Amazonより 本作は就職口を求めて怪しげな仲介屋と手を組んだ娘の物語です。奇想天外から落ちて来る滋味豊かな世界を描いてきた短編集の最後の作品をご紹介します。 『あいつはのしあがっていく』 車上生活を送る正体不明の仲介屋。娘はその仲介屋の手練手管を頼って仕事を手に入れたが、雇い主は自己中心的で気まぐれな人物だった。その雇用をめぐる放漫経営ぶりに憤慨した娘は、仕事を辞めて仲介屋のもとへ戻って来る。 「俺は君をエドセル(=雇い主)のところに送り込んだ・・・・・・あの履歴書を書くには三日もかかったんだ。なぜなら俺は信じていたからだ。あいつはのしあがっていくし、あいつにくっついていれば、しっかりその…