電子竹林:Blog

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2015-06-28

[]「グローリー 明日への行進」-Selma-

エバ・デュバーネイ監督。ノーベル平和賞を受賞したマーティン・ルーサー・キングJr牧師(デビッド・オイェロウォ)は、黒人の有権者登録妨害への抗議にアラバマ州セルマへ向かう。1965年3月7日、キング牧師ら600人はデモを行うが、公民権運動に不快感を持つウォレス州知事(ティム・ロス)のもと警察隊はデモ隊を鎮圧する…。物語的には悪くは無いし社会的な意味もある、役者もやたらに豪華だけど全体には平凡な印象。エンディングの実際の行進の映像の方が印象的だった。米国では概ね好評みたいだけど、これは文化的な違いなんだろうか。オープニングののんびりとした映像から一気に事件へ持っていく所の緩急のつけ方などは上手いと思ったけど。ティム・ロスのいやらしい政治家ぶりが一番良かった。リンドン・ジョンソン大統領演じるトム・ウィルキンソンも良い。

http://glory.gaga.ne.jp

[]「ゆずり葉の頃」

中みね子監督。米国から突如帰国した進(風間トオル)は母の市子(八千草薫)が国際的な画家・宮謙一郎(仲代達矢)の個展のために軽井沢へ出かけた事を知り後を追う。市子は珈琲歌劇の店主(岸部一徳)と知り合い、さらに意外な出会いを重ねて行くが…監督は岡本喜八の奥さんで初監督作品。全体に八千草薫のプロモーションビデオのような雰囲気を感じる。そして全編を覆うポジティブ感覚が妙に居心地を悪く感じさせるのはナゼだろう。何か全体がぼんやりとした輪郭にしか感じられない。

http://yuzurihanokoro.com/

2015-06-27

[]「ストレイヤーズ・クロニクル」

瀬々敬久監督、本多孝好原作。1990年代初頭、寿命が限られながら特殊能力を持った子供たちを作り上げた秘密実験があった。その20年後、昴(岡田将生)、良介、ワタルたちは渡瀬(伊原剛志)の元で様々なミッションをこなしていた。ある時、昴はかつての仲間の沙耶(成海璃子)、隆二たちと再会する。そして昴たちとは違う実験のライン、遺伝子操作による特殊能力を持った学(染谷将太)、アオイ(黒島結菜)、ソウ、モモ、シズカ、ヒデたちと出会うが…。原作未読。全体になんかチープ、限られた寿命も含めて、主人公たちの苦悩には薄っぺら感しかない。ここがダメだと全体に成立しないと思うので、まったくの残念。アクション的には頑張っているところはあるけど、そもそも特殊能力が地味すぎてアクションは見せ場にはならないと思う。瀬々敬久はツマラナイのばかりだなあ。「64(ロクヨン)」の出来が心配だ。そもそも学の特殊能力って、何のために作られたかさっぱりわからないんだけど。

http://www.strayers-chronicle.jp

[]「おかあさんの木」

磯村一路監督脚本、大川悦生原作。長野の田舎の村、ミツ(鈴木京香)は郵便局員の謙次郎(平岳大)に嫁ぎ7人の子供を産んだが夫は若くして他界。ミツは謙次郎の同僚の昌平(田辺誠一)やその娘のサユリ(志田未来)に助けられながら一人で子供を育てるが、戦争により一郎、そして二郎(三浦貴大)と次々と出征。そのたびにミツは畑に桐の苗木を植えていくが…。元は有名な児童文学らしいんだけど未読。物語を、そのままストレートに作った感じで、メリハリがなく退屈感が強い。こういう話こそ見てもらえるように作って欲しいのになあ。戦時中の雰囲気もちょっとリアル感にかけるかな。

http://www.mothers-trees.com/

2015-06-25

[]「攻殻機動隊 新劇場版」

黄瀬和哉監督、黄瀬和哉総監督、冲方丁脚本、士朗正宗原作。2029年3月大使館占拠事件が発生、草薙素子(声:坂本真綾)率いる独立部隊のバトー、トグサ、イシカワ、サイトー、バズ、ボーマが出動するが、同時に総理大臣暗殺事件も発生。草薙は元上官501機関のクルツも同席していた事を知るが…。物語的には既視感ある展開だけれど、少佐の出生の秘密、501機関、9課誕生の背景、電脳ウイルス"ファイア・スターター"などなどのネタの出しかたがマニア心をくすぐる。ファンにとっては満足でしょう。東亜連合の存在、義体の寿命"デッドエンド"とか社会的な問題の暗喩のようで面白い。絵については文句ないし、音の設計もなかなか。少佐のパッツン前髪もかなり見慣れた(^^。

http://kokaku-a.jp/movie/

2015-06-21

[]「マッドマックス 怒りのデス・ロード」-Mad Max: Fury Road-

ジョージ・ミラー監督。資源枯渇と環境汚染により砂漠化し荒廃した世界、荒野でマックス(トム・ハーディ)は砂漠を牛耳るイモータン・ジョー(ヒュー・キース・バーン)の一味に捕らえられ輸血袋とされてしまう。ある時、ウォータンクで資源調達に出かけたフュリオサ大隊長(シャーリーズ・セロン)がイモータン・ジョーの妻を連れ逃走。それを追うウォーボーイズのニュークス(ニコラス・ホルト)の血液袋としてマックスは砂漠へ出ることになるが…。27年近く経っての続編、リメイクではなく世界観にあった自然な続編である所が関心する(2に似てるけど)。ジョージ・ミラー、70歳でコレを監督する熱意には敬意を表する。物語も上手く出来ていて、最後の最後まで一秒たりとも飽きさせない。特に、再びマッドマックスの世界を構築していく最初30分の畳み掛ける展開は素晴らしかった。映像もシリーズ1作目を連想させ、まったく違和感ない迫力の出し方。シャーリーズ・セロン始めキャラもいい、ニュークスの意外な存在感が深みを与えているし、オバちゃんたちもみんないいキャラ。女性陣が美人とオバちゃんしかいないけど。シリーズ一作目の派手なスタントと映像は健在。まあCGは多用しているだろうが。

http://www.madmax-movie.jp/

2015-06-20

[]「トイレのピエタ

松永大司監督脚本原作、手塚治虫原案。美大を卒業したが、いまは絵の道を諦めビルの窓清掃のバイトを続ける宏(野田洋次郎)は、突然に胃癌で余命三ヶ月を宣告される。知り合った高校生の宮田真衣(杉咲花)と交流を続け、病院では食道癌の横田(リリー・フランキー)と知り合うが…。粗っぽい所はあるけど好きな映画。全体にはヒューマンドラマだけど静かなパワーを秘めている。ラスト近く、絵までのスピードある展開や迫力はなかなか良くて、強いカタストロフィを感じる。ピエタ、そして浄化と昇天という言葉から感じられる死生感が哲学的。野田洋次郎杉咲花ともに好演。監督は初監督なのかな、次回作も期待できそうな気がするのでよく覚えておこう。

http://www.toilet-pieta.com

[]「極道大戦争」

三池崇史監督、山口義高脚本。毘沙門通りのヤクザ、亜喜良(市原隼人)は不死身の神浦玄洋(リリー・フランキー)の舎弟。神浦は謎の組織の刺客、狂犬(ヤヤン・ルヒアン)たちに襲われ絶命するが、亜喜良をヤクザ・ヴァンパイアにしてしまう。そして、さらなる刺客のKAERUくんが現れるが…。ヤクザ・バンパイアに血を吸われると極道になるといういかにもB級な話。でも、これは真面目に作ればかなり面白くなるネタだと思うのでこの映画の出来は残念。とくに脚本がかなり雑で、繋がりが悪く、起伏も乏しく面白みがない。さらに、いま世界でもっとも熱い格闘スターのヤヤン・ルヒアンを持ってきて、しょぼい格闘しか見せないのがヒドイ。KAERUくんの驚くべき身体能力も見所だったけど、最後に見所を作れなかったのも残念。成海璃子もどーでもいい役。三池崇史は良い悪いの差が激しいけど、これは完全に悪い方。

http://www.gokudo-movie.com

2015-06-13

[]「海街diary

是枝裕和監督脚本、吉田秋生原作。鎌倉の古い家で暮らす看護師の幸(綾瀬はるか)、銀行員の佳乃長澤まさみ)、スポーツ店の店員千佳(夏帆)。その三姉妹のもとに15年前に家を出た父が死去したという知らせが届く。山形での葬式で三人は異母妹のすず(広瀬すず)と出会い、一緒に鎌倉で暮らすことになるが…。原作はかなり好き。これは他の是枝監督作品に比べると、原作がある分ちょっと平凡な所に収まっているかな。さすがにソツがない上手さはあるけど、吉田秋生の残酷さと優しさの女性的な両面性は出てない印象を受ける。役者の技量での配分なのか、すずの成長のエピソードは少なめ。海猫食堂(風吹ジュン)のエピソードは印象強めだし、山猫亭リリー・フランキーは個人的にはイメージ違い過ぎた。モジャモジャ頭ではないけど夏帆の千佳は意外に似合ってた。全体に、やっぱりすずの印象弱いなあ。

http://umimachi.gaga.ne.jp

[]「ハイネケン 誘拐の代償」-Kidnapping Mr. Heineken-

ダニエル・アルフレッドソン監督、ピーター.R.デ・ブリーズ原作「The Kidnapping of Alfred Heineken(未訳)」。1983年、オランダのアムステルダム。銀行に融資を断られ建築会社が倒産したことからコル・ヴァン・ハウト(ジム・スタージェス)は、義兄ヴィレム・ホーレーダー(サム・ワーシントン)、弟ブレイクス、幼馴染カットとスパイクスの5人でハイネケン会長フレディ・ハイネケン(アンソニー・ホプキンス)と運転手の誘拐を実行するが…。実話ベースの物語。予告編での印象のアンソニー・ホプキンスをいい感じに使った心理的駆け引きの展開を想像したけど、物語はまったくの平凡。まあ実話だからしょうがないかと思うけど、もうちょっと"大金を持つか、大勢の友人を持つか、両方はありえない"というセリフに代表される意味をうまく使えなかったかなあ。「シンプル・プラン」的に味がもっと出せたと思うけど。

http://kidnapping.asmik-ace.co.jp

2015-06-07

[]「ハンガー・ゲーム FINAL:レジスタンス」T-he Hunger Games: Mockingjay–Part 1-

フランシス・ローレンス監督、スーザン・コリンズ原作「ハンガー・ゲーム3 マネシカケスの少女」。記念大会の闘技場から助けられたカットニス(ジェニファー・ローレンス)は第13地区の地下のコイン首相(ジュリアン・ムーア)率いる反乱軍で機会を狙っていた。しかしスノー大統領(ドナルド・サザーランド)は、人質のピータ(ジョシュ・ハッチャーソン)をプロパガンダに使い反乱軍に対抗するが…。前作(id:zom-1:20131230#p1)と監督も同じ、出来はさらに悪くなっている。完結編は前後編、ってそれは映画的にはふつーに四部作なんじゃないかと思うが。そして、話はほとんど展開しない。まったくの退屈な内容。これなら十分に一本にできると思うがなあ。

http://www.hungergames.jp/

2015-06-06

[]「予告犯」

中村義洋監督、筒井哲也原作。インターネット上にシンブンシと名乗る予告犯が現れ、食中毒事件を起こした食品会社への放火を実行する。警視庁サイバー犯罪対策課の吉野絵里香(戸田恵梨香)は捜査を開始。シンブンシを名乗るゲイツ(生田斗真)、カンサイ(鈴木亮平)、ノビタ(濱田岳)、メタボ(荒川良々)たちには過去の秘密と目的があったが…。原作未読。予告編で感じる警察vsインターネット犯罪、というのは主軸だけど、全体のトーンはもっと社会派で人間ドラマ。かなり深い内容。ラストへの展開もうまい。やはり中村義洋は裏切らないなあ。派手さはないが、エンターテイメントに社会性を入れ込むやり方がいつも上手い。戸田恵梨香は警察官には見え無いがギリギリ許せる。男優はみな個性的で印象的。出番少なめだがリカルテ役の福山康平も良いなあ。

http://yokoku-han.jp/

[]「トゥモローランド」-Tomorrowland-

ブラッド・バード監督、デイモン・リンデロフ脚本。1964年のNY、少年フランクは発明品のジェットバックを万国博覧会に持ちこむが失敗。しかし不思議な少女アテナ(ラフィー・キャシディ)からもらったピンバッジにより謎の世界に足を踏み入れる。40年後、NASA職員の父を持つ17歳のケイシー(ブリット・ロバートソン)は見覚えのないピンバッジに触ると別世界に入り込んでしまう。ケイシーはアテナの導きでフランク(ジョージ・クルーニー)を訪ねるが…。ディズニーらしい、楽観的未来観を上手く出していて意外に面白かった。まあ全体には子供向きな感じもするが、大人にも楽しめると思う。マニアックなSFネタをこれでもかと入れ込んでいるトコは個人的にはかなり好き。ラフィー・キャシディのそばかす顔が印象的。

http://www.disney.co.jp/movie/tomorrowland.html

2015-05-31

[]「新宿スワン

園子温監督、和久井健原作。野心だけの男、龍彦(綾野剛)は一旗揚げようと歌舞伎町に乗り込み、伝説のスカウトマン真虎(伊勢谷友介)に誘われバーストのスカウトマンとなり、風俗嬢アゲハ(沢尻エリカ)たちと知り合っていく。一方、バーストに対抗するハーレムの南秀吉(山田孝之)は歌舞伎町のトップを取る野心を持つが…。原作未読、園子温の良さは1mmもなかったのが残念。全体には平凡なチンピラヤクザものになってしまってる。綾野剛山田孝之も良いところがなかったなあ。沢尻エリカの劣化ぶりが凄くてクレジットまで本人だとは信じられなかった。

http://shinjuku-swan.jp

2015-05-30

[]「あん」

河瀬直美監督脚本、ドリアン助川原作。どら焼き屋の雇われ店長の千太郎(永瀬正敏)の店に、老女の徳江(樹木希林)が働かせてくれないかと現れる。千太郎は躊躇するが、徳江の作る餡の素晴らしさに感激し一緒に働くことになる。やがて徳江の餡は評判を呼び、徳江も常連客の中学生のワカナ(内田伽羅)と仲良くなっていくが…。原作未読。河瀬直美の中ではとても分かり易く完動的。後半からラストにかけてはストレートに心に食い込んでくる。より分かり易い傾向は「二つ目の窓」(id:zom-1:20140812#p1)に続いてかな。社会的問題を主軸としているけど、そこは本質ではない。それよりも人との繋がりや働くことの楽しさ、日常のちょっとした事に感動するというシンプルな気持ちをうまく描く事で、人間という存在の輪郭を描き出している事がこの映画の成功だと思う。樹木希林は演技というよりはその存在自体が素晴らしい。内田伽羅樹木希林の実の孫。

http://an-movie.com

 
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