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Campaign, more than anything

Design Lions Grand Prixは“THE SELF SCAN REPORT”


Designと言っても仕組みのデザインや見せ方のデザインなどとても領域が広いと感じる部門ですが、グランプリ作品は欧州のスーパーマーケットチェーン“AUCHAN”によるサステナビリティ・リポートの工夫。
サステナビリティ・リポートを分厚い冊子にするのは本当にサステナビリティ?」という疑問から生まれたこの企画は、スーパーマーケットらしくレシートを使って、レシートのバーコードをスキャンすることによってスマートフォンにレポートを表示するという仕掛け。インターフェースも素晴らしい。


そう言えば昨年のDesign Lionsもソーラー・カンパニーが太陽の光で文字が浮かび上がる印刷技術を使った“Solar-Powered Annual Report”でした。リポート系の二連覇です。
その他、Design Lionsの展示で気になった作品を紹介します。
Halssen & Lyon“Tea Calendar”

紙製日めくりカレンダーではなく“紅茶葉”だけで作られた日めくりカレンダー。時が過ぎ、日付を示す役割を終えた“日めくり紅茶”をカレンダーから取り外してそのまま湯と一緒にカップに入れると、どんどん溶けて美味しい紅茶ができあがる。
STAEDTLER“The Pencil Architecture”

電子デバイス主流の時代で鉛筆が若者の中で存在感を失う中、何とか振り向いてもらおうと鉛筆の芯でアートを展開。
STAEDTLER Mars Lumograph“Portrait of an old man”

鉛筆の価値再発見。驚愕の画力です。金賞受賞です。
OLFA“Cut to Build”

またもや大阪が誇るNo.1カッター企業OLFA。カッターで繊細な絵柄を切り込んだ限定パッケージ。
The Daily Abuse




241,095人の虐待を受けた子供の名前だけが埋め尽くされた、幼児虐待啓発新聞。
Tokyo City Symphony

東京の都市模型に自在にプロジェクションマッピングできる、そのインタラクティブ性と映像の美しさでが素晴らしい。
UNIQLO“STORMS PINTEREST”

Pinterestは縦長の良いPinが入ると気持ちいい。このターゲットインサイトを応用したユニクロの展開。この手の縦長活用はいくつかのブランドが実施しましたが、ユニクロが一番良かったです。金賞獲得です。
その他、以前のエントリで紹介したOutdoor Lionsノミネート作品で良いと思う作品です。

Press Lions Grand Prixは“Apple iPad mini”


Press Lionsはプリント広告部門といった感じで、受賞したのはiPad miniでした。
雑誌“New Yorker”や“TIME”“Wallpaper”等の表4と表紙にこの仕掛け! iPad miniサイズの広告を展開。流石ですね。


その他、Press Lionsの展示で気になった作品を紹介します。
Don’t Drive Drunk

タイの飲酒運転撲滅キャンペーン。飲酒運転は銃を自分の口に突っ込んでぶっ放すのと同じ。
ビールは銃で銃弾が車...衝撃的な表現です。
The Cape Times“You can't get any closer news. Know all about it”



Cape Timesの取材力をアピール。チャーチル、ジャクリーン、ウィリアム王子など著名人が出演。
Global Alliance for Preserving the History of WW2 in ASIA

第二次大戦中、日本の2人の将校が中国人の首切り競争ゲームをやったという内容の広告。
アジアの正しい歴史認識を推進する団体が広告主のようです。カンヌでこういう作品がディスプレイされているとは...固まりました。

Cyber Lions Grand PrixはOREO "DAILY TWIST", INTEL + TOSHIBA “THE BEAUTY INSIDE”


Cyber Lionsは2作品がグランプリに輝きました。Shortlistを見る限りは、Cyber Lionはデジタル系統合ソリューションといった趣のようです。
OREO "DAILY TWIST"

Facebookページを運営しているブランドはファンの関心を引きつける為に定期的にコンテンツをポストしなければならない訳だけど、Oreoは過去のその日に起こった事件やNational Dayのテーマ等を商品で表現したコンテンツを展開。
例えば、8/5に火星探査機“Curiosity”が火星への着陸に成功したことが話題になったけど、上の写真はその際のポスト。その他にも...
7/5 上野動物園のパンダ「シンシン」が出産した日。

7/9 1877年に第一回ウィンブルドンテニス大会が開催された日。135周年。

7/14 バスティーユ牢獄襲撃の日にちなんでフランス国旗のOreo。

7/15 Twitter6周年。

昨年6/25の「ゲイ・パレードの日」からスタートした。企業のソーシャルメディア運用アイデアで長期的にじわじわとファンを増やしていくような施策が評価されているのが興味深い。
“Oreo Daily Twist”のアーカイブはこちら
※追記:ビデオがリリースされた

Toshiba&Intel“The Beauty Inside”

一昨年、IntelToshibaが組んだSocial Film Project“Inside”がとても好評だった。ソーシャルメディアを通じて主人公のChristinaに色んなアドバイスを送り、彼女を危機から救い出すというのがそのコアアイデアなんだけど、彼女を助けた喜びのビデオが次々にアップされており、涙ながらにその興奮を伝えるという場面もあった。
この成功をベースにIntelToshibaが昨年実施したのが“Beauty Inside”。サンダンス映画祭ドラマ部門でグランプリ受賞歴を持つD.J Caruso が監督し、Spiderman3のTopher Grace、Scott Pilgrim vs. the WorldのMary Elizabeth Winstead主演するという豪華布陣だ。

前回同様、ユーザーがソーシャルメディアを通じて主人公と交流し、主人公の行動に影響を与えることに加え、実際にユーザーが映画出演者になるという仕掛が用意されている。というのも、主人公であるアレックスが毎日目覚めると完全に別の顔・体になってしまい、そんな彼が変化する顔や身体に対して変わらぬ気持ちを恋する人に伝えるストーリーで、全6篇の本編ビデオと共にアレックスが東芝のUltra Bookで日々の出来事を記録するビデオブログとして視聴者自身がアレックスを演じるビデオをFacebookページを通じて投稿することでドラマに参加することができる。
この日々姿が変わるアレックスのビデオは最終的に100人以上の投稿が受け付けられた。

エピソード1は8/16に公開され、以降6週間に渡って以下6作品が公開された。
Episode 1: Hello My Name is Alex

Episode 2: Leah

Episode 3: It Has To Be Tonight

Episode 4: Help Wanted

Episode 5: I'd Like to Show You Something

Episode 6: That's It For Me

その他、Cyber Lionsの展示で気になった作品を紹介します。
Volkswagen“Street Quest”

Street QuestとはFacebook Appsで、表示されるGoogle Street ViewからVolkswagenの車を見つけて、ピンを立てていくゲーム。優勝者は週ごとに発表され、グランド・ファイナルへ進出。グランド・ファイナルではケープタウンの街で実際にVolkswagenの車を探してその数を競う。
Perfume Global Project


Perfumeの世界デビュープロジェクトとして、楽曲と振付のモーションキャプチャデータをフリーで配布してプログラマーによる二次創作を促した。これにより世界各国からヴァリエーションに富む500以上のコンテンツが生まれた。
リエーターとファンの手で世界へ羽ばたくというコンセプトが良いです。銀賞受賞です。
※WebSiteはこちら
※追記:カンヌでのPerfumeのパフォーマンス・ビデオが公開された。

Build with Chrome

ChromeLEGOができるサービス“Build”。オーストラリアとニュージーランドのマップ上の空き地に、バーチャルなレゴブロックを使って好きな建物を作ることができる。
Faktum Hotels

イェーテボリにいる3,400人のホームレス達が実際に寝床にしている場所の中から10カ所を選び、ホームレス体験機会を提供。
1泊の料金は100クローナ(=1500円)で宿泊期間1年というプランまであるが、実際に泊まれるわけではなく、ホームレス支援活動への寄付を「宿泊予約」と見立てた展開。
Nike“My Time is Now”

EURO 2012キャンペーン。若手プレーヤーたちをフィーチャーし、その才能とハングリー精神を応援するコンセプトの3分長尺ムービー。フランス対オランダの一戦に、次々と若手選手が飛び入り参加...彼らは、Nikeのスカウトプロジェクト The Chanceによって50ヶ国から選ばれた若手プレイヤー100人。さらに、ネイマールリベリースナイデルエジルパストーレロナウドイニエスタグアルディオラ、そしてレブロン・ジェームズまでもがゲスト出演。贅の限りを尽くすとはこのことです。
Stanly Piano

Digital Kitchenが開発したピアノ“Stanley”は、世界中からのTwitterリクエストに応え、自動的に曲を演奏してくれるピアノで、シアトルで12.7/20-22まで開催された“Capitol Hill Block Party”でお披露目された。世界のどこからでもイベントに参加できるという訳だ。
その他、以前のエントリで紹介したCyber Lionsノミネート作品で良いと思う作品です。

Radio Lions Grand PrixはまたもやMelbourne Metro"Dumb Ways to Die"


Melbourne Metro"Dumb Ways to Die"がPR, Directに続き三冠達成。"Dumb Ways to Die" Festival状態です。

凄いから歌詞も載せておきます。

Set fire to your hair,
Poke a stick at a grizzly bear,
Eat medicine that's out of date,
Use your private parts as piranha bait.

Dumb ways to die, so many dumb ways to die.
Dumb ways to die, so many dumb ways to die.

Get your toast out with a fork,
Do your own electrical work,
Teach yourself how to fly,
Eat a two week old unrefrigerated pie.

Dumb ways to die, so many dumb ways to die.
Dumb ways to die, so many dumb ways to die.

Invite a psycho-killer inside,
Scratch your drug dealer's brand new ride,
Take your helmet off in outer space,
Use your clothes dryer as a hiding place.

Dumb ways to die, so many dumb ways to die.
Dumb ways to die, so many dumb ways to die.

Keep a rattlesnake as pet,
Sell both your kidneys on the Internet,
Eat a tube of superglue,
"I wonder what's this red button do?"

Dumb ways to die, so many dumb ways to die.
Dumb ways to die, so many dumb ways to die.

Dress up like a moose during hunting season,
Disturb a nest of wasps for no good reason,
Stand on the edge of a train station platform,
Drive around the boom gates at a level crossing,
Run across the tracks between the platforms,
They may not rhyme but they're quite possibly...

The dumbest ways to die,
The dumbest ways to die,
The dumbest ways to die,
So many dumb,
So many dumb ways to die.

ANNCR: Be safe around trains. A message from Metro.