衝撃事件の生々しい真相が、直接本人の口から語られる──。それも、記者会見ならではの特徴かもしれない。 平成7年(1995)5月22日夜、映画「ミンボーの女」を公開したばかりの伊丹十三監督が、自宅近くで3人組の暴漢から鋭利な刃物で襲撃され、重傷を負った。 翌23日、妻で女優の宮本信子が、東京・有楽町の東宝本社8階で緊急記者会見に臨んだ。 「伊丹は血まみれになって家に入ってきたのですが、家族に『落ち着け!』というほど冷静で…。救急車の中でも私がパニックにならないよう、私や家族のことを心配してくれました。私の手を握って『警察が守ってくれるから、心配するな。僕も守るから』と。警察に全てお任せしています…