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2014-07-28

広告業界に急増する「ストーリーテラー」という肩書き

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去年・今年とカンヌライオンズで語られまくった"ストーリーテリング"について興味深い記事が"Creative Review"に掲載されていた。

Stefan Sagmeister(Sagmeister & Walsh/パートナー)は最近、クリエーティブ界隈で自らを「ストーリーテラー」と名乗る流行を「糞だ」と激しく切り捨てている。それは"Camp festival in Calgary"(9/8-9)を主催するFITCのインタビューでのことであり、かなり挑発的な感じだ。※"Camp festival in Calgary"(テクノロジーアート、デザインのイベント)のそのプロモーションとして大袈裟に言っているように思うが...結構茶番多いので)

このビデオがポストされたVimeoのコメント欄には、特に「小説家脚本家のみがストーリーテラーだ」とのSagmeisterの発言に対する否定的コメントが書き込まれている。

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コメントの主張としては、ストーリーテリングはそんな狭い範囲のことではない、とのこと。一方、Sagmeisterの主張はストーリーテリングが広告・マーケティング業界が商売をしやすくするためにねつ造されたトレンドに過ぎないということだ。今年のカンヌライオンズの多くのセッションでストーリーテリングは語られていた。まるで驚くべき発見であるかのように。でも、これは昔からあったことで、言葉を変えただけなんだ、と。

恐らく業界リーダーの何人かはストーリーテリングというトレンドを求めている。Mainardo De Nardis (OMD)によると「ストーリーテリングはコンテンツをクリエーションし、様々なプラットフォームを通じて適正なユーザーに配信するキャパシティである。それは二年前に"インテグレーテッド"と呼んでいなかったか?」

そして、こう付け加えている。「ストーリーテリングなしでは私たちは30秒スポット提案の時代に戻ってしまう。それは、私たちがより良いエンゲージメントのために求めていることではない。」

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カンヌライオンズで今年話題になったジャン・クロード・ヴァンダムの印象的な語りから始まるVolvo Truck"Epic Split"。これなんて、伝説のキャンペーン"Solvite"と同じじゃないか?

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ストーリーテリングは過去の偉大なキャンペーンにとっても心臓部でもある。このVWの"Snow Plow"がストーリーを語っていないとしたら何だ?

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BBHのLevi'sのキャンペーンなんて、製品固有の特徴をうまくストーリーに昇華させている。

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今や私たちにはより長い尺でブランドやユーザー、コミュニティについて語ることができる。

※Stella Artois(ビアブランド)がウィンブルドンテニスを支える人や技術を紹介するビデオシリーズを展開。これは、決勝当日、優勝トロフィに勝者の名前を刻むためだけにポーランドから車と船で遠路はるばるやってくる職人の物語)

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タブレットのような新しくパワフルなツールを使ってストーリーを語ることができる。

ストーリーテリングは広告業界にとって普遍的なものであるが、だからといって私たちはストーリーテラーではない。

冒頭のフィルムでSagmeisterは自分自身ストーリーテラーと名乗るクリエーターを"ローラーコースターデザイナー(自分たちを飾ることばかりする奴ら)"として揶揄している。広告業界はより複雑になるコミュニケーションの中で自分たちの役割を探している。データギークやアルゴリズムには提供できない自分たちのポジションをつくりたくて、ストーリーテラーに飛びついているだけだ...と語っている。

勿論、担当しているブランドや企業を力強いストーリーと共に語り、生活者の意識をポジティブにすることは相変わらず素晴らしい。しかし、私たちは今やたくさんのストーリーテリングの方法を知っているし、新たな発明的に語るのはおかしくないか?

(via Creative Review)

業界の流行語をつくり、権威を与え、エージェンシーやクリエーターに武器を授ける...というのはカンヌライオンズの役割だし、クリエーターが「ストーリーテラー」と呼びたい気持ちも分からないでもない。ファッション業界が流行の色や柄をつくって、生活者を巻き込んでいく手法とそう変わらないのではないかと思います。

2014-07-24

Reebokがベーコン?

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Reebokが米国のフィットネス団体"CrossFit"(世界で5000軒の認証ジムを持つ)のメンバーに"Reebok Bacon"を贈った。???って感じなんだけど、"CrossFit"はパレオダイエットを推進していて、パレオダイエットは穀類を食さず、自然に近い状態の肉、魚、野菜、フルーツ、ナッツ、卵、脂質を食べることを推奨しているからだ。特に"Reebok Bacon"は保存処理されておらず、また、硝酸塩や防腐剤、グルタミン酸ナトリウムを一切含んでおらず、パレオダイエットにとても良いらしい。

"Reebok Bacon"は"2014 Reebok CrossFit Games"というイベントの参加ノベルティとして活用される。

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最初はReebokベーコンが全く結びつかなくて、話を聴けば腑に落ちる。只の意外性ではなくて、意味が伴っているのが良いです。

2014-07-23

「音楽ホテル」というアイデア

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"睡眠特化型ホテル"など、日本でも他のホテルとの違いを生み出すべく、色んな工夫がされているけど"Universal Music"と"MTV Europe"の並びにあるベルリンの"nhow"は欧州初の音楽ホテルと言われており、名曲タイトルに拘っている。ホテル内の場所やツールと曲名が絶妙にリンクしており、知っている人間にとってはにやつきっぱなしの滞在になるに違いない。

エントランスには"Welcome to the Jungle"(Guns N Roses)。ツカミにピッタリの曲。

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プッシュドアには"Push it. Push it real good."(Salt n’ Peppa)

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テラスへと続く階段には"Stairway to Heaven"(Led Zeppelin)。いいね!

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エレベータには"Love in an Elevator"(Aero Smith)。「エレベーターの中で愛し合え。落ち目のときこそ派手にやらかそうぜ。エレベーターの中で愛し合え。奈落に落ちるまで愛し合え」...みたいな歌詞なんだけど、どんなドラマがあっただろうか。

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コンシェルジェデスクには“I’ll be there for you”(The Rembrandts)

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通路表示は"Walk this Way"(RUN DMC)。これは気に入った。

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1F EVホール。次ベルリン来る時もヨロシク的な? "One More Time"(Daft Punk)

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"Don't disturb"が"Enjoy the Silence"(Depeche Mode)。なるほど。

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部屋の中の照明スウィッチは"All of the Lights"(Kanye West)

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部屋置きのミント"Sweet dreams are made of this"(Eurythmic)。曲調までピッタリだ。渋い。

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フロントへの電話は"Call me maybe"(Carly Rae Jepsen)。流行ったなぁ。

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石鹸は"Dirty"(Christina Aguilera)

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レストランは"Hungry Eyes"(Eric Carmen)。メニュー1つ1つにもフレーズが割り当てられている。

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ギターのルームサービスもある。そして、表示されている全ての曲が入ったSpotifyのPlaylistも用意されている。

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このホテルのプランニング、きっと楽しかっただろうなぁ。

ぐにゃぐにゃシューズは折り曲げてパッケージング

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どんなスニーカーも、箱の中に真っ直ぐ揃って入っているものだけど、ぐにゃぐにゃ曲がるフレキシビリティがセールスポイントの"Nike Free 5.0"はその機能性が強く伝わるように、スニーカーが折り曲った状態で箱の中に収められている。そして専用箱“Nike Free Box”は従来型ボックスの1/3のサイズとなっている。

※ウルグアイで企画されたパッケージであり、日本では現状採用されていない。

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凄い所に目が行くなぁ。常識を疑わなければ。

人格矯正テレビ

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顔認識技術を駆使した"Smile TV"。笑顔で視聴しなければ画面にノイズが入るTVだ。考案者である David Hedberg(デザイナー)によると、あらゆる欲しい情報をクリアに手に入れることができるようになった今、自分たち自身がアンテナとなって、他の誰かに対してどのように情報を伝えるか...そのアンテナの精度・態度が求められている...ということを世に啓発する為に開発された。SNSなどでの情報シェアなどにおける意識に言及しているのだろうか。

良い情報も悪い情報も何でも垂れ流し状態で、人に強い影響を与えてきたテレビが、ある種人格を矯正する存在になるとは、面白い発想だなぁ。

2014-07-22

鏡の使ってMeの物語を映し出す

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鏡の前に立って笑うとSelfieしてくれるというシンプルなアイデア。Doveは"Real Beauty"を標榜しており、過剰な化粧や装飾ではなく、あなた本来が持っている美しさを引き出すということを常々主張しているので、よくある困ったときの"笑顔頼み"みたいな企画とは違って、威力を感じる。

こちらはパン・ブランドの"Nutrella"(ブラジル)。街角に大きな鏡を置くと通りすがりの女性は必ずと言って良いほど鏡に映る自分を見る。そして、そんな彼女たちを鏡自身が褒めちぎる。最後にはパンをプレゼントrるんだけど、褒めて貰うとみんな自然に笑顔になって、意外に気持ち良いし、ブランドに対してポジティブな気分になる。

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鏡を使って自分自身の物語を映し出すという、Selfieに通ずる仕掛けが良いのではないか。カンヌライオンズでもこういった"Me"にフォーカスした作品は結構見たように思う。

蛇口を捻ればクラッシック

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コンサートの休憩時間、トイレに入って洗面所の蛇口を捻ると音が出る。幾つかある蛇口全てが同じ音ではなく、それぞれ異なる楽器音が割り当てられており、同時に蛇口を捻ると1つの曲になる。トイレ利用者は必要の有無は別として、蛇口を開けっ放して音楽を楽しむ...この"Symphony Range"なる企画を仕掛けたのは水回り製品ブランドのCobra(南アフリカ)だ。

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デザインの良い蛇口って拘りの強いエンドユーザーからの指名だったり、デザイナーからの指名だったりするので、クラッシックのコンサートホールというのは、良いメディアかも知れません。

2014-07-18

甘い物を買う瞬間は歯磨きプロモーションのチャンス

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日本ではあまり見ないけど、米国だと大学キャンパスなどで、キャンディやチョコレートのベンディングマシンは結構ある。この甘い物が一杯詰まったマシンこそ、歯磨き商品をプロモーションする絶好のチャンスであることを発見したのが"Colgate"。既存のベンディングマシンに手を加え、甘い物を買おうとお金を入れると"歯磨きを忘れずに!"というメッセージが表示され、甘い物と一緒に"Colgate"のサンプルがもらえるベンディングマシンにした。

今までメディアじゃなかったものがメディアになるというのが素敵。よくこの機会を発見したなぁ。