中国茶の時間【茶詩・漢詩と中国茶と】


雪が溶け、水が温み、草木が芽を出し始める
二十四節気の「雨水」の頃。

春を告げる花「梅」にちなんだ漢詩二編の中から
お好きな一節を和紙に書き写しました。


一つめは、初唐の詩人・張説(ちょうえつ)の「幽州新歳作」。

「幽州での春は、雪が梅花のように降りしきり、
新春の都では、宮廷のかがり火が夜明けまで燃え続ける。
わが君子の長寿を祈願し、乾杯しよう」
そのような心地を詠んだ詩です。


この詩は「茶という言葉を語らずに、茶を語っています」と黄先生。
雪と火の対比は、漢詩によく出てくるのだそうです。
紅白の色、冷と暖、それぞれ対極にありますが、
共通するのは、その清さといいます。


もう一つは、南宋の詩人・陸游の「梅花絶句」。
降り積もった雪のように、四方の山々に
梅の花が咲く情景が描かれています。


今月の中国茶は、ジャスミンで香りをつけた黄山毛峰。
ジャスミン茶は福建省で作られることが多いのですが、
このお茶は、めずらしく安徽省で作られたものです。


点心は、包子と大根餅。
花湯は、大阪天満宮の梅茶。


来月は、3月19日(火)に開催。
春分にちなんだ漢詩中国茶を味わいます。