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2015-01-28

ロンドンに迷い込んだシロクマ

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ロンドン中心部の地下鉄やテムズ川周辺を体長2.5mのシロクマが闊歩し、道行く人たちに驚きと安らぎを提供した。しかし、このシロクマは北極圏から漂流した訳ではない。ハリウッドの職人たちが6週間の月日と8.4平米の毛皮を含む30種類のマテリアルを駆使して造ったレプリカであり、Sky Atlanticの北極圏での犯罪ドラマ"Fortitude"のプロモーション用として制作された。

狭い地下鉄の車輌内にまで入ってくる。

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エレベータにも乗れば、テムズ川の橋の上も彷徨する。

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こんだけかわいいと、こうなるのは否めないです。

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これはロボットではなく、Tom WiltonとDerek Arnoldの2人がゆるキャラのように中に入っている。本物のシロクマを観察し、5日間みっちり歩行練習をしたそうだ。

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そろそろ"ゆるキャラ"に飽きた今日この頃、このくらいリアルな方が良いですね。

今年のSuper Bowlでも長尺で盛り上げて短尺に誘導し、再び長尺で盛り上げるBud Light

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"Super Bowl 2015"1週間前ということで、30秒450万ドルというTVCM出稿料金の元を最大限とろうと、各スポンサーブランドがティザーや本編のリリースを開始している。本番までに"ひとやま"つくって、本番及び本番後の動画共有サイトの視聴を最大限盛り上げるというのはここ数年で定着した戦略だ。

その1週前に発表したブランドの1つに"Bud Light"がある。彼らの今年の作品は"Coin"。何も知らずバーに入った男がバーテンダーの勧めで、店を出て所定の場所に行くと、そこは懐かしのアーケードゲーム"Pac-Man"のリアルサイズバージョンの会場だった...というストーリー。そして、大型のコインを入れるとゲームがスタートし、自らがパックマンになって走れ回り、見事にクリア。

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所謂、リアリティCMってやつだ。このTVCMは金曜日の"The Tonight Show With Jimmy Fallon"で発表されたんだけど、90秒の長尺。この一発を起点にSuper Bowl当日まで盛り上げることで、Super Bowlの視聴を最大化。そして、当日は30秒バージョンがオンエアされるため、全編観たい人は90秒を求めてYouTubeにやってくるという仕掛け。また、このラッキーボーイがテレビ番組などに出演し、Bud LightのCMプロモーションに一役買うことになる。

Bud Lightは昨年もリアリティCMで大成功を収めた。リアリティTV全盛時代だからだろうか。但し、Super Bowl全体を見ると、このタイプはほとんど見ない。

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去年もバーに訪れた男が女に声をかけられ、リムジンに乗って、Reggie WattsのDJプレイを楽しみ、Minka Kellyにスタイリングしてもらい、ビルのエレベータで山羊使いに遭遇し、Schwarzeneggerとピンポンし、パーティが始まる...次々に起こるサプライズの連続は今年と同じコンセプトだ。

"Super Bowl 2015"に二匹目のドジョウはいるのでしょうか。

2015-01-26

クリエーティブ企業と高等教育や義務教育との関わり方

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トロントにある"Oasis Skateboard Factory"というスケボー&ロングボードのブランドはただのブランドではない。現役高校生が運営しているブランドであり、トロント教育委員会(Toronto District School Board)が管轄し、生徒の単位取得の対象となっている。

そして、このブランドの運営にアドバイザーとして関わっているのが"Anomaly"(クリエーティブエージェンシー)であり、高校生にブランドビルディングやデザインなどについてのノウハウを伝授すると共に、運営がうまく行くよう手助けしている。

"Anomaly"の役割に広告会社やデザイン会社の事業ドメイン拡大の1つの方向性が見える。専門学校や大学と広告会社が関わるケースはこれまでもあったけど、これは、高等教育義務教育とクリエーティブ企業の今後の関わり方の示唆になるのではないか。

2015-01-23

次の時代のコンピューティング、次の時代のPC

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Microsoftが現実世界にデジタルホログラムを融合したVRヘッドセット"HoloLens"のプロトタイプを発表した。Oculus Riftのようにゴーグルの中で完結するのではなく、その向こう側に現実世界が見えるというのが大きな特徴であり、Windows10による実現を見込んでいる。

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ビデオによるとユーザーにしか見えないテレビがあったり、開発中のバイクに指先一つで手を加えたり、歩きながらSkypeしたり、Skype技術者と繋いで補助を受けながら水道管を修理したり、地球に居ながら火星で働く探索機の補助的作業をしたり...どういう仕組みになっているかは全く想像つかないけど、従来のVRヘッドセットに比べてかなりの実用性がありそうだ。

これがデバイスのデザインだ。BONOの眼鏡より若干大きいか。

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こちらのビデオは開発者たちがその可能性を語っている。

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これこそが次のコンピューティングであり、PCである...将来、通勤列車で今のスマートフォンのように乗客が"HoloLens"に没頭しているとすれば少々怖い世界です。

SuperBowlのティザーでGIFデータをばらまく

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昨年のSuperBowlでメガヒットを記録したBudweiserのTVCM"Puppy Love"。心温まる子犬と馬の友情物語だ。ここ数年SuperBowlでは犬猫を中心とした動物をキャスティングし、好感度を獲得する傾向が強いが、これはその中で最も成功した作品と言える。YouTubeで既に5,500万回以上視聴されている。

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そしてSuperBowl2015ではその続編"Lost Dog"が公開される予定で、そのティザーとしてGIFとJPEGデータが公開された。"Lost Dog"だけにいずれも物悲しさ全開だ。

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SuperBowlスポンサーは1週間程度前から本編あるいは予告編をオンラインで公開し、SuperBowl当日までに一旦話題を作って、SuperBowlをきっかけに一気にマジョリティ層に広げていく戦略が定着しているが、そのためにGIFデータを公開するという作戦は、お初ではないか。"Lost Dog"だけに、迷子の犬を探すWebチラシ的イメージだろうか。本編楽しみです。

2015-01-22

ベストセラー作家の最新作は時限爆弾装置付き

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かつて広告代理店で働いていた"James Patterson"は、今や世界で最も稼ぐベストセラー作家として有名。その最新作"Private Vegas"のプレオーダーが1月26日に開始するけど、それまで待てない気の早い熱狂的ファンの為に、2つの方法で作品を公開している。いずれも相当の速読能力が必要であり、加えて、1つの方法はかなりの財力も要求される。

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"The Self-Destructing Book"はその名の通り自爆本。書籍に24時間の時限爆弾装置がついているという想像を絶する本だ。しかも、その自爆本は1名に限り、294,038ドルで販売されている。この高額自爆本を購入すると以下の特典がある。

  • 非公開の場所へファーストクラスのフライトで移動。
  • ラグジュアリーホテルで2泊。
  • 豪華なリーディングスペースで24時間の読書と高級シャンパンを楽しむ。
  • 優秀な爆発物処理班を傍らに配置。
  • 金と皮製の双眼鏡で爆発の瞬間を見学(双眼鏡には作者のイニシャル刻印)。
  • James Pattersonとのディナー。
  • James Patterson"Alex Cross"シリーズ全作品のサイン本

因みにこの294,038ドルという不自然な金額は広告代理店の制作費だそうだ。

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そして、もう1つの方法はJamesPatterson.comでランダムに配布されるコードを手に入れた1,000人限定であり、専用のiOS Appを手に入れて読むことになるが、こちらも24時間の時限装置付き。読み始めてから24時間後、画面は自動消滅する。例えば殺人のシーンなら画面上に地が飛び散るといった演出も用意されているそうだ。

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24時間で読めそうにないので、続きが知りたくて書籍をオーダーするという作戦も面白いし、24時間で画面が消えるという映画っぽい演出も引き込まれそうです。James Pattersonはスリラー小説作家なので、作品にもフィットしています。

294,038ドルの高額本は1,000人を対象とした企画に目を向けさせる位置づけだと思うので、そういう意味では実際に売れなくても良いと考えてしまいますが...本当に広告代理店のギャラがかかっているなら、そういう訳には行かず、こちらも別の意味でスリリングです。

かつて飲んだママのミルク

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ドイツの牛乳ブランド"PLAIN"。"Mama's Milch"(ママのミルク)と謳っているんだけど、"寒いフィンランドで大切に育てられた幸せな牛から取った質の良い乳"のメタファーとして"ママ"と表現しているのだろうか。TVCMでも"ママ"を忠実すぎるぐらいに表現している。

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飲みたいかどうかは...微妙です。

2015-01-19

弱小ブランドの戦い方

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"Newcastle Brown Ale"はその名の通り英国にルーツを持つビアブランドであるが、現在のメイン市場は米国であり、BudweiserやCoorsといった巨額資本のブランドと戦っていかなければならない訳だけど、広告費の桁が違うことを鑑み、昨年からテレビなどの媒体費に大きな費用を割かず、コンテンツで勝負する方針に切り替えている。

2014年彼等が仕掛けたのは世界で最も高額なTVCM枠を誇り、Budweiserも毎回3-4本出稿するSuper Bowlとビール各社が愛国心掻き立てるキャンペーンを展開する独立記念日のタイミング。Super Bowlでは"If We Made It"(もし私たちがSuper BowlのCM枠を手に入れたなら...)をコンセプトに、架空のCM検討プロセスYouTubeで展開した。最近のSuper Bowlでは本番前に本編を公開したり、ティザー篇を公開するので、その流れに乗って話題となった。(参照: メディアコストをコンテンツへシフトし、ビッグブランドと勝負)

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そしてSuper Bowl2015では昨年のように統一的なコンセプトで展開するのではなく、五月雨式にアンブッシュを展開していく模様で、第一弾は"Chores"。Super Bowlの名物キャンペーン"Doritos Crash the Super Bowl"のパロディとなっている。"Crash the Super Bowl"は広くCM作品を募集し、一般投票の末、上位3作品がSuper Bowlの放送枠でオンエアされ、翌日発表されるCMランキングの結果に応じて最高100万ドルのボーナスがあるという企画だけど、"Newcastle Brown Ale"がこのコンテストに応募するという設定だ。

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Doritosにはモザイクをかけつつ、"Newcastle Brown Ale"は断然目立っている。演出は"Crash the Super Bowl"は過去の入賞作品を踏襲している。

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第二弾"Bands of Brands"は女優のAubrey Plazaを起用。Super Bowlの30秒CM料金は450万ドルと高すぎて"Newcastle Brown Ale"だけでは手が出ないから、弱小ブランドがたくさん集まって出稿しようぜ! という企画で、その為にCM本編にバナー枠を設定するから、希望ブランドは連絡ちょうだい! とAubrey Plazaが呼びかけている。

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"シェアリングエコノミー"とか"フットボールはチームスポーツだ。広告だって同じだよ"といった決め台詞で締めくくっている。この"Bands of Brands"を発展させるのか、新展開があるのか...Super Bowl2015が開催される2月1日まで2週間で更なる展開が期待されます。

ビールを冷やす広告

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Glacial Beer...初めて耳にするブラジルのビアブランドだけど、そのプリント広告はその名の通り、氷河の如く、ビールを凍りつかせる仕掛けだ。

まずは、広告を切り取り、水で広告を濡らす。そして水に濡れた広告を常温ボトルに巻きつけて冷蔵庫にぶち込む。すると通常の半分の時間で冷えたビールを飲むことができる。この広告には塩粒子が練り込まれており、冷凍プロセスをスピードアップするのに貢献する。

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もっと速く冷やす方法はあるので、便利というよりは、ブランドコンセプトを伝えるためのアクションというイメージでしょうか。"使える,役に立つ"プリント広告ってここ何年かで頻発してますが大抵がモバイル端末連動企画で、こういうのは珍しいように思います。