カオスの縁 ――無節操日記 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2115-12-31 ご案内のこと このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

『機動戦士ガンダムAGE』各話解説、全話完了しました。

下記の目次からお進みください。

『機動戦士ガンダムAGE』各話解説目次

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2017-01-07 えくすかりばーがらてぃーん

 2017年ものんびりマイペースに進めてまいります。どうかよしなに。

[] 2017年の目標 23:10  2017年の目標を含むブックマーク  2017年の目標のブックマークコメント


 達成されないことに定評がある年初の目標設定記事であります。

 まぁ、年初に決めた方向性そのものがキャンセルされることも多々あるので、意味あるの? という感じではありますが(笑)。一応やっておきますか。


 とりあえず読書ですが、例年通り60冊を目標値とします。去年は『文語訳旧約聖書』はじめ難物が多かったため大幅に下回りましたが、今年は今のところそこまで難物を読む予定はないので、もうちょっと健闘したいです。

 とはいえ、一冊と言っても薄い本厚い本あるんで冊数換算意味ないんじゃね? という話もあり、いっそページ数で目標立てても良いのでは? という話も耳にしたりします。余裕があったら今年、ページ数換算も試してみて、来年以降の目標に反映させても良いかしら……。


 あと読書関係でもう一つ、『プリニウスの博物誌』は今年中に読み終えたいですね。今ちょうど半分、全6冊中の3冊目まで終わってますが、これを最後まで。大判の本なので通勤中の持ち歩き用にはせず、自宅でチマチマ読んでおります。こういうのを読み進める時間もしっかりとりたい。


 自分用wikiは、今年は目標には組み込まず様子見で。しかし余力があれば、今年あたりから大学図書館へ出向いての情報収集を再開したいかもですなぁ。大学卒業生は半年五千円で図書館が使えるのだ。

 原典読みを進め、自分用wikiへの情報反映方法も拡張してきた今なら、以前より効率的に利用できるに違いない……。


 あとは、去年から始めた料理を続けていく事ですかねぇ。机の上でやる趣味の他にも、やはり何かスキルアップしていく趣味が一つくらいあっても良いし、料理はわりと性に合ってるようなので。ま、毎度おなじみの移り気が出ることもあり得ますけど、とりあえず続くところまで続けたいのじゃ。


 そんなところです。

 今年もアウトプットよりインプットを優先する地味な一年になる予定ですが、充実させていきたいと思います。さて、がんばんべ。

[] アーサー王の甥ガウェインの成長記 23:10  アーサー王の甥ガウェインの成長記を含むブックマーク  アーサー王の甥ガウェインの成長記のブックマークコメント



 たまたま書店で見かけて衝動買い。中世に書かれた、アーサー王伝説関連の騎士物語の一つということで。

 昨年、マロリー『アーサー王の死』を読んだことでようやく念願のアーサー王伝説に触れられたわけですが、それ以外にも関連する作品は色々あるようで。とりあえず日本語で読める形で手に入るのはありがたいなーという事で、読んでみた。


 物語としては、解説にもある通りわりとシンプルな貴種流離譚。特に難しいと感じるようなところもなくシンプルに楽しく読みました。

 そんな中、突出して面白かったのは、やはり話の本筋から外れて、中世ヨーロッパにその名を知られた焼夷兵器「ギリシャ火薬」の製法が事細かに述べられているところ。しかも、瀝青や硫黄など実際に有効そうな材料と、やれヒキガエルだのオオカミの睾丸だの竜の血だのといった怪しげな材料とが併記されていたりして、最近こういう中世の怪しいレシピ(魔女のつくる薬とかの記述でよく出て来る)をメモるのがマイブームな私をいたく喜ばせたのでした(笑)。その上注釈によれば、この部分はギリシャ火薬の製法に関する記述としては最古級のものの一つであるとかで。

 アーサー王伝説関連を軽くおさえる程度のつもりだったので、そんなものが載っているとは予想もしていなかったので驚いたわけですが。しかし、むしろそういう予想もつかなかったモノと不意に出会っちゃったりするのが原典を読む楽しみでもあるなと。


 アーサー王伝説という関連で言えば、『アーサー王の死』も本書も数ある作品の一つで、本書を読んだからとて全貌がつかめるわけでは無いのでしょうけれども。それでも、当たれる範囲で原典に当たっておくと意外に発見があったりするもので、なかなか楽しい読書でありました。敵に押されて敗走するアーサー王とかいう珍しい場面も出てきたり、本作ならではの場面もあるということで、作品ごと時代ごとのイメージの変遷も掴むのは大変そうです。

 まぁでも、とりあえずは作品単独として楽しみました。

 さて次。

[] 聖杯伝説 23:10  聖杯伝説を含むブックマーク  聖杯伝説のブックマークコメント



 昨年から『Fate/Grand Order』を遊び始めたわけで、これはまぁ、アーサー王円卓の騎士が重要人物として登場したり、ゲーム内用語として聖杯が登場したりしていたため、去年は例年になく「聖杯」という単語を見聞きした年でありました(笑)。

 それに加え、はじめてアーサー王伝説原典のひとつ『アーサー王の死』を読んだわけですけれども。その中で聖杯が登場するわけですが、その登場の仕方が想像とかなり違ったので、ちょっと興味を引かれたという事がありました。


 そんなもろもろで、久しぶりに古典読みキャンペーンから外れて、気の向くまま人文書を手に取って見たり。


 先に結論から言いますと、本書の人文書としての評価については、私個人の尺度で見る限りちょっと低めに見積もらざるを得ませんでした。最後の方、結論が聖杯伝説への考察から外れて現代文明批判とかに行ってしまったので、逆に学術書的な正確さをこの本から汲み出す事を断念せざるを得なかったという感じです。

 なのでまぁ、本書から自分用の勉強メモへ情報を移行するのはかなり慎重になるわけですが。そういう本だからといって、読んだのが無駄になるわけでもないのですよな。

 アーサー王関連の作品がどの国にどれくらいあるのか、といった辺りは本書で認識を改めた情報でした。原典だけを読んでると、逆にそのテーマにおける全景を把握するのに手間取ったりするので、たまにはこういう本で俯瞰してみるのも悪くなかったり。

 それにまた本書は図版も豊富なので、今まで文字でしかなかったイメージにかなり視覚的な情報がプラスされた分もありました。


 もろもろ含め、わりとそれなりに有意義に読めたのではないかと思います。まぁ、いずれより突っ込んだ内容の本にも触れてみたくはありますが。とりあえず今はこんなところですかね。

 さて、次。

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2016-12-31 2016年最後の更新

 今年はギリギリになりましたが、2016年最後の更新でございます。

 ぽつぽつと読書感想を置くだけのブログになってきましたが、まぁ引き続き、来年以降もたまに様子を見に来ていただければ幸いでございます。

 それでは良いお年を。

[] 2016年 19:46  2016年を含むブックマーク  2016年のブックマークコメント


 毎年恒例、年末の1年振り返り反省記事。

 今年も目立った活動をするでもなく、水面下でちまちま色々やっていた一年でありました。あと何年こういう感じで行くことになるか……まぁ、焦ってもしょうがないのでマイペースで。


      ○執筆・映画視聴など

 昨年、小説執筆を月末時間とって続けようと思っていたわけですが、気がつけばそちらは完全ストップになってしまっていました。

 また映画視聴も今年の初めごろに一旦ストップ。昨年からの流れがちょっと止まってしまった感じです。

 まぁ私自身は自分の移り気を知っているので動じませんが……しかし、小説を書くスキルはだいぶ低下していそうな気はする。その辺、どうしたもんですかね。悩ましいけど、一度になんもかも出来るわけでもないし、しょうがないかなー。



      ○読書

 今年読了した本は合計40冊。年初に立てた目標は50冊だったので、20冊足りない。ぐぬぬ

 まぁ、『ローマ帝国衰亡史』(旧漢字)の後半4冊、『文語訳旧約聖書』(文語)全4冊、ダンテ神曲岩波文庫版(文語)全3冊と、難物がいつになく続いたのでかなり苦戦した感じはあります。あと全冊読了してないから勘定に入れてませんが自宅でちまちま『プリニウスの博物誌』を読み進めてて、全6冊のうち半分の3冊まで読み終えてたり。また後述のように今年は自分用Wikiの編集方針をかなり変更・やり方を追加して、それに反映させるために以前読んだ本の再読もかなりやっていましたからな……『不思議の国のアリス』『鏡の国のアリス』とか、あと『論語』も頭からしっぽまで読み返したりしていました。その辺を加えて、まぁそれでも目標には届かんかな、くらいの結果。

 西洋古代のギリシャ古典辺りから読み始めた定番読みキャンペーンも、ついに中世からルネサンスの入口辺りまで到達してきました。まぁ本当はもうちょっと進むつもりだったんだけど。それでも、いずれ読もうと高校時代から思っていたダンテ神曲』をついに読むことができたり、重い腰をあげて『旧約聖書』を通読してみたら「ヨブ記」の迫力にびっくりしたり、『ガリヴァー旅行記』の想像をはるかに超えた厭世ぶりに驚いたり。なんだかんだで充実した読書でありました。

 この調子で来年は西洋近代文学にまで進出……といきたいところですが、先日古本屋で『プルターク英雄伝』全10冊とか買ってしまったので、時代的にまた後戻りする事になるかも……(笑)。


 まぁでも、なんだかんだで、この古典読みの取り組みも2年以上地道に続いております。早い段階で力尽きるかと心配もしていたんですが、そうならなかったのは何だかんだで楽しいからなんでしょうね。



        ○自分用wiki

 当初、一般名詞や固有名詞ごとに項目立てをするだけだった当wikiですが、昨年あたりから物語のモチーフごとに項目立てする領域を新設。

 さらに今年から、文章そのものを引用の形でメモするタイプの項目立てを新設しました。まぁこれ、口述するゲームシヴィライゼーション』やってて思いついたんですけど(笑)。

 理想は、どんなテーマ、単語持って来られても即座に3つくらい気の利いた引用文が用意できる状態。日ごろからコツコツと溜めて行こうかと。まぁ引用文の提示ってキザったらしい部分もあるわけですが、『シヴィライゼーション』で新しい技術開発した時にパッと出る引用文とか好きなので。まぁ、どう使うにせよとりあえず如何様にも動けるよう準備しておこうと思い立ったのでした。

 何より、これによって、文学とかエッセイとかもwikiへ反映するものが出来たことになります。少なくとも読書のモチベーションはかなり上がるのだ。


 で、そんな具合に新しい項目立てを作った結果としてwikiの項目数は劇的に増加、目標の500を越えて700項目ぐらい増えることになりました。とはいえ当初の想定と条件が違うので、目標達成に数えて良いのかどうか……。

 まぁでも、wiki関連については確実に充実していた一年でした。まだまだ地味な修業期間が続きますが、気長に続けていくことにします。



      ○ゲーム

 今年は例年になくゲームやってた気がする。面白いゲームが無いと、なんかゲーム情報サイトを未練がましくうろついたり新しいゲームにちょっと触っては離れて愚痴ったりするわけですが、いざ面白いゲームに当たると「メインの取り組みが進まない」と愚痴るわけで、我ながら難しい(笑)。

 今年はまず『シヴィライゼーション』にハマったのですよな。時間泥棒として有名なシミュレーションゲーム。個人的に『ギレンの野望』みたいな戦略シミュレーションには苦手意識の方が多かったのですが、本作は武力で相手を倒す以外にも、科学力を高めて、文化力を高めて、外交力を高めて、など複数の勝利方法があって、非常に肌にあっていました。いわゆる内政屋なので……w

 また、世界史知識がふんだんに散りばめられているところ、前述した要所要所に小洒落た引用が開陳されたりする雰囲気も楽しかったり。なんだかんだで色々試してみたりして、楽しみました。そうね、丸一か月分の自由時間がこれで飛んだかな……。


 そして今年の後半、ひょんなことから『Fate/grand order』に手を出してしまってさぁ大変なのであった。こちらは現在進行形で大変。よもやこの私がこんな必死にガチャを廻す日が来るとはな……w

 まぁ特にリセマラもしてないけど引きは良く、チュートリアルガチャヘラクレスを、その後数日で礼装月霊髄液を引いて不動の守護神が完成、さらにその後のクラス別ピックアップで見事にセイバー・アルトリアさんを引き、という感じで実に理想的な形で戦力が充実していったと思います。

 9月上旬から始めて、大車輪で育成とシナリオ進行を頑張った結果、どうにか終章レイドイベントに間に合い、エンディングを見るところまでたどり着くことができました。終局特異点イベントが年末にあって7章クリアが参加条件、と知った時点で5章終盤だったからね……ぶっ続けで6章7章を駆け抜けた時はマジで死ぬかと思いました。まぁでも、その苦労に見合ったプレイ体験をさせていただいたし、楽しかったので良しとしましょう。

 とりあえずまだ持ってないサーヴァントが山ほどいるので、無理にならない程度にがんばりますかね……。いやー人理を救うってお金がかかりますね(おい


      ○料理

 毎年6月ぐらいに連休とるんですけど、今年はどこにも行く予定がなく。さりとて何もしないのもなーと思って、ふと料理なぞ始めてみたのでした。

 前々から興味はあったし、このブログの草創期、一人暮らししてた頃にはちらっとやってたりしたんですけどね。今回再スタートを切ってみた次第。そしたら案外楽しくて、半年ぐらい、和・洋・中華といろいろ作って食べたりしていたのでした。

 自分用にちょっと辛めの中華作って舌鼓を打ったり、同居しているおばあ様のリクエストに応えてグラタンに挑戦して及第点もらったり、肉じゃがに挑戦して苦戦したり……なんだかんだ充実しておりました。素人でも案外美味しくできたりするし、また自分で煮物とか煮魚作ってみたりするうちに、今まであまり好きじゃなかった料理の味わいどころが分かってきて、この歳で新しい好物の食べ物ができたりと、やはり新しい事を始めてみると発見があるし、生活が変わるし、楽しいわけです。レシピ集なんかもなんだかんだこの半年で10冊くらい買ってしまった(笑)。

 休日の息抜きに趣味で作る程度なんでそこまで本格的でもないですが、これもやる気が続く限り、来年も続けてみたいなーと思える趣味でございました。さてどうなりますやら。

 


      ○総じて

 今年はかなりインドアで、去年にもまして地味な活動をしていた一年でありました。ひたすらインプットインプット。こんな調子で大丈夫なのかって不安もまぁ無いでもないですが、しかし確実に前進もしているので、じっくり取り組むことにしています。

 もういっそのこと30代の間は修業期間と割り切っても良いかもしれない。まあ、そうやっていつまでもスタート切らないのも問題なので考えどころではあります。

 まぁでも、それなりに充実しているから良いのかな。

 そんな感じで来年以降もマイペースで進めていく事にします。よろしければ今後ともご贔屓に。

[] 神曲 19:46  神曲 を含むブックマーク  神曲 のブックマークコメント


神曲 上 (岩波文庫 赤 701-1)

神曲 上 (岩波文庫 赤 701-1)


 先日『旧約聖書』を読んだ事で、ようやくいくつか、学生時代から「いつか読もう」と思ってた有名古典を読むための最低限の予備知識を得られたので、ガンガン進む事にしました。というわけでダンテ


 何も考えずに岩波文庫版を手に取ったのですが、これが事実上の文語訳でありまして。まぁそれだけなら無理して読み切ってしまう手もあったのですが、人物名がイタリア語読みになっていて、誰が誰だか分からないというところで決定的に躓きました。「カエサル」が「チェーザレ」になってるんだもの、初読では判断つきませんがな。そして、その辺の有名人物の名前を把握しながらでなければ作品全体の意図が分からないだろう事は序盤でなんとなく想像がついたので。

 というわけで、

 比較的平易な現代語訳かつ、詳細な注釈つきの講談社学術文庫版も用意して、交互に読むことにしました。お蔭で倍近い時間かかりましたが……(笑)。


 読む前の段階では、一抹の不安があったというのが正直なところでした。というのも、作者ダンテの初恋の人が重要人物として出て来るとか、ダンテの政敵が地獄に落とされてるとかいう話を耳にしていたからで、なんか私情や私怨が作品世界をせせこましくしてるのでは? という疑念があったわけでした。

 では実際読んでみたらどうだったかというと……せせこましいなんてとんでもない、むしろとんでもないスケールの大きさを誇る話だったので素朴にびっくりしたのでした。実際のところ作者ダンテの私情も私怨も入ってはいるのでしょうが、むしろこのとんでもないスケールの大きさの中ではそうした私情こそが実感をかろうじて持たせてくれるアンカーになっているような気すらしました。いやほんと、すごい。


 実際、読む前に想像してたのと実物とがこんなに違ったのも珍しい気がします。

 古代ギリシャ・ローマの文化が見直されたのがルネサンスだ、という通り一遍の知識から、それ以前は相当下火になってたんだろうし、『神曲』はキリスト教の世界観を描いた作品だと思ってたんですね。

 なので地獄編の早い段階で、アッシリアの伝説の女王セミラミスとトロイア戦争の主因を作ったパリス、エジプトの女王クレオパトラに円卓の騎士トリスタンというメンツが並んで地獄の責め苦を受けてるとかいきなり出てきて衝撃を受けたわけですよ(笑)。Twitterでその驚きをツイートしたら「まるでFateみたい」と言う人が続出したわけですが。

 とにかく、ギリシャ・ローマ神話の話題が縦横無尽に登場することにカルチャーショックを受けたのでした。それどころか、ダンテ自身が天国の様子を詩として表現する力を与えた前とアポロン神に祈るという一節まであって。

 どうも解説その他総合すると、まるで日本の神仏習合のように、ギリシャ神話の内容をキリスト教的に読み替えるというケースがあったようですね。まったく意外でした。おかげで、ダンテはあわやメデューサに石にされそうになったりなんだりの大冒険となり。なんかこう、慣れるうちにガイド付きでテーマパークを回っているかのような楽しい気分になってきたりもしました(笑)。


 天国篇では、これも想像してたキリスト教天国イメージと違った、太陽系の惑星巡りになっていて、しかもそこで太陽系の天体が天国の各階層として扱われている背景に、以前読んだアリストテレス『形而上学』を読んだ時に感心した、太陽系の天体とオリュンポスの神々を対応させていくロジックがある事も解説から察せられて、なるほどそうなってるのか! と膝を打ったわけでした。いやはや、背伸びしてアリストテレス読んだかいがありました。

 そういえばキリスト教神学とアリストテレスの関係性についてはぼんやり耳にしたことはあったわけですが。よもやこんなすごい事になっているとは。本書を読み進めるうちに、かつては戸惑うばかりだったキリスト教神学に、以前よりも触れられそうな気がしたりもして、そういう意味でも有意義な読書だったかなと思います。


 正直、本書の内容のうちどれくらい把握できたかといえば、おそらく二割にも満たないでしょう。当然の話で、本書はキリスト教神学やキリスト教史、ダンテの時代の政治情勢、ギリシャ・ローマの古典知識などが頭に入っていないと完全に話が通じないという内容です。少なくとも私は神学と中世以降の西洋史はさっぱりなので。

 とはいえ、古典作品というのは必ずしも初読で十全な理解を目指すようなものではない、特に本書のような大著であればなおさら、というのが私の基本スタンスなので、分かった範囲内だけでも楽しめた部分は多かったというのが素朴な感想なのでした。

 上記のようなギリシャ神話フィーチャーぶりもそうですが、地獄の底に到達したダンテたちの脱出経路、そこから見えて来るとんでもないスケールの世界像、特にコキュートスに閉じ込められたルシフェルを中心とした南北の反転が、物語の構造、意味反転の構造として面白かったのでした。


 これほどの大著ですから他にも個々の感心したポイントなどは列挙すればキリが無く。ともあれ、つくづく有名作品というのも実際に読んでみなければ分からんもんだと改めて思った次第でした。

 さて、とりあえずこいつを読み終わった辺りで2016年は一つの区切りになりますが、来年もガンガン進めていく予定です。

[] デカメロン 19:46  デカメロンを含むブックマーク  デカメロンのブックマークコメント


デカメロン(上) (講談社文芸文庫)

デカメロン(上) (講談社文芸文庫)


 ボッカッチョの、これも名前はたびたび聞いたことある有名作品。とりあえず読んでみたわけですが。

 講談社文芸文庫版で読んだのですが、こちらの版だとかなり中身が省略されていて。1日に10人が一つずつ奇譚を話してそれが全10日という構成なのですが、そのうちの丸々1日分が略されていることもあったりという感じ。

 これでも「枠物語」としての全体像は把握できはしますが、やはりどうせ読むなら省略無しで読みたかったなぁという感じではありました。ちょっとその辺拍子抜けかなぁ。


 印象に残るのは、やっぱり艶笑譚ですよね(笑)。直接的な表現こそなけれ、かなり明け透けな下ネタトークが頻出してきて、最近こういう艶笑譚を読む機会なんてあまりありませんでしたからなかなか新鮮でした。

 まぁもちろん、単に散漫とそういう話が散らしてあるわけでは無いのでしょう。恐らく極めてベタな読み方ですが、冒頭、猖獗を極めるペスト流行の惨状を描き、そうした背景の中であえて若者たちが艶笑譚に花を咲かせるというのが、エロスとタナトスの対比になっているわけですよな。圧倒的な死に取り巻かれているからこそ、性(=生)を大らかに肯定できるバランスになってるのかなと思ったりはします。

 そういう特殊な条件下での共同生活という、特異な設定の緊張感が背景にずっと流れていて、単に個別の話を並べるだけにならない効果をあげている辺りがやはりさすがだという事なのかなと思った次第。


 まぁ、とりあえず今はそれくらいの理解で次へ行こうかと思います。いずれ機会があれば、省略されてないヤツを探して読んでみるかも。

[] メルヒェン 19:46  メルヒェンを含むブックマーク  メルヒェンのブックマークコメント


メルヒェン (新潮文庫)

メルヒェン (新潮文庫)


 やんごとない事情で、ちょっと寄り道してヘルマン・ヘッセ


 うーむ、アンニュイな作品集でありました。

 なんだろうなぁ、十年以上前、学生の頃に読んでたら絶賛してたんじゃないかな、という読み味(笑)。ほのかな幻想味と、童心礼讃、戦争嫌悪。うーん。

 もちろん、今でもそれらを良さとして受け取る感覚がまったくなくなったわけではないのですが……たとえば本書所収「アウグスツス」や「アヤメ」なんかも素朴に良い出来の短編と読む気分もあるんですけど……うーん、私も世間ずれしたってことなんですかね(笑)。

 たとえば「別な星の奇妙な便り」なんかが顕著なんですけど、納得しきれない気分の方が強かったのですよな。「戦争をする心性」を外のもの、理解できないもの、自分とは縁のないものとして描く限り、戦争という人類の行為にたいするアンチとして弱いだろうと今の自分は考えるので。この作品のテーマ的な強さに共感できなかった部分があったりするわけです。

 まぁでも、巻末の解説によればヘッセ自身がナチスドイツに追われる経験などもしているそうなので、あまり即断すべきでは無いのかもしれないですが……。私にはそうした経験がまるで無いわけですのでね。


 なんかこう、煮え切らない感想にはなっていますが、個々の表現から受けた刺激なんかはけっこう楽しんだ部分もありました。ここ最近あまり受けてなかった刺激を受けたような感じで。まぁ、たまの息抜きにはなったようにも思います。

 来年あたりには近代文学にも着手できるでしょうし、ヘッセの『車輪の下』あたりももしかしたら読む事もあるでしょう。その時にまたじっくり向き合おうかなと思ったことでした。

 とりあえず今回はこんな感じの感想で。

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2016-10-27 全て遠き理想郷

[] 新約聖書外典 23:40  新約聖書外典を含むブックマーク  新約聖書外典のブックマークコメント



 先日の旧約聖書に続き、新約聖書外典も読んでみました。

 まぁ、「旧約聖書外典」というのは、「ギリシャ語に翻訳された聖書には入っていて、現在のユダヤ教における旧約聖書正典には入っていないもの」という事で明確に指すものが決まっているわけですが、新約聖書外典というのは現在の新約聖書に入っていない文書がいろいろ含まれるため膨大な数あるらしく、この講談社文芸文庫に入っているのはそのうちの一部という事のようです。それに、中身も若干抄訳。

 とりあえず、気になったのは性嫌悪モチーフの多さだったりしました。『新約聖書』の福音書あたりに比べて、性交渉に対する忌避を示唆する部分が圧倒的に多い。また、聖人の話によって熱心な信仰を得た若い女性が夫との性交渉を拒否、夫が起こって聖人を讒訴、処刑しようとするという展開がほとんどパターン化しているように見えます。

 どうもその辺含め、ちょっと首をひねりながら読んでいたような感じ。

 その他、注釈にさかんに指摘されているグノーシスの思想という辺りはあまり詳しくないため、その辺もちょっと読むときにネックになっていたかも。

 まぁそんなわけですんなり飲み込めた感じではなかったですが、魔術師シモンの逸話とか、いくつか面白い話も読めたのでとりあえず良しとします。一度目を通してさえおけば、後で用事があってもすぐ戻れますし。

 とりあえずそんな感じの読書でした。

[] 自省録 23:40  自省録を含むブックマーク  自省録のブックマークコメント


自省録 (岩波文庫)

自省録 (岩波文庫)


 自分の将来の創作とかその他もろもろに使えそうな事をメモっている自分用Wikiですが、先日ちょっと編集形式を変えまして。そしたら、今までスルーでも良いかなーと思えてたタイトルにも手が伸びるようになったんで、ローマに引き返してこんな本を読んでみたり。ローマ五賢帝の一人、皇帝マルクス・アウレリウスの警句集という感じ。


 とにかく読んでて驚いたのは、一国の統治者の言葉とはとうてい信じられないくらい、圧倒的に自己完結した哲学が語られてた事でした。称賛も名誉も、自分とその周辺の人が死んでしまえばすべて塵に帰る程度のものであり、永劫に続く宇宙に対してはほとんど意味を為さないのだから顧みる必要が無い、みたいな、万事そんな調子であって。それが権力者として謙虚であるべきとかそんな生易しいものじゃなく、もっとストイックで内向的な倫理なので。正直、タイトルと著者その他全部伏せて読まされたら、とても世界史に冠たる大国の皇帝が書いたとは信じられなかったと思います。しかも、善政をしいていたという……。

 ほんと、人事をどうしようとか、人民の統治とか、そういう話が全然出て来ないの、異様ですらある。


 同じ意味のことを繰り返し書いているのも、自分に繰り返し言い聞かせているようで、なんともいえないストイックさを感じます。

 確かに、こういう人が善政を敷くというのは分からなくもない(実務方面で優秀な人材が部下にいれば)。けど、たとえばこの人が選挙に出たら勝てるかっていったら勝てないよなぁ多分、とか、まぁそういう事も考えてみたりw

 いろいろ思うところがありました。こういう箴言集的なものはなんだかんだ好きなので、折を見ていろいろ読んでみようかと。

[] ユートピア 23:40  ユートピアを含むブックマーク  ユートピアのブックマークコメント


ユートピア (岩波文庫 赤202-1)

ユートピア (岩波文庫 赤202-1)


 有名古典を着々と読み進めております(ペース遅すぎですが

 そんなわけで、これも。


 とりあえず、学生時代は厭うていた「古いものから順番に読む」というのの有り難さを感じつつの読書でした。プラトン『国家』を読んでおいたのが、この作品の理解にかなりプラスだったのは間違いない。あれが後世に与えた影響って大きかったのだなぁと。


 読んでいる間の所感としては、だからプラトン『国家』読んだ時とかなり似ていた感じでした。理想的な国家像を突き詰めていけばいくほど、多様性が失われ管理社会化が進んだディストピア的な国になっていってしまうのだなぁという感慨。

 とはいえ、本書はそうしたところを『国家』から引き継ぎつつ、そうした「理想」から微妙に距離をおこうとしているところにクレバーさを感じたところもあって。具体的には、ユートピア国の見聞を話す人物と、書籍全体としての語り手トマス・モアが別人であり、最後にトマス・モアから「ユートピア国のすべてを現在のヨーロッパで実現可能とは思えない」と述べさせたこと。というか、そもそも本書がフィクションとして綴られている事、でしょうか。このわずかな距離の取り方のおかげで、読者私と本書との溝がだいぶ埋まったような感じでした。

 『国家』の感想の時にも書いたけれど、一度徹底的に、「理想の国」「理想の全体像」を構想しシミュレートしてみることはすごい重要なんだと思うのです。理想だけが、現実を相対化する。場当たり的に現実の問題に対処しているだけでは、社会全体はどんどんチグハグになってしまう。

 しかし理想は、理想であるがゆえに、どんどん先鋭化し暴走してしまう。理想国家は容易くディストピアになってしまう。なので、そこでちょっとだけ最後に「理想」から距離をとっておく、というのは見事な処し方だなぁと思ったわけでした。


 いやしかし。こんな極めてポリティカルな内容の本が、がつがつ読まれてたんだとしたら、大したもんだとは思います。個別の政治問題を云々する前に、こういう国全体に対する思考シミュレーションを体験したかどうかって、けっこう大きいのかなという気も。こういうのが日本と西欧の政治感覚の違いとして出るのだとしたら、まぁそりゃかなわんなぁ、みたいな気分にもなったりしたのでした。

 まぁそれでも、本書を日本語で読めるというのはだから、ありがたいことなのでしょうね。


 とりあえずそんな。

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2016-09-30 約束された勝利の剣

 ひょんなことからFGO始めました。ガチャ回す系のゲームやるの久しぶり。

 まぁ読書ペースに差支えない範囲でのんびりやってます。私の場合、なぜかこの手のゲームではビギナーズラックがけっこうあるらしく、始めて半月セイバーアルトリアさん引いたりしてるんで、わりと順調なのかなー。

 気が向いたらそちらの進捗状況も記事にしますかね……。

[] 文語訳旧約聖書 00:04  文語訳旧約聖書を含むブックマーク  文語訳旧約聖書のブックマークコメント


文語訳 旧約聖書 II 歴史 (岩波文庫)

文語訳 旧約聖書 II 歴史 (岩波文庫)

文語訳 旧約聖書 IV預言 (岩波文庫)

文語訳 旧約聖書 IV預言 (岩波文庫)


 今年読む予定だったものとして一番の大物、と年初から言っていた旧約聖書ですが、どうにか読み終えました。さすがに難物だったものの、『ローマ帝国衰亡史』ほどではなかったので、まぁどうにか(感覚がマヒしてきたとも言う)。


 旧約聖書には大昔一回トライしてたんですよね。新共同訳のものだったんですが、なにせ字が細かいんで、けっこう頑張ったけど士師記の辺りで力尽きてたのでした。数年越しのリベンジマッチに成功した次第。いやしかし、文語訳なせいもあって、疲れました。


 創世記出エジプト記なんかも読み返してみるといろいろ発見があって面白かったわけですが、その後のダビデ、ソロモンの逸話なんかにも気になるところが多く。

 そして何よりすごかったのはやはり「ヨブ記」でした。これはもう、読んでいくうちに自然と背筋が伸びていくような、緊張感のある内容でした。事前にいろいろと聞いてはいたのですが、それにしても想像以上の、何とも言えない迫力があった。

 正しい者は報われ、律法を守らぬ者は報いを受けると言いつつ、世の中では義人がひどい目に遭い悪人がはびこっている、なんでだ? ……というのは疑問として当然起こるわけですが、そこに真っ向から挑むヨブと神とのやりとりに、さすがに色々と考えさせられました

 構成が上手いですよね。冒頭で神様自身に、ヨブが極めて善良な義人であることを保証させているわけで、だからヨブに詰め寄る友人たちの「ひどい目に遭ってるなら何か悪い事したんだろ、気づいてないだけで」という、ある意味意地の悪い指摘が実際には的外れである事が読者には分かってるわけですよね。だからこそヨブの苦悩を読者も共有できるようになっている。で、その苛立ちが最高潮に達したところで、ついに神様と対話することになるのでした。

 その返答も実に奮っていて、圧倒されつつ読んだわけですが……。こういう理解で正しいのかどうか分かりませんけれども、要するに善人でなければ救われないけれども、だからといって善人だから必ず救わなければならない義務は神様には無いわけですね。神様に義務の履行を迫れる存在なんて存在しない。そして、“だからこそ必死に祈って努めなければならない”、と。

 個人的に、親鸞の「善人なおもちて往生をとぐ、いわんや悪人をや」を思い出していました。自分は善行を行っているから間違いなく救われる、という慢心こそが信仰にとっては一番のボトルネックで、だからどれほど善に努めても救われるという保証がないこと、保証がないからこそ必死に祈り続けることが重要なのかな、という理解です。

 まぁでも、ヨブ記はもう一度、現代語訳ででも読み直してみたいなとも思いました。それだけ気になる存在になりました。


 他にも、ヨナ書なんかも刺激的で面白く読みました。基本的に同じような神様賛美と、神様からの不信への糾弾が中心だったりするのですが、時たまヨナ書みたいな思わぬ変化球が来るのが面白く、油断できない本だなと。

 全般的に殺伐とした内容が続く中で、時に後世のキリスト教につながる萌芽のようなものが見えたりとか。さすがにいろいろ示唆的でした。


 そんなわけで、苦戦しましたがそれに見合った発見もあって、なかなか充実した読書だったと思います。

 それに、こいつをクリアしたことで、ようやくミルトンの『失楽園』とかダンテの『神曲』あたりにも手を出せるかなと思えたのも嬉しいところ。この辺が未読だったのもずっと引っかかってたんですよね。

 とはいえ、その前にもう少し読んでおきたいものがありまして。

[] 旧約聖書外典(上・下) 00:04  旧約聖書外典(上・下)を含むブックマーク  旧約聖書外典(上・下)のブックマークコメント


旧約聖書外典(上) (講談社文芸文庫)

旧約聖書外典(上) (講談社文芸文庫)

旧約聖書外典(下) (講談社文芸文庫)

旧約聖書外典(下) (講談社文芸文庫)


 現在続けている古典読みですが、一応、延々とこればかり続けているつもりはなくて。飽くまでも自分の実力の底上げのためであり、いずれは終了する予定です。それも、できれば早めに。

 なので何もかも読んでいられないという気持ちもあって、読む読まないの選定はけっこう考えています。

 本書についても読もうかどうしようか迷っていたのですが……結果的には、読んで大正解でした。


 西洋魔術周辺をうろうろしていると、ソロモン王の名前をわりと見かけたりするわけですが、旧約聖書の列王記を読んだだけでは、なぜそうなったのかあまりピンときませんでした。それが、本書、外典所収の「ソロモンの知恵」の方からは、のちの魔術とかそっち方面につながるような記述がチラチラ見られて、あぁなるほどとなったわけです。

 他にも、ビヒモスとレヴィアタンの名前が出てきたり、巨人の出自と性質についての言及があったりと、主に私の魔術とか怪物とかへのイカガワシイ関心にビビッと響くような記述が多くて、ああこれは読んで良かった、とw


 また、黙示録といえば新約聖書のヨハネ黙示録しか知らないわけですが、実際には「黙示文学」という1ジャンルがあるぐらい、いろんなものが残っているのですね。その辺も含めていろいろと示唆を受けました。

 そんな感じで、久しぶりに私の伝奇脳が活性化される楽しい読書でした。これは新約の外典も読まねばなるまい

[] アーサー王の死 16:04  アーサー王の死を含むブックマーク  アーサー王の死のブックマークコメント



 アーサー王伝説はもちろん気になってたわけですが、いまいちどれを読んだら良いのか判断つきかねる状態だったりしました。最近、ちくま文庫に比較的古いものが訳出されて入ってる事を知ったので手に取ってみた次第。


 まぁ、なんというか、中盤以降どちらかというとランスロットが中心の話になってたりしていろいろ意外だったわけですが。その辺も含めて発見が多々あって楽しかった読書でした。聖杯のイメージとかもね、もちろんTYPE MOONの『Fate』シリーズのイメージになるわけですけれども(笑)、その辺とはかなり違った登場の仕方をしてて、ははぁこうなのか、と思ったり。

 アーサー王に戦いを挑むローマ軍が「巨人」を軍勢に加えてて、先日読んだ『ヘーオウルフ』の巨人や『旧約聖書』のゴリアテはじめとしたペリシテ軍の巨人なども含め、キリスト教文化における巨人の意味がかなり違って見えてきたりとか。


 また、やっぱりいわゆる「騎士道」というのについて、読んでいてある種の気持ちよさは正直あるわけです。敵同士でも相手の技量の高さには必ず感服し褒めるとか。特撮ヒーローについてよくある「変身中に攻撃してはならない」というネタじゃないですが、相手が鎧を身に着けて準備万端整うのを待って「では始めよう」みたいな戦いの段取りとかね。もちろんこれは物語なわけで、現実の戦いがこのようであったかどうかは私はあまりよく知りませんが……うーん。私がTwitterなんかでたびたび言及している『ガンダムW』のトレーズ閣下のセリフ、「礼節を忘れた戦争は殺戮しか生まないのだ」というアレと合わせて、やっぱり色々考えてしまうのでした。


 そんな感じで、なんだかんだ原典に当たると様々に考えるテーマが見つかるもので、充実していたと思います。

 気になったのは本書では一部原書に対して省略があるところと……あとはおそらく原文では「ドラゴン」になってると思われるところを何故か「恐竜」って訳してあることくらいかな(笑)。よもや中世騎士道物語に「ダイナソー」なんて出て来ないよね?w

 海外翻訳ものをここ2年くらい読んでて、やはり「これ原文どうなっとるんや」と思うことはたびたびあり。どうも、いよいよもって英語くらいは読めるようにならんといかんかなーというぼんやりとした意識を持つようになったこのごろです。まぁ、語学はどうにも苦手なんで及び腰ですが。

[] 中世イタリア民間説話集 00:04  中世イタリア民間説話集を含むブックマーク  中世イタリア民間説話集のブックマークコメント





 最近出た新刊。『イル・ノヴェッリーノ』の完訳ということで、たまたま目についたので買って読んでみた。いやいや、こういう本が翻訳されて日本語で読めるというのはありがたいものです。


 今年はじめに読んだ『皇帝の閑暇』に比較的近いですかね。古今の有名人や英雄の逸話から、名も無い一般民の艶笑話までを幅広く収めた物語集。総計100話。そんなに長い話は無いので、わりとサクサク読めました。

 基本的にこういうのは、本格的に取り組むなら同系統のいろんな説話集を読み込んで、時系列に並べて変遷を調べたりするのでしょうが、私はそういうレベルには全然達していないので、まぁとりあえず中世イタリアの空気を感じるくらいの読書でしたが。それでもいろいろと楽しく読めました。自分用お勉強メモに逐次書き写し。

 この前に読んだマロリー『アーサー王の死』の序文でも気になってたんですが、アーサー王伝説中のとあるエピソードの初出がこの本だそうで……つまり、アーサー王伝説ってイギリスの話なのに、大陸側での流布の方が早かったのかしら、というような辺りはけっこう気になったり。この辺はちゃんと調べないと言い切れないところですが、とりあえず頭の片隅にピックアップしてメモしておきました。

 差しあたって深入りせず、こういう注意点を拾い集めるための古典読みです。今するべきことは深入りではなく絨毯爆撃なのだ


 他にも、アレクサンドロス大王の逸話は知られてるけど、それ以前の古代ギリシャとなるといろいろ怪しくなってたり、まぁその辺のニュアンスが面白かったです。ソクラテスがなぜかローマ人になってたり(笑)。そういうニュアンスを掴んだところで、とりあえずこの本からはいったん離脱することにします。

 さて、では次の本を。どんどん行かないといつまでたっても修業期間が終わらないからね……。

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