藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

真のイノペーターは誰か。

自動運転車、メガネ型コンピューターのグーグル・グラス、糖尿病を管理できるスマートコンタクトレンズ

やはりGoogleが見ている未来は普通のIT企業とは違うのではないか。
Googleが登場した時、まだインターネットの普及期だったこともあるが「何か違うモチベーションの会社だな」と感じた人は多かったように思う。
「世界中の情報を整理する」という企業理念が、営利企業としては桁が違うコンセプトだ、と感じた人は多かったと思う。
特にIT企業では。
それから「Googleはリアル広告のサブセット程度の存在」などと一時は言われもしたが、どうも同社の遺伝子は"やっぱり違うところ"にあるのではないだろうか。

自動運転車、メガネ型コンピューターのグーグル・グラス、糖尿病を管理できるスマートコンタクトレンズ

は一見荒唐無稽に思えるが、企業の株主総会とかいう因習を離れてみればどれも「ワクワク感満載」の楽しいテーマではないか。
その「こうすればこれだけの利益が出る」という説明に辟易している投資家とか経営者とか、一般の社会人になにか「胸のすく」ようなコンセプトを感じるのである。

多くの企業が成長して、そして上場し、また年を取って「普遍化」してゆく中で、唯一「そうではない会社」がGoogleなのかもしれない。
「楽しいかどうかもを標榜し、投資家に対しても引かない」という、たったそれだけのことがこれから、今までのどこにもなかったイノベーションを起こすような気もする。

その根本は「面白いかどうか」。
自分たちいい歳の社会人も、もう一度仕事とか、人生とか、人間関係とか、いろんなものを「面白いかどうか?」と自問してみてもいいのではないだろうか。
そんな目を養いたいものである。

グーグル・ブリン氏、ITを先導するカリスマの磁力
2014/1/24 7:00ニュースソース日本経済新聞 電子版

 トニー、お前もか。ニュースを聞いて、まずそう思った。
 米グーグルがロボット会社を次々買収していると、このコラムで書いたのはほんの1カ月前。そのグーグルがまた動いた。今度は家庭用のサーモスタット(自動温度調節装置)や煙探知機を手がけるシリコンバレーのネスト・ラボを傘下に収めるという。目を引くのは、2010年創業で従業員300人のベンチャーについた高値(32億ドル)だけではない。
関連記事・1月13日ウォール・ストリート・ジャーナル電子版「Google to Buy Nest Labs for $3.2 Billion」・1月17日日経電子版「『スマートコンタクト』で糖尿病管理 米グーグル」
■「iPodの父」のグーグル入り
 ネスト創業者で最高経営責任者(CEO)をつとめるのは、米アップル元幹部のトニー・ファデル氏だ。携帯音楽プレーヤーのアイデアをアップルに持ち込んだ「iPodの父」。その世界的なヒットは同社を完全復活させ、iPhone事業の土台をつくった。アップルの歴史に名を残すそんな大物がグーグルへ。なぜなのだろう。

 「11年、セルゲイ・ブリンサーモスタットのビデオと初期モデルを見せた。すると彼は、われわれがやろうとしていることをすぐさま理解した」。買収を発表した13日、ファデル氏はブログに書いている。グーグルのベンチャー投資部門がネストの資金調達を取り仕切るようになるなど、グーグルの共同創業者であるブリン氏との接触を境に両社の関係は深まった。
 自動運転車、メガネ型コンピューターのグーグル・グラス、糖尿病を管理できるスマートコンタクトレンズ。ブリン氏はそうした新プロジェクトのけん引役だ。妻(現在は別居中のもよう)が設立した会社のDNA分析サービスでパーキンソン病にかかるリスクが高いとわかると、隠さず公表。「生活改善のチャンス」と言い切ったあたりにキャラ立ちぶりが表れている。
 「セルゲイに相談すれば、面白がって手を貸してくれるはず」――。野心と能力のある人材にそう感じさせる磁力をブリン氏は放っているようにみえる。
 昨年12月、シリコンバレーのグーグル本社でグーグル・グラスの開発をリードするサド・スターナー氏に会った。もともと米ジョージア工科大学の教授。20年にわたって自ら利用者となり、ウエアラブル(身につける)コンピューターを研究してきたこの分野の第一人者だ。かねてグーグルの創業者たちとは知り合いだったが、10年に同社のアドバイザーに迎えられたのは、ブリン氏の好奇心がきっかけだった。
 スターナー氏が振り返る。「セルゲイに『ぜひウエアラブルコンピューターを見るべきだ。こちらの研究もずいぶん進んだよ』とメールした。驚いたことに『こっちに来てデモを見せてくれないか』とすぐ返事が届いた」
メガネ型端末「グーグル・グラス」をつけるグーグル共同創業者のセルゲイ・ブリン氏=ロイター
 技術トレンドを先読みし、果敢に攻めるカリスマ。今ブリン氏が持っているそんな雰囲気は、かつて米マイクロソフトビル・ゲイツ会長が漂わせていた。
 10年ほど前、インタビューに応じたゲイツ氏は「マイクロソフトに入れば世界を変えられる。だから優秀な人材が集まってくる」と言っていた。パソコン用基本ソフトでシェア9割を超すウィンドウズの影響力が自信の源だった。普及させたい技術があれば、マイクロソフトの門をたたき、同社のプラットフォーム(技術基盤)に乗っかるのが近道といえた。
 しかしライバル台頭でマイクロソフトの威光は薄れ、スティーブ・バルマーCEOは昨年、退任表明に追い込まれた。ゲイツ氏は後任探しを急ぐが、一部の株主からは「会社を刷新するなら、あなたこそ退くべきだ」との声があがる。「帝王」の面影を探すのは難しくなった。
■すぐれた人材を引き寄せるパワー
 膨大なデータを集めて生かすデジタル経済の先頭をグーグルは走る。大手コンサルティング会社アクセンチュアの清水新マネジング・ディレクターは「誰もがほしがるデータをいち早くアーカイブ化(整理・保管)するのがグーグルの強みだ」と説く。ネストの機器やグーグル・グラスもグーグルを中心とするデータの流れを一段と太くする。
 カリスマにも「旬」があることをゲイツ氏の歩みは示す。ただ目下、ブリン氏が何か型破りなことをしたいとうずうずしている人たちを引き寄せる核であるのは間違いない。買収資金だけで比べれば、マイクロソフトやアップルも蓄えはたっぷりあるが、「グーグルと組めば速く世界を変えられる」(ファデル氏)というのがIT業界内の平均的な見方ではないか。次にブリン氏に相談を持ちかけるのは誰だろう。