カオスの縁 ――無節操日記 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2115-12-31 ご案内のこと このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

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2018-08-14 今宵はここまで……

 もはや年4回更新くらいのペースですが気にしない。

 ま、ちびちびと色々進めております。

[] 千夜一夜物語 23:45  千夜一夜物語を含むブックマーク  千夜一夜物語のブックマークコメント


完訳 千一夜物語〈1〉 (岩波文庫)

完訳 千一夜物語〈1〉 (岩波文庫)


 通勤の行きと帰りの電車で違うものを読んでいるわけですが、ここ1年以上、帰りの電車で読み続けていたのがこちらです。岩波文庫版、全14冊。さすがにヘビーでした。

 とはいえ、想像していた以上に色々な観点をもたらしてくれて、非常に楽しく有意義な読書でありました。


 当初は、シェヘラザードとシャハリヤール王との有名な額縁物語があるにせよ、基本的にはただの説話集だと思っていて、だから単に将来伝奇モノを書く時の材料集めになればいいかくらいの気持だったんですけどね。これが読んでみたら、かなり趣が違いました。

 シャハリヤール王は妻に不倫され、激怒して殺害、以降国内から若い女を連れてきては一夜を共にした後に殺していくというのを繰り返していた、女性嫌悪を体現したような人物。で、そうした聞き手に対して、シェヘラザードがどんな物語を選んで語るか、王の反応に合わせて次にどんな物語をチョイスしてくるか……というのが、息詰まる駆け引きになっていて、ハラハラドキドキしながら読み進めたのでした。

 王は女性嫌悪に取り憑かれているので、愚かな女が因果応報で惨めに懲らしめられる話が聞きたい。そしてシェヘラザードの生殺与奪は当然シャハリヤール王が握っている。安全に生き永らえたいなら、王の求める話をし続けるのが一番安全なのに、しかしシェヘラザードはなかなかそういう話をしないのですね。賢い女が男どもをやり込める話とか、さらには女が機転を利かせて不倫をの場を乗り切る話とかを何度もしてみたりする。そのたびに王の機嫌を損ねて殺される寸前まで行ったりするんですけど、次の話を始めるタイミングとか話の傾向を変えたりとかして、なんだかんだ1000の夜を乗り切ってしまう。

 なんかもう、並々ならぬ勇気と反骨精神がなければ、とてもこうは出来ないだろうと思えるわけです。


 そんなわけで、まったく予想していなかった額縁部分の物語が、非常に面白かったし刺激的だったのでした。

 あと、シェヘラザードが物語をする時、彼女の妹ドニアザードが王と一緒にその場にいるわけですけど、通算600夜も過ぎた辺りで不意に、シャハリヤール王が「ところでお前の妹、いっつもここにいるけど、一体何やってんの?」みたいな事を言い始めて「今さらかよ!」と読みながら思わず突っ込んでしまったりとか(笑)。なにげにそういう小ネタ挟んで来るあたりも面白かったりしました。


 そして、シェヘラザードが語る多様な物語群。

 アラビアンナイトといえば魔法のランプに魔法のじゅうたん、とにかく魔法や魔神に彩られたファンタジーな世界観というイメージがありましたが、読んでみると意外にそういう要素は少なくて。有名な「アラジンと魔法のランプ」や「アリババと四十人の盗賊」は西洋に紹介される際に組み入れられたもので、大本の原典には実は無い話だということだそうですから、これらを除くと驚くほど超自然的な魔法や魔神が登場する話は少ない。ついでに言えば、バリエーションもあまり多くない。

 その一方で気になったのが、登場人物にやたらと商人率が高いことでした。グリム童話なんかと比べても圧倒的に高い。出て来る主人公の半分近くは商人なんじゃないかしら。

 そしてまた、話の冒頭に「父の遺産を遊興で使い果たした」「なけなしの財産を一目ぼれした女奴隷に全額つぎ込んでしまった」といった、金銭の動向が詳しく語られ、いわば主人公の所持金の増減が話の流れを決めている。全財産を失った者が不思議な因縁で大金持ちになったり、その逆だったり。ほとんど、金銭こそが魔法のように振る舞っている、という感想を持ったのでした。ちょうど「わらしべ長者」のように。

 貨幣経済と密接に連関した説話群という感じ。

 大昔、学生時代のことですが、小松和彦の著作で、座敷童や六部殺しの説話を、「村落に貨幣経済が入って来たことで、それまででは考えられなかったような家の急激な隆盛と没落が起こり、それに対して村落が説明として生み出した説話」という風に説いていたわけですが。そんな風に貨幣の流通というのが物語にも影響を与える、という話を久しぶりに思い出していたのでした。

 この辺りは非常に自分の中で新鮮なテーマだったりして。何か機会があったら、追ってみるのも楽しいかも知れません。


 ともあれ、面白い問題意識をいくつか拾えたので、非常に有意義な読書でありました。

 にしても1年以上ひとつの作品をちまちま読み続けるというのもなかなか機会のない事で。疲れたので、しばらくは短いものを読もうかな……(笑)。

[] 法の精神 23:45  法の精神を含むブックマーク  法の精神のブックマークコメント


法の精神〈上〉 (岩波文庫)

法の精神〈上〉 (岩波文庫)


 社会科の教科書で読んで、あとはギャグマンガ『すごいよ!マサルさん』の一発ギャグ「も、モンテスキュー!?」が印象に残ってるくらい……というモンテスキューですが(どんな前置きだ


いきなり、

「法律とは、その最も広い意味では、事物の本性に由来する必然的な諸関係である。そして、この意味では、ありとあらゆる存在はその法律をもっている。神はその法律をもち、物質的世界はその法律をもち、人間より上位の叡智的存在はその法律をもち、動物はその法律をもち、人間はその法律をもつ。」

 という、とんでもないスケールなところから話が始まるのでビビりました。やっぱこれくらいの時代までの古典の大著、部分じゃなく世界全体を記述してやろうという気概が感じられたりして、そこが良い。


 で、読んでみたら、想像していたより10倍くらい歴史書でした。社会科教科書のイメージで、国家制度について概論的に述べた本かと思ってたら、ギリシャ史やローマ史に関する言及がものすごい分量あって。3年くらい前にけっこう頑張って古代ギリシャ関連のあれこれを読んでなかったら、かなり厳しかったと思う。

 なるほど、ギリシャ・ローマ史って西洋では基礎教養なんだな、頭に入ってないとこういう本でも歯が立たなくなるんだなーと改めて。


 民主制、貴族性、君主制を並べて議論するというのはプラトン『国家』でも見ましたが、やはりこの辺の問題意識が西洋の政治思想のスタンダードなんですかねぇ。日本人だとイマイチ馴染みが薄いイメージ。

 まぁでも、「名前はよく聞くけど、こういう本だったのか」という辺りで、それなりに興味深く読みました。さて、どんどん次に。

[] 人権宣言23:45  人権宣言集を含むブックマーク  人権宣言集のブックマークコメント


人権宣言集 (岩波文庫 白 1-1)

人権宣言集 (岩波文庫 白 1-1)


 Twitterなんぞをやっておりますと、時事問題なんかに頻繁にコメントなぞつけるようになりまして、人権がどうのこうの、などという話題にそこそこの頻度で首を突っ込むことになります。

 しかしその割に、たとえば人権宣言、みたいなものをちゃんと読んだ事もなかったなぁと思い、ちょっと手に取ってみた次第。


 まぁ、ほとんどが人権を規定した法律の条文ですから、読んでいて大きく興奮したり盛り上がったりという事はあまりないわけですけれども。とはいえ、それなりに色々と認識を改めたりしました。

 一口に人権と言っても、最初に重要視されたのはもっぱら自由権で、生存権についての規定が整い出したのはかなり最近であるとか。


 あと、刊行された時代性みたいなものなんでしょうけど、ソ連や東欧など旧共産圏の人権宣言がかなり大きく扱われてて、なんとなくこういう空気感だったのか、みたいな事を体験するにも良い読書でした。今、平成生まれの子とかだと、逆に共産圏ってイメージするよすがが全然無い、とかいう事もありそうですよな。


 個人的な一番の関心事は、いわゆる天賦人権説についてでした。要するに誰もが認める原理から、演繹的に「人は生まれながらにして不可侵の権利を持つ」という真理が導かれるのだろうか、そうだとしたらどのような論理でか、といったところでした。

 しかし諸々の人権宣言を読んでみて分かったのは、そうした演繹的な論理で出て来た話じゃなさそうだ、という事で。むしろ、「そうだと認めないと大体悲惨な事になるから」という、経験則としてそう定めたという側面が強いようだというところ。

 まぁ、人類史上最大の経験則、なのかもしれません。

 そうだとすれば、我々一般庶民がこうして平和に暮らせている、その暮らしを保障する論理って思ってた以上に危うい薄氷の上にあるのだな、と改めて思わされて、若干背筋が寒くなったりもしました。いやはや、よくぞ人類は世の中をここまで持ってきてくれたものです、お蔭で私も日々のんびりと読書しながら過ごすことができる……。


 まぁ、あれです。なんだかんだ、我々の生活の根幹になっている法律とか精神とか、一通り見ておくと色々考えたりするわけで、たまには良いのかなぁと。そんなような。

[] リヴァイアサン 23:45  リヴァイアサンを含むブックマーク  リヴァイアサンのブックマークコメント


リヴァイアサン〈1〉 (岩波文庫)

リヴァイアサン〈1〉 (岩波文庫)


 こちらも勢いのまま読みました。こうなったら毒喰らわば皿までです。


 こちらも社会科の教科書等で有名な「万人の万人に対する闘争」くらいの基礎知識しかなかったわけですが、読んでみるとその辺、けっこう意外に思う部分もありました。

 訳者の解説によればホッブズはユークリッド『原論』を読んでいたく感動し、その影響を受けたそうで。なるほど読んでみると、ユークリッド的な論理展開で、一番基礎的な原理から様々な結論を演繹しようという意図が非常に鮮明でした。その点、『法の精神』と真逆。


 また、「万人の万人に対する闘争」が、前提として「人はみな生まれながらに平等」という観念から出てきてるというのが個人的に面白かった感じ。なるほど言われてみれば、生まれながらに偉い人がいたなら、その偉い人に最初から従う集団が出来てしまうわけだから万人の闘争というのは起きようがなくなりますものな。

 社会思想の歴史なんかも全然頭に入ってないので当てずっぽうですが、「人はみな平等」みたいな人権思想が成立し始めてきたのに合わせて、社会観みたいなものも更新される契機だったのかな、と思ったりしていました。


 そして一方、この大著の後半はほとんどがキリスト教会、ローマ法王の現世における権威に対する、神学的な議論に費やされていました。これも意外だったり。

 まぁでも、大したものだなと思うのは、キリスト教会の権威を否定するために聖書を援用して、徹底的に聖書から論拠をとって論戦に挑もうというスタイルですよな。あえて神学の方法論で行くという。思えば、福音書の中でイエス・キリスト自身も、パリサイ派からの論難に対して逐一旧約聖書からの引用をもって応じ、論破していたわけで、西欧宗教のこの律儀な原典主義みたいなところは、素朴にすげぇなと感心するというか、呆れるというか(笑)。


 まぁでも、そうまでしてホッブズがこんな話題に延々取り掛かった事、その重要性というのは何となく分かるのでした。

 素人考えですけど、多分、宗教組織が世俗に対して権力を持っている状態というのがあると、国が近代国家になれない、みたいな側面があるんだろうなと思うわけです。

 日本では、織田信長が比叡山を焼き討ちすることでようやく達成した事を、ホッブズは著作でやろうとしたのだなぁ、と、そんな風に読んだわけでした。なるほど大変だ。


 本書後半部分は、日本人にはなかなかピンと来ない内容なのかもですが、それでもこうして全文訳出してくれてる事のありがたさよね。内容は日本人に縁遠い話題でも、「日本人に縁遠い話題で占められていたこと」はホッブズの意図を把握するのには重要ですものな。

 というわけで、そんなありがたさを噛みしめつつ。

[] ゲームやってました『HITMAN』 23:45  ゲームやってました『HITMAN』を含むブックマーク  ゲームやってました『HITMAN』のブックマークコメント


 今年に入ってから、珍しく一本のゲームにどっぷりハマっていたんですよ。それがまぁ、このHITMANというやつで。

https://store.steampowered.com/app/236870/

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 久しぶりにソシャゲじゃないゲームに100時間以上突っ込みました。おわかりいただけるだろうか。



 その名の通り、ターゲットを暗殺するというゲームなんですけれども。

 アサシンクリードなんかは名前は聞いた事あるし気にもなってたんですが手は出さず、一方こちらのゲームに飛びついたというのは、とにかく攻略法がやたら多くあって、様々なアプローチがあるところでございました。スナイパーライフルで狙撃してもいいし、毒を盛ってもいいし、古典的な背後からのワイヤーで絞殺もできるし、爆発物も持ち込めるし、現場にある道具や施設を使って事故死に偽装したりもできる。


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 ファッションショーのキャットウォークに出て来たところを、照明を落下させて……なんて事もできる。

 広めの箱庭とガードの固いターゲットを用意して、「あとは好きなようにやってくれればいいよ」というコンセプトのゲームなんですね。

 私、解法が一つしか無いゲームってどうも好きじゃなくて。その人のスタイルによって複数の解き方があるし、そのどれをやっても良い、くらいの調整されてるゲームが好きなんですな。その点、HITMANは非常に自由度が高くて、私好みなのでした。


 普段は同じ場所をぐるぐる周回してるだけのターゲットが、とある条件を満たすと別な場所に顔を出す、とかそういう条件が複数あって。そこで、ターゲットを狙撃したいと思った時に、先にあのイベントを起こしてターゲットをこの場所に移動させて、自分はここを通ってこの場所に陣取って……みたいな段取りを組み立てて実行する、みたいなゲームです。ある意味パズルゲーム的な面もあるような。



 ステージはファッションショーからイタリアの風光明媚な港町に建つ豪邸、暴動寸前の中東の街にある大使館に、ミュージシャンの録音スタジオになっているバンコクの高級ホテルとか、いろいろバリエーションがあり。日本ステージでは寿司にフグ毒盛ったりもできるわけですが……(笑)。

 昨今のゲームにしてはステージ数少なめかと思いきや、各ステージの広さと作り込みが半端じゃ無くて、建物外部のパイプとかのり越えられる塀とか色々あり、こんだけプレイした今でも「え、こんな侵入ルートあったの!?」みたいな驚きがあったりする。

 ゲーム内に、ある程度「この手順通りに進めれば暗殺できるよ」という段取りを提示する「アプローチ」というシステムもあるのですが、一通りやり終えた後、あえてアプローチで示唆されない別な狙撃ポイントを探してみたりとか、なんかそんな感じで延々遊んでしまっております。

 そんなこんなで、気づけば今年前半はゲームばっかりやっていたわけです……(笑)。


 年末には続編の2も出るという事で、そちらも楽しみにしていたりします。

 なんかアレですな、ゲームにハマっていない時期は、あちこち情報漁って「ハマれるゲームが欲しい、無いか無いか」とかしょっちゅうやっているのに、いざ本当にハマれるゲームが見つかって没頭してると、それ以外の作業が進んでいないことに焦りと罪悪感を覚えてしまうという、まぁ因果な性分でありますよ……。

 でも多分、懲りずにまたゲームはやり続けるんだろうなぁ。

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2018-04-12 王の話をするとしよう

 気づいたら読書感想めっちゃ溜まってた。

[] 古語拾遺 22:27  古語拾遺を含むブックマーク  古語拾遺のブックマークコメント


古語拾遺 (岩波文庫 黄 35-1)

古語拾遺 (岩波文庫 黄 35-1)


 職場の休憩室にてちまちま読んでた。

 斎部広成が斎部氏(忌部氏)の古伝を天皇に奏上したという内容で、『古事記』『日本書紀』には収録されていない異伝がいくつか拾えるというもの。まぁ、当時祭祀関係の仕事と地位を中臣氏に取られがちという情勢もあり、そうした焦りから斎部側の鬱憤や思惑がダダ漏れになっている面もあり、果たしてどこまで信用して良いものかどうか、非常に扱いの難しい内容ではあります。

 まぁ、個人的には、宮廷で掃除を司る掃部(かにもり)の語源は(動物の)カニだった、とかそういう話がそこそこ拾えたので満足(笑)。必要があれば、記紀神話との細かな対照比較とかもするかもですが、当面はその辺の話を収集するだけでさっさと次に行く所存です。

 というわけで次。

[] 科学と仮説 22:27  科学と仮説を含むブックマーク  科学と仮説のブックマークコメント


科学と仮説 (岩波文庫)

科学と仮説 (岩波文庫)


 先日読んだE・H・カー『歴史とは何か』にも言及があって、うーむやはり読もうかと決心して着手したもの。

 数学、物理学その他について、数式も出てくるなどけっこう難易度高めでしたが、まぁどうにかこうにか、一応概略を読み取るくらいはできたかなぁという感じです。

 数学の公理批判みたいなのは、以前『数学ガール』でペアノの公理を知ったり、あるいは他にも若干関連する本を読んだことがあったのでそれなりに既知な部分を含んでましたが、物理学における公理批判となるとまったく初めてだったので、いろいろ新鮮だったり。

 とはいえ、数学ならばまだ、数式の意味を完全に読み取れないまでも、また慣れない非ユークリッド幾何学の話をされても、大体何をやってるのか察せる程度には話についていけた(と思う)のですが、これが物理学、特に電磁気学となると全然、話の方向性すら見失う感じになってしまって、ちょっと悔しかったり。余裕があったら電磁気学辺りももう少し予備知識つけたいなぁ、などとも思ったことでした。

 というか、ポアンカレて数学者という認識だったんですけど、物理学の動向まで掴んでて、うーむ流石であるな、などと。

 で、ポアンカレは引き続いてもう1冊。

[] 科学と方法 22:27  科学と方法を含むブックマーク  科学と方法のブックマークコメント


科学と方法―改訳 (岩波文庫 青 902-2)

科学と方法―改訳 (岩波文庫 青 902-2)


 こちらは版が古いのか、旧漢字でした。といっても、以前同じく旧漢字の『ローマ帝国衰亡史』を通読するという荒行をした成果か、現代漢字仮名の本とほぼ変わらないスピードで読めたと思います。善哉。


 『科学と仮説』の方と関心の方向性はけっこう似ている本だと思いますが、こちらはペアノの公理への批判がより先鋭でした。多分、昔『数学ガール』シリーズで予習してなかったらチンプンカンプンだったはずで、うむありがとう結城先生、という感じ。

 あと、教育方面にもかなり関心が広げられてました。

 ポアンカレについては、数学の中でも複数分野に目配りが利いていた最後の数学者だというような話もあり。それに加えて物理学の方にも視野が開いてたわけですから、やはりこの時代の学者すごいなぁ、と。


 うむ、なんだろう、読んでる間はもっと色々感慨があったんですが、いまいちまとまりませんねぇ。とはいえ、理系学問の論述の立脚点について、あるいは帰納法についてなど、いくつか示唆も得たので、一応前進ということにします。

 さて、とりあえずどんどん次。

[] 方法序説 22:27  方法序説を含むブックマーク  方法序説のブックマークコメント


方法序説 (岩波文庫)

方法序説 (岩波文庫)


 ええ、実は読んでなかったのです。読んでなかったのだからしょうがない。読みましたとも。


 まぁ、私自身、どちらかというと形而上学が苦手というか、肌に合わない感じは多々ありまして。元々荒俣宏の博物学なんかで胸躍らせていた身ですから、形而下のあれこれを追い廻してる方が性に合ってるっぽいという(笑)。

 そういうわけなので、本書もざっと目を通すくらいの読み方しかしていないというのが正直なところ。おそらく、この本の良い読者ではなかったでしょう。

 とはいえ、急に生物の心臓の構造についてわりと詳しく述べ始めたり、意外なパートがあって、こういうのはやはり有名タイトルでも読んでみないと分からないところだな、と思ったりして。それなりに楽しく読むことはできました。


 まぁ結局、一番根本のところに共感していないからどうしようもない部分もあって。永遠、不変、無限、全知、全能の、つまるところ「完全」な存在というのを大前提として想定するかどうかという、話のスタートの部分でつまづくわけなのですが。

 その辺の溝まで含めて、距離を測っておくしかないですねぇ。

[] 黄金伝説 22:27  黄金伝説を含むブックマーク  黄金伝説のブックマークコメント



 大学図書館でちまちま読んでいたもの。全4巻の大著。なかなか大変でした。

 キリスト教の聖人伝を中心とした伝説・説話集FGOのお陰で最近とみに名前を聞くようになった聖ゲオルギウスや聖マルタなどの話も含んでいます。

 当初は、あくま説話集の一つとして、話のモチーフを中心に集める程度という認識で読み始めたのですが、いざ取り組んでみるとやはり中世キリスト教の世界観や思想というものを考えざるを得なくなって、思ってたより深刻に唸りながら読むハメになったという感じです。

 聖人の一人が、キリスト教への信仰を捨てて既存の神々への帰依をしないと拷問するぞと脅された時に、啖呵きるわけですよ。もう大雑把に要約すると、「望むところだ、こちとら伊達に十字架という拷問処刑具をシンボルにしてないぞ」と。

 さらに、比較的迫害の無い時代に生まれた司教が、「殉教の冠が得られないのは残念なことだ」と言い始めたりする。

 ともかくほぼ全篇にわたって、血生臭い拷問拷問また拷問という展開が続くわけです。さすがにねぇ、一体なんだろうこれ、と考えさせられざるを得ない。『新約聖書外典』を読んだ辺りから、なんとなく「キリスト教の伝播が殉教を構造的に織り込んだ形で進んでいる」印象は持っていましたが、ここまで強調されるとどうにも。

 また、禁欲的な傾向も『新約聖書外典』以上に進んでいて。大体登場する殉教聖女って絶世の美人なんですが、美人であるが故に男に言い寄られ、それを断るのが発端となって拷問から殉教コースに入るわけです。さらに聖母マリア様にいたっては、絶世の美女でありながら、他の聖女よりもさらに段違いの聖性により周囲の男に一切劣情を抱かせなかったとか。


 どうもその辺の違いに戸惑ったりはしましたが、一方で面白いネタもたくさん拾えたので、非常に有意義な読書でありました。

 まぁ、ちまちまとですけど、これくらいの原典読みを地道にやっていくのは続けていきたいですねぇ。こればっかりは続けないと意味が無いので。

 ぼちぼちと。

[] タングステンおじさん 22:27  タングステンおじさんを含むブックマーク  タングステンおじさんのブックマークコメント



 松岡正剛さんの紹介で気になってた本。息抜きがてら読んでました。

 とにかく素晴らしくて。こんなにワクワクした気分でページをめくったの久しぶり。

 著者の子供時代の回想と、子供時代に出会った化学の紹介とが交互に綴られるという、そんな本です。著者の子供時代の好奇心に寄り添いながら、自然と人類史における化学のクロニクルが頭に入って来る構成になっていて、実に楽しかった。コインやダイヤの指輪などの身近な金属・鉱物から始まって、電磁気学、光学、放射化学くらいまで読者を自然な好奇心で導いてくれるって、これ実はすごいことしてると思う。実際、この本で初めて知った、認識を改めたことがたくさんありました。炎色反応とか、せいぜい花火に使うくらいの認識しか無かったけど、目の前の正体不明の化合物にどんな金属が含まれてるのかの検査にも使えるとか言われて、目から鱗がポロポロ落ちる。なるほどなるほど、と。

 元素周期表なんかも、我々はいきなり学校の授業であれを見せられて「ふーん」と眺めて終わりになりがちなわけですけど、あれに出会う以前にこれだけ散々、自分の手で様々な物質だの金属だの元素だのに触れて親しんでいれば、これほどとんでもない興奮を味わえるわけですよね。本当、化学に対して幸福な出会いをしたんだなーという感じで。その出会いを導いてくれた、著者の近所の「タングステンおじさん」への憧れもまた、読んでみるとひとしおなのでした。一読、「こんなおじさんが、自分の子供時代に近くにいてくれたら」と思う事請け合いです。


 とりあえず、化学への入門に最適な一冊だと思います。気になる方は是非。

[] 君主論 22:27  君主論を含むブックマーク  君主論のブックマークコメント


君主論 (岩波文庫)

君主論 (岩波文庫)


 実は読んでなかったシリーズ。

 もうね、この辺については、本当に俗流のマキャベリズム(目的のためには手段を選ぶなっていうアレ)程度の認識しか無かったりするので、ともかく読むだけ読んでみて多少とも認識を更新しようという感じの読書でした。


 一読してみて、なんかこう、こんな清濁併せ呑めと堂々述べてる本も珍しいなと思った事でした。ある意味新鮮。悪い事をしなきゃならんなら決然とやれ、みたいな事を言うもんで、なるほどこの読後感から俗流解釈が出て来るんだなぁ、みたいな納得感もありました。

 とはいえ、マキアヴェッリ自身は、たとえば政敵をまとめて抹殺してしまうようなやり方を「もし実行するならダラダラやらないでまとめて一気にやれ」とか実に丁寧なアドバイスをしてはくれるわけですが(笑)、しかしそのようにして政権を得るようなやり方で成立した君主は、歴史上の偉大な君主とはとても並べることが出来ない、ともきっちり書いているわけで、極力そういう悪事は避けるべきという姿勢は一貫しています。であるならば、やはり「目的の為なら手段を選ぶな」というような乱暴な(善悪判断を最初から捨てているように読める)要約は、誤ってると見るべきなのでしょうね。


 個人的に一番感慨深かったのは、まぁ私は所詮単なる小市民なので、君主目線からモノを考える事なんてほとんど無いわけなので、そういう視点からの権力の力学、みたいなものに少し触れられた気がして、そこがとても面白かったというところです。封建制みたいな、自分の幹部が独自に土地や土地に根付いた民=急時の戦力を持っているような国だと、敵国に内通された時に国が分断されやすい。つまり攻めやすいが守りにくい。一方、官僚制が行き届いた構造の国の場合だと、地方長官と言えども中央から派遣されてるだけで土地の戦力などとは繋がっていないので、もしそいつが裏切っても脅威にはなりにくい、つまり守りやすく攻めにくいのだ、とか。そういう風に考えた事がなかったので、自分の中で今まであまり想定した事の無かった力学がすこしだけ実感できたような、そんな感じでした。


 明確に何か新しい知見を得たという読書ではなかったかもですが、そういう、未知の感触に出会えただけでも実に有意義だったのだろうと思います。やはり読んでみるものですねぇ。

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2018-01-14 来た見た勝った

 記事は用意してたのに更新忘れてたでござる。もう1月も半分が過ぎようとしているのね……。

[] 2018年の目標 00:01  2018年の目標を含むブックマーク  2018年の目標のブックマークコメント


 達成されないことに定評のある年初の目標を、懲りずに出すだけ出してみる。


 とりあえず毎度おなじみの読書量ですが、一応50冊としておきます。例によって難物ばかりに取り組むことになるでしょうし、60冊には届かないであろうなぁ……。それでも、昨年よりは増やしたいです。切実。


 で、Twitterの方で元日近くに呟いたのは、料理関係の目標。「まだ作った事のないレシピ20種類以上に挑戦」と、「レシピを見ずに作れる料理を5品目以上増やす」。

 事前に作る料理を決めて、材料買ってきて、レシピ見ながら作る……というのはだいぶ安定してきましたが、冷蔵庫に残ってる材料から作るメニューを決めたり、といったレベルに達するには、やはりレパートリーの増加と、それらレパートリーをレシピ見ないで作れるくらい体得する必要が、やはりあるなぁと。そこまでいければかなりレベルアップできると思うのですが、まぁそのために数をこなそうという事ですね。

 まぁ、実家で料理環境が整っているうちに、少しでもスキルを上げておきたいところ。


 ……で、自分用wikiはEvernoteに移行し始めてしまったので昨年までのような目標が立てづらい状態なのですが。

 まぁ、昨年に引き続き、粛々と蓄積を増やしていきたいな、というところです。あと、WikiからEvernoteへの情報移行はできればあらかた済ませておきたいですねぇ。

 あと、折を見て世界史を頭に叩き込む、というサブクエストをこなせればなーというのがあります。


 そんなところでしょうか。

 ついついあっちこっちに手を出す性格なので困りものですが、さすがに目の前の修業期間を抜けないと何もできないので。東京散歩とか、定番映画見るのとかもやりたいけど、まぁ順番に順番に、という感じですなぁ。

 ともあれ、今年も地道に地道にやっていこうと思います。

 そんな感じ。

[] 歴史とは何か 00:01  歴史とは何かを含むブックマーク  歴史とは何かのブックマークコメント



 年越しに読んでたのはこれ。かなり長期間積読されていた新書

 まぁ、歴史哲学みたいな、そっち方面もいずれ読みたいなと思ってる分野の一つだったわけです。年末の空いた期間に、その端緒を開いてみた感じでしょうか。

 Twitterなんかで歴史関係の話する時に、なんとなく、どこかで聞いたような「歴史なんて所詮勝者の歴史」とか「歴史家の主観から逃れられない」とか、その手のフレーズで済ませてしまっている自分、というのは意識していて。でもそれじゃいかんだろ、もうちょっと本気で考えてみる必要はあるんじゃない? みたいには思ってたわけです。だから歴史哲学みたいな分野には、わりと関心の一端が向いていたのでした。


 で、本書を読んでみて、とりあえず上記のようなモヤモヤに対する思考の交通整理はかなり捗った感じです。事実に語らせよ、と言っても膨大な歴史的事実の中から取捨選択をするのは歴史家だ、カエサルがルビコン川と渡ったと言っても、ルビコン川を渡った人は数えきれないほどいる、その数えきれない中から「カエサルが渡った」ことだけをピックアップしているわけで、事実にだけ語らせるなどと言ったら膨大な事実の海に沈むだけである、というような話は、なるほど言われてみればという感じ。

 また、よく歴史学について「現在に役立てる」という擁護を見てて、「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」みたいなフレーズを時々見かけるわけですけど、私はこの手のフレーズが実はあまりしっくりきてなくて、「歴史って何の役に立つの」という問いに対する優等生的でタテマエ的な回答なんじゃないの、みたいな感想をわりと持ってたわけですけど。ところが本書の著者によれば、むしろ「歴史上の教訓を現在に役立てる」というのは歴史学をやる上でほとんど必須のコンセプトになるというわけです。なぜなら、「現在の教訓になるような歴史を綴る」という指向性無しに、膨大な歴史的事実の中から拾うべき歴史事実を取捨選択する指針は得られないから、だと言うわけで。この辺りも、「なるほどそういう考え方があるのか」という感じでなかなか目から鱗がおちたところでした。


 他にもいろいろ細かな示唆を受けられたので、年初から収穫ある読書。嬉しい限りです。

 この調子で、どんどん行きますよっと。

[] 星界の報告 00:01  星界の報告を含むブックマーク  星界の報告のブックマークコメント



 自然科学寄り道中。

 言わずと知れた天文学のエピック。まぁ、当面天文学に深入りする予定はないので、さらっと。

 小冊ですが、その中でさらに、論述的な部分よりも、とにかくひたすら観察結果を列挙しているパートが多く、はてどう読んだものか、と戸惑いながらページをめくった感じはありました。が、巻末解説を読んで少し納得。

 要するに、アリストテレス的・観念的な天体イメージが支配的だった中で、望遠鏡という新しい道具を用いた「事実による認識の更新」のビッグウェーブが来たわけなのですね。本書がその流れの中核の一つだった、と。

 こういうの、やはり実際読んでみないと、流れの感じ、感覚が掴めないものです。


 とりあえず上記の認識を得たところで駆け足で本書を閉じました。そんな機会があるかどうか甚だ怪しいものですが、もし天文学にガッツリ取り組む機会があったら、戻って来るかも知れません。

 今回はそんなところで。

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2017-12-30 2017年最後の更新

[] 2017年 23:19  2017年を含むブックマーク  2017年のブックマークコメント


 気がつけばもう年の瀬ですか。というわけで、毎年恒例の1年振り返り記事をば。

 FGOのボックスガチャ周回をしつつお送りいたします(おい


      ☆読書

 今年ですが、ブログ読了済みとして感想を挙げたものだと32冊。その他、年初から職場からの帰りの電車でちまちま読んでいる岩波文庫版『千夜一夜物語』を7冊は読み終えていて、あと職場休憩時間に読んでたこれも岩波の『万葉集』を1冊、大学図書館で『黄金伝説』全4冊のうち3冊目まで読了して、という感じ。以上ひっくるめて40冊くらいですかね、全部で。

 もっとも、『ゲーテ全集14巻 自然科学論』は、一部ちくま学芸文庫に収録されてますがそっちだと3冊になってる分量だし、他にも厚めの本が多かったので、まぁ、といったところ。

 むろんそれも含めて、もうちょっと頑張りたかったですがねぇ。


 春辺りからゲーテにかかりっきりでした。2017年はゲーテを読んだ年、といったところ。思いのほか時間かかってしまったけれど、個人的にすごく気になる作家だったので、ある程度集中して追いかけられて良かったです。ああいうオールラウンダーな作家、やっぱり気になるので。

 あとは、昨年末までに新約・旧約聖書を読み終えた事で、ダンテ神曲』、ゲーテファウスト』、ミルトン失楽園』という学生時代に読みたいなぁと思ってたタイトルを相次いで読み終えられたのが大きかったですか。正直、読まないまま一生終えるかもしれないと諦めてた時期もあったようなタイトルたちだったので。他にも上述の『黄金伝説』に目を通したり、キリスト教関連の作品を重点的にチェックできたし、自分の中でかなりその辺が像を結ぶようになってきたので、それも今年の収穫かなと。まぁもちろん、亀の歩みではありますが。


 『千夜一夜物語』に1年以上かかるとは……というのは誤算ではありました。ま、帰りの電車でしか読んでないので進みが遅いのはしょうがないかな。他にも読みたいタイトルはいくらでもあるので、こちらも早めに片づけたいですねぇ。


 一方で、今年は年頭から、新たに大学図書館通いを再開しました。OBは大学図書館に入れるのだ。書店では入手困難な本や、購入が厳しい大冊をちまちま読んで行こうかと。そんなわけで、まずは以前岩波文庫版に抄訳されてて「全部読みたい!」となったパウサニアスを通読してみたりしたわけでした。ともかく、ガンガン読んでいくしかないので、今後も続けようかなと。その分、旅行に行ったり東京散歩したり映画見に行ったりする時間がなくなりますが、まぁしょうがない。


 結局今年も、西洋近代文学あたりに本格的に入るには及ばず。来年もどうなるか分かりませんし、前途多難であります。そろそろアジアに移りたいんだけどなぁ……w 日本もまだだし。

 ま、頑張るしかありませんね。



      ☆自分用Wiki


 これなんですけど。実は今年からWikiへの書き込みをやめて、Evernoteに切り替えました。

 正直この辺は一長一短なんだけど、バックアップが取りやすいのと、検索も優秀なのと、後は年表なんかはタグを利用する事でWikiよりも自分の思う理想の動的な年表として機能してくれそうなので、とりあえず今後はこちらで進める予定です。なので外部からは見えなくなってしまうけれど。

 Wikiの方に数千項目、ページを作ってあるのをすぐさますべてEvernoteに移行できるはずもなく、それもぼちぼちやっています。

 はてさて、これも使い物になるまでにあと何年かかるんですかね……w



      ☆料理

 丸一年以上続きました。三日坊主な私にしては上出来なことだ。

 シチュー、ロールキャベツなど、新しいメニューに挑戦して、それなりに成功率も高かったので満足。

 今のところはまだ、レシピを覗き込みながら、レシピ通りに作ってる感じですけど。それでも、トマト味ロールキャベツの余ったスープを翌日パスタソースにリメイクする、といった応用も徐々に出来るようになってきてるので。いずれ、もっとアドリブや応用がきくようになれば、もっと面白くなるのかなぁと思いながら。まぁでも、それも当分先でしょうけどね。

 ともあれ、現状楽しく続いているし、来年以降も続けたいと思います。



      ☆ゲーム

 今年は、まぁFGOばっかりやってた。

 昨年無事に終局特異点レイドイベントに参加してから、今年一年、1.5部やらイベントやらをこなし、戦力もそれなりに強化して……まぁ、そこそこ頑張れる程度の戦力は整ってきました。

 なんだかんだで楽しいから良いんだけど、実際のところ通年でとんでもない量のテキスト読んでる気がするし、このゲームやってなかったら優に数冊の本を余分に読めたのでは……的な気もしないでもない(笑)。

 とはいえまぁ、そこはそれ。以前Twitterでは書きましたが、ゲームの本質は蕩尽だと思っているので。「もったいない」などという気分があるうちは本当に遊ぶことはできません。遊ぶ時は遊び三昧に。FGOはその蕩尽に見合った楽しさを返してくれているので、現状は意欲が落ちないまま進められています。


 あとは、何気に今年、Steamで『レゴシティ アンダーカバー』というゲームを買ってどっぷり遊んでいたり。

 たびたび私が呟いたり書いたりしている、「オープンワールドゲームやりたい! けど別に血ィどばどば出たり人間の頭が吹っ飛んだりするゲームがしたいわけじゃないんだよ……」という例の個人的要望があったわけですが、そこを完璧に押さえてくれたゲームがなんとレゴだったという(笑)。

 アレです、ドラクエとかで、世界救うのそっちのけで街中の宝箱漁ったりするのが大好きな人には非常に楽しめるんじゃないでしょうか、というゲームでした。とにかくマップ内にやたら大量の隠し要素がばら撒かれていて、それをひたすら回収する至福の時間をすごしていましたとさ。ああいうゲーム、もっと無いかなぁ。


 そんな感じ。



      ☆総じて

 相変わらず地味な修業期間が続いております。あと数年は続くでしょう。

 正直なところ、迷うことはたびたびあって、さっさと実作に戻るべきなのでは、作品を作りながら学ぶべきなのでは、みたいな事も度々思うわけですが。しかしやはり、かつてそういう事をやっていて「これじゃだめだな」と思って今の修業期間を始めた事を安易に忘れちゃいかんよな、とも思ったりなんだり。

 まぁ、基本書、定番書を読むって言ったって、何を基本定番とするかでいくらでもキリがない部分もあるわけですけど。その辺も随時見極めをしつつ、もうしばらく粛々とやっていく予定です。

 さてさて。ま、来年も頑張りますかね。

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種の起原〈上〉 (岩波文庫)

種の起原〈上〉 (岩波文庫)

種の起原〈下〉 (岩波文庫)

種の起原〈下〉 (岩波文庫)


 ちょっと自然科学方面に寄り道を。

 とは言っても、今年ゲーテの自然科学系の著作にも挑戦してたわけで、ダーウィンの進化論もゲーテの形態学の発想などと地続きのものですから、そういう意味ではスムーズに関心が動いた結果ともいえます。

 ま、いずれ読もうと思ってたタイトルの一つですし。


 ダーウィンの進化論については、以前軽い読み物でアウトラインを見た事はありました。が、改めて読んでみると、そのとんでもない視野の広さ、カバーしている領域の広さに感嘆した、という感じ。まぁ、考えてみれば当然ではあったんですが。生命誕生以来の、全世界の生物を対象にした壮大な仮説の話なわけですからね。

 事前に知っていた知識と比較して意外だった事と言えば、立論の発端と根拠の多くが飼育動物や家畜の品種改良の話だったこと。ダーウィンの論証の矛先が、生態学、古生物学、地学や発生学辺りまで縦横に展開されていること、でしょうか。やはりそれくらい広汎にカバーしてないと、この規模の仮説を論じられないのだろうな、というような感慨が。

 まぁ、急いで書かれた著作でもあるらしく、あちこちで「詳細な論拠を挙げたいけど紙面が足りない」とされているのが若干目につきはしました。むしろ存分にエビデンスとなる事実を散らした完全版が読みたいなと思ったくらい。


 目新しい発見があった読書、というよりは、半端だった知識を整理する読書、という感じでしたが。まぁ、それが現在やっている定番書読みの目的でもあるので。順当に目的に近づいたという感じです。

 まぁでも、それゆえにあまりのんびりもしていられないので。来年もガンガン進めていきたいところです。

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