ジュール・シュペルヴィエル[Jules Supervielle](1884-1960) ウルグアイ、モンテヴィデオ出身のフランス人作家。詩人。 生後間もなく両親と死別し、その後は祖母と伯父夫婦に育てられ、パリに移り住んだ。 神話的・幻想的世界観を詩、小説、寓話で表現し、詩集「悲しきユーモア」発表以降注目される。 代表作に詩集「万有引力(重力)」「桟橋」、小説「沖の少女(海の上の少女/海に住む少女)」「ノアの箱舟」など。
18時過ぎに喫茶店に入った。ビルの地下1階にある、初めて入る店。18時過ぎというとだいたい喫茶店は空いてくる時間なのだけど、この店はほぼ満席で、入り口に近い席が1つだけ空いていたから、そこに通された。 コーヒーと、サンドイッチやスープやサラダのセットを頼んだら、「お時間少々頂戴しますが宜しいでしょうか?」と訊かれたので、構いません、と答える。 手帳を広げて、手帳にペンを走らせる。これができるなら、別に何分待たされても構わない。昔長崎の四海樓*1で1時間半並んだ時だって、ひたすらノートにペンを走らせていたのだ。 しばらく書いていて、ふとペンが止まったときに、さっき本屋でシュペルヴィエルの『海に住…