的空いているアジアやアフリカのグローバル
コモンをまわりました。
 
アメリカのパビリオンは燃料電池自動車NASAの火星探査車を見ることができ、
黒人のお姉さんに話しかけられ、話していたら万博記念テレホンカードをくれました。
 
日が暮れて夜になり会場も若干人が少なくなりました。
 
 
こども向けだと思っていたのですが、ワンダーサーカス電力館はかなり楽しかったです。
青森のねぶたが見れたり、

岐阜市役所の人たちと一緒に参加したこともある信長祭りも映像が流れていました。
 
JRは2003年に世界最速581km/hを記録した山梨リニアを展示していました。

この長久手会場跡も愛☆地球博記念公園として残っております。
下の写真は、大府市共和商店街のマスコットキャラクター「にこっぱ」です。
万博のときは、この「にこっぱ」は「モリゾー」だったのですが、
いつの間にか「にこっぱ」に変身していました。
 
イベントのため開発したものを、イベント後にどう活かしていくかというのは、
難しい課題だと思います。
負の遺産をつくらないためにも、ただ「つくる」のではなく、なぜ?何のために?必要なのか、
住民一人ひとりが考え判断し、賛成反対して、よりよい「まちづくり」をしていきたいですね。





報告 DENTA


長崎ウエスレヤン大学・まちづくり工房☆