PC遠隔操作事件、検察の不自然な“秘密主義”

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140130-00024621-playboyz-soci

本件は投げ出して終われるような犯罪でもありませんし、果たして裁判で犯人性が立証されるかどうかはまだわかりませんけど、「これならいける」というものを相当ねちっこく積み重ねる立証をしてきた、ということなんじゃないでしょうか。

K氏はいまだ接見禁止の状態に置かれています。家族とさえ会えない。「罪証隠滅の恐れがあるから」という話になっているらしいのですが、あれだけ捜査をやっているわけだし、今さら「罪証隠滅」なんてできないんじゃないんですか?

週刊プレイボーイの取材を受けて、率直に(私はいつも祖直ですが)語ったものですが、公判が始まれば、検察官が構築しようとしている証拠構造が明らかにはなるものの、現状では情報不足でどういうことになっているのかわからないですね。ただ、決定的、確たる証拠があれば、犯人性さえ立証できればそれ以外の点で立証に手間取るようなタイプの犯罪ではありませんから、逆に言えば、決定的な、確たる証拠まではなく、状況証拠、間接証拠を積み重ねる手法での立証が、検察官によって行われようとしているのではないかという推測が成り立ちます。どこまで強固な立証になるかは、蓋を開けてみないとわかりませんが、その種の立証には、「決定打」が欠ける分、脆弱さがつきまといがちなもので、どこまで立証できるか、弁護人がどこまで反証で打ち返せるか、興味深いものがあります。
検察官請求証拠に、弁護人はすべて同意する予定とのことですから、さすがにもう保釈が認められないと、人質司法ここに極まれり、ということになってしまうでしょう。

2014年01月29日のツイート

【オウム裁判】「事件に関わった者の責務」とは何か

http://bylines.news.yahoo.co.jp/egawashoko/20140130-00032118/?fb_action_ids=580678005355319&fb_action_types=og.recommends&fb_source=other_multiline&action_object_map=%5B406993482768847%5D&action_type_map=%5B%22og.recommends%22%5D&action_ref_map=%5B%5D

事件当時、Mは井上嘉浩幹部(死刑囚)の部下だった。井上に命じられ、もう一名と共に、教団が偽造した運転免許を使って車2台をレンタル。最初は乗用車を運転して、東京都杉並区の井上らのアジトから現場まで向かい、その後ワゴン車に乗り換えて、拉致現場から東京・世田谷の芦花公園前路上まで仮谷さんや拉致の実行犯らを運んだ。その後、車を洗ったり内部を拭いたりして指紋などの証拠を消す作業をしたが、レンタカーの申込書に残っていた指紋から、警察がMと特定。それが報道されると、教団は彼の指紋を消す手術を行って、捜査を免れようとした。

井上からは、「言われたことだけやって、後は気にするな」と言われ、「私に言わないことは、聞いてはいけないこと思っていた」。なので、指示の目的などが分からなくても「あえて聞かないようにしていました」。あの教団内では、きわめてありがちなことだ。

仮谷さん事件は、警視庁刑事部東京地検刑事部が捜査を担当していたので、公安部にいた私は捜査に関わっていませんが、このMは、その後、公安部関係の何かの事件の関係で(事件のことはもう忘れましたが)私が取調べを担当したことがあり、その当時のことも、まだうっすらと記憶の中で蘇ってきます。今、どういう人になっているのかはわかりませんが、平成7年当時ですから、まだ若く、礼儀正しい、はきはきとした感じの受け答えだった印象が残っています。
私は、末端から中堅クラスのオウム真理教信者を相当数取調べたので、その中で、言われたことだけをやっていた、余計なことは知るべきではないと言われていた、といった話は随分と聞かされました。それで、はい、そうですか、では済ませられないので、根掘り葉掘り聞いていたものでしたが、確かに、全貌を知らされないまま歯車のように与えられた「ワーク」としてやっていた、という信者は多かったと思います。
当時、このMは大きく報道されたもので、服役を終え、今はひっそりと生活しているようですが、こうして、また法廷へ出て、平成7年当時の犯罪について証言を求められている、当時は新進気鋭の検事だった私はしがない弁護士になりネットでそのニュースを読んでいる、ということに、時の流れや風化しない、できないもの、といったことを感じます。

グーグル、モトローラ・モビリティをレノボに売却へ--29.1億ドル

http://japan.cnet.com/news/business/35043211/

この買収によって、Lenovoには即座に有力なグローバルブランドが手に入る。同社のスマートフォン事業は中国で好調なものの、それ以外の複数の地域では苦戦している。一方、Googleは、同社の利益を削り続けて来た事業を切り離すことになる。

しかしこれらの特許は、訴訟の回避に期待されたほどの効果を発揮していない。さらに、法廷闘争の大半はAppleサムスンの間で行われており、Googleはごくわずかしか関係していない。

グーグルがモトローラを買収した際には、買収額の巨額さや、この分野で多くの基本特許を持つと言われているモトローラ社を傘下におさめることによりグーグルがさらに有利にビジネスを展開することが大いに予想、期待されたものでしたが、狙い通りに事は運ばず不発に終わった、というところでしょうか。モトローラも、グーグルによる買収後、なかなか堅実に良い製品を出しているとは思いますが、今一つ地味で、サムスンなどの後塵を拝している状態で、グーグルとしては物作りが得意でandroid陣営のレノボに売却することで、これ以上、傷口を広げず済まそうと考えたのでしょう。
今後の⑦モトローラが注目されますが、個人情報の取扱上、レノボというのは不安がつきまとう面があり、良さそうな製品が出れば出るほど悩ましいことになりそうな気はします。