夜になると、明日の心配が急にふくらむ――。 臨床現場でもよく聞く相談です。 人間の脳は“不安を考えることでコントロールしたい”という性質を持っています。 しかし実際には、考えるほど不安は増幅し、思考は暴走しやすくなります。 そこで役立つのが、心理療法で用いられる 「思考の先延ばし(Thought Postponement)」 というテクニックです。 ■ 心配は「やめる」より「予約」する 無理に止めようとすると、脳は逆に活性化します。 代わりに、 「明日の10時に考える」 「今は処理しない」 と“心配を扱う時間”を決めてしまう。 脳は“考えなくていい時間が決まった”と認識し、過剰なアラートが落ち…