電子竹林:Blog

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2016-05-19

[]「世界から猫が消えたなら

永井聡監督、岡田惠和脚本、川村元気原作。平凡な30歳の郵便配達員(佐藤健)は突然、脳腫瘍で余命わずかと診断される。家に帰ると目の前に自分と同じ姿の悪魔が出現、大切なものと引き換えに1日命を伸ばす約束をする。そして、かつての恋人(宮崎あおい)に会おうとするが…。原作は短いのだろうか、話の展開がほとんどなくて、"命を一日伸ばすのに大事なものすべてが世界から消える"というアイデアから一歩も進んでない。全体にかなり間延びした印象。その割には、アルゼンチンイグアスの滝のロケしたりしてるが、活きたシーンにはなっていない。それぞれは感動的な要素はあるもののちょっと押し付けがましい。映画のセリフなんかも趣味の押し付けな感じ。せっかくの濱田岳奥田瑛二原田美枝子も存在感薄いか。

http://www.sekaneko.com

2016-05-18

[]「ヘイル、シーザー!」-Hail, Caesar!-

ジョエル・コーエン/イーサン・コーエン監督脚本。1950年代のハリウッド、メジャースタジオの超大作「ヘイル、シーザー!」の撮影中、主演俳優のウィットロック(ジョージ・クルーニー)が誘拐される。スタジオの何でも屋エディ(ジョシュ・ブローリン)は事件を追うが…。有名映画、有名俳優のパロディ満載で、そこはマニアは楽しめる。ネタバレにならない程度に書くと「ヘイル、シーザー!」=ベンハー、ウィットロック=チャールトン・ヘストン、ミュージカルスター(チャニング・テイタム)=ジーン・ケリー、「踊る大紐育」あたりは分かりやすい。あとは若手女優ディアナ(スカーレット・ヨハンソン)の映画は「水着の女王」、ひどい演技のアクション俳優ホビー・ドイル(アルデン・エーレンライク)は誰かなあ。双子の記者のティルダ・スウィントン、謎のフィルム編集者なども見どころ。まあ、笑えるシーンはあるにしても、全体には力抜けすぎな感じもする。この力の抜け方はコーエン兄弟の芸風ではあるのだけど、背景となる赤狩りについてはなんか中途半端だった気がする。

http://hailcaesar.jp/

2016-05-15

[]「64 ロクヨン 前編」

瀬々敬久監督脚本、横山秀夫原作。平成へと年号が変わる7日間の昭和64年、その年に起きた少女誘拐殺人事件ロクヨン。捜査担当者の三上義信(佐藤浩市)は今は警務部秘書課広報室の広報官、部下の諏訪(綾野剛)、美雲(榮倉奈々)と共に記者クラブとの不和、刑事部と警務部の関係に悩み、また娘あゆみの家出にも心を痛める日々。そして時効間近のロクヨンについて警察庁長官が視察が決定、三上は遺族の雨宮(永瀬正敏)を訪れるが…。原作は上巻だけ読んでそのままの状態、ドラマ版は未見。なので映画も前編の内容は分かるが、様々な事件と人物が交錯する内容をうまく整理して描けている印象。かなり暗いトーンで描写されるが、物語にはマッチしている。丹念な描写もなかなかよいと思う。瀬々敬久の中ではかなり好き。俳優はチョイ役まで主役級、準主役級が揃っているので、そこに目がいくと物語とのバランス崩している気もする。まあ、それでも後半への期待を持たせる終わり方はいい。後編に期待する。

http://64-movie.jp

[]「殿、利息でござる!」

中村義洋監督、磯田道史原作「無私の日本人」所収「穀田屋十三郎」。江戸中期、仙台藩は財政が逼迫、重税により領民は苦しい生活を送っていたが、特に小さな宿場町の吉岡宿は伝馬御合力が給付されず夜逃げが続いていた。商人・穀田屋十三郎(阿部サダヲ)、菅原屋篤平治(瑛太)たちは千両を集め藩に貸し付ける計画を立て仲間を集めるが…。全体に中村義洋らしい冴えた感じはない。物語が長い年月にわたっているので展開がフラット、盛り上がりに欠けるか。人間関係の十三郎の弟の甚内(妻夫木聡)、父(山崎努)も平凡だし。そして官位昇進の金品、手伝普請による重税の元凶となった伊達重村(羽生結弦)が最後にちょっと出てきてなんかいい人になっているのはかなり違和感ある。同じ磯田道史原作の「武士の家計簿」(id:zom-1:20101204#p1)に続いて、古き良き日本人の美徳を狙った企画だろうけど、なんか納得できない。クレジットにパンチ佐藤の名前がエキストラぎりぎりの片隅のトコにあって、芸能界の厳しさを感じたよ^^;。

http://tono-gozaru.jp/

2016-05-14

[]「ズートピア」-Zootopia-

リッチ・ムーア/バイロン・ハワード監督。田舎町バニーバロウに育ったジュディは世の中をよくするために警察学校を首席で卒業、ウサギ初の警官となり市長のレオドア、副市長のドーンによりズートピア警察署に配属される。肉食動物ばかり14人が行方になる事件が発生していたが、ジュディの仕事は署長ボゴから命じられた駐車違反の取締り。それでも花屋の強盗事件に遭遇し逮捕はするが大被害を出し、"48時間以内に解決しなければクビ"を言い渡される。そしてジュディはある手がかりから、詐欺師ニックと協力して事件を追うが…。子供向けとは思えない社会派、米国社会の人種/多様性をメタファーにした動物世界の描き方が素晴らしい。最初10分で日本なら一本作れてしまうようなモデルの贅沢な作りこみ、もう画面の隅の隅で動くキャラがものすごく作り込まれたいい動きをしているのに感動を覚える。3Dアニメの横綱相撲な気分、日本はもう追いつけない遥か先に行ってしまっている。差は開くばかりか。展開もハードボイルドなミステリー風で、かつバディもの。犯人探しはその辺のミステリーものより難しいかも^^。物語も、絵も、音楽も、社会性もはるか高い極みに行く完成度に感動を覚える。

http://www.disney.co.jp/movie/zootopia.html

[]「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」-Captain America: Civil War-

アンソニー・ルッソ/ジョー・ルッソ監督。アベンジャーズナイジェリアの都ラゴスヒドラ残党のテロを阻止するが各地での戦闘による被害が問題視され、国際的政府組織の管理下に置かれる事になる。リーダーとなったキャプテン・アメリカ(クリス・エヴァンス)は反対、アイアンマンことトニー(ロバート・ダウニー・Jr)は賛成派となりチームは対立。そして、さらなるテロ事件の容疑者がバッキー、キャプテン・アメリカのかつての相棒である事が分かるが…。キャラ沢山でドタバタしているだけの安直な脚本、薄っぺらさが出る。まあ、子供向け娯楽作だろうなあ。アイアンマン派がブラック・ウィドウ、ウォーマシン、ブラックパンサー、ヴィジョン、スパイダーマンキャプテン・アメリカ派がファルコン、ホークアイ、スカーレット・ウィッチ、バッキー、ともう多すぎ。シビル・ウォーというぐらいだから現代米国のイデオロギーの分裂の暗喩と見るのが筋なんだが、多くの犠牲者(それもほとんど国外)が出る物語で、その闘いに正義を問うこと自体に背筋が寒くなる。

http://Marvel-japan.jp/Civilwar

2016-05-13

[]「ちはやふる 下の句」

小泉徳宏監督、末次由紀原作。全国大会出場を目前とした瑞沢高校かるた部の千早(広瀬すず)、太一(野村周平)はかるたを止めると言うかつての仲間の新(真剣佑)を訪ね福井まで出かけるが、新の気持ちは変えられずに戻る。大会前の猛特訓に励むかるた部の中で千早は同い年のクイーン若宮詩暢(松岡茉優)の存在を知り、個人戦での詩暢対策に熱中するが…。「上の句」(id:zom-1:20160331)の続き。全国大会までに1時間かかり、ここがかなり間延びしてしまうのがなんと言っても残念。個人戦も味があるし、大会になってからは面白いのだけど前半のダレ感は回復出来ない。クイーンの魅力ももうちょっと出して欲しかった。やはり上下でまとめた方がスピード感出ただろうに、なんとも残念。「上の句」で期待が大きかっただけに残念感が強い。

http://chihayafuru-movie.com

2016-05-10

[]「ヒーローマニア 生活」

豊島圭介監督、継田淳脚本、福満しげゆき原作「生活【完全版】」。地方都市の堂堂市、環境最悪のなごみ商店街、コンビニアルバイトの中津(東出昌大)は、ニートで下着泥棒の土志田(窪田正孝)と知り合い、さらに女子高生カオリ(小松菜奈)、会社員の日下(片岡鶴太郎)と自警団"吊るし魔"として活躍する事になる。街に黄色いレインコートの謎の殺人鬼が現れる中、日下の知り合いにより"吊るし魔"は法人化をすることになるが…。原作未読。面白くなる要素多いのに何か活かされない、全体にもったいない印象。予算がないのか、安っぽくなっているのは残念。アクションは見所なのに、撮影が雑。展開も読みやすくし、オチも最初の方でわかってしまう。社会性出してもっとエンタメとしても完成度高く出来そうなのにもったいない。小松菜奈は可愛いけど、それだけだった。

http://heromania.jp

2016-04-29

[]「アイアムアヒーロー

佐藤信介監督、野木亜紀子脚本、花沢健吾原作。冴えない漫画家アシスタント、35歳の鈴木英雄(大泉洋)は同棲中の恋人・徹子が流行中のウィルスZQNに感染し凶暴化、趣味の散弾銃を持ち逃走する途中で女子高生・比呂美(有村架純)を助ける。歯のない赤ん坊のZQNにかまれて半感染状態の比呂美を連れ、ショッピングモールで藪(長澤まさみ)、リーダーの伊浦(吉沢悠)、サンゴ(岡田義徳)と出会うが…。原作未読、映画は原作の途中までだと思う。主人公の背景、事件発生からの展開を一気に見せてくれる最初の40分はスピード感がなかなか良い。中盤から人間関係のドラマ性も上手く使う展開。予算的に限界な所はあるけど、日本映画ではかなり頑張っている感じ。スプラッタ嫌いにはおすすめ出来ないけど。これは原作も読まねば。

http://www.iamahero-movie.com/

2016-04-28

[]「サウルの息子」-Saul fia-

ネメシュ・ラースロー監督。1944年10月、アウシュビッツ=ビルケナウ収容所。ナチスによりユダヤ人の死体処理を行う特殊部隊ゾンダーコマンドに選抜されたハンガリー系ユダヤ人のサウル(ルーリグ・ゲーザ)は、ある日、ガス室で生き残りながら処刑された少年を息子と思い、遺体を埋葬しようとラビを探すが…。2015年カンヌでグランプリのハンガリー映画、アウシュビッツ解放70周年。ひたすら息苦しい映画だが目をそむけてはいけない強迫観念を持ってしまう程に力強い。手持ちでサウルに極端に寄って、背景を極力ぼかし続ける映像手法が新しい。背景には死体の山がぼんやりと映っている。現実に無感覚になっていくのをサウルの心情を上手く描き出し、くっきりと見えるよりも不安感を掻き立てられる。これが監督の初長編映画というのも驚きだ。

http://www.finefilms.co.jp/saul/

2016-04-26

[]「スポットライト 世紀のスクープ」-Spotlight-

トム・マッカーシー監督。2001年、ボストン・グローブ紙の連載コーナー"スポットライト"の担当チーム、デスクのウォルター(マイケル・キートン)、マイク(マーク・ラファロ)、サーシャ(レイチェル・マクアダムス)、ジョン(ベン・ブラッドリー・Jr)、マット(ブライアン・ダーシー・ジェームズ)は編集局長マーティ・バロン(リーヴ・シュレイバー)が着任した事をきっかけにゲーガン神父による性的虐待事件を深く掘り下げる事に決定するが…。文句なしのハードな社会派。「大統領の陰謀」を連想させるような内容。ここまでの報道姿勢、社会派映画を作れる社会はいいなと報道の自由度72位の国からは見える。地道な聞き取り、証拠の収集、事実を積み重ねていく派手さがないな所を丁寧に、熱く描いていく過程が素晴らしい。監督は俳優業の方が多いが、監督作品「扉をたたく人」(id:zom-1:20091005#p1)も素晴らしい出来だった。米国の映画人の層の厚さを感じる。撮影はマサノブ・タカヤナギ(高柳雅暢)。

http://spotlight-scoop.com/

2016-04-25

[]「レヴェナント:蘇えりし者」-The Revenant-

アレハンドロ・G・イニャリトゥ監督、エマニュエル・ルベツキ撮影、坂本龍一音楽、マイケル・パンク原作「蘇った亡霊:ある復讐の物語」。19世紀前半、西部開拓時代のアメリカ北西部。毛皮採取チーム、隊長ヘンリー(ドーナル・グリーソン)、ガイドのヒュー・グラス(レオナルド・ディカプリオ)と原住民との間の息子ホーク(フォレスト・グッドラック)たちはアラカラ族の一団に襲われ、多くの犠牲を出しながら船で逃走、さらに川を避け山を越える。途中グラスは瀕死の重傷を負い、一行はホーク、ジョン・フィッツジェラルド(トム・ハーディ)、ジム・ブリッジャー(ウィル・ポールター)とグラスを残していくが…。リチャード・C・サラフィアン監督作「荒野に生きる(Man in the Wilderness)」のリメイクらしい、未見。圧倒的な迫力の映画。広角と移動と自然光を使った抑えた撮影でありながら要所に使うCGがものすごく効果的。徹底的に主人公をイジメ抜く展開もいい。それに応えたディカプリオの演技も光る。西部劇、そして復讐劇という文脈で見ていいのか分からないけど、西部劇としても傑作。最後には復讐を超えた、浄化されたような関係性さえ感じる不思議な感覚。「バードマン…」id:zom-1:20150509#p1)も良かったけど、それを上回る。二年連続でこれだけの映画を作るってのは驚きだ。

http://www.foxmovies-jp.com/revenant/

 
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