仏教経典に興味を持っている人にとっては周知の事実であるが、経蔵(パーリ:Suttapiṭaka、サンスクリット:Sūtrapiṭaka)に含まれる集成の名称は、漢訳仏典では阿含*1で、パーリ仏典ではニカーヤ*2となっている。阿含はアーガマ(āgama)の音写で、サンスクリットで”伝承”(英語で”tradition”)とか”集成”(英語で"collection")を意味し、ニカーヤ(nikāya)はパーリ語で”部”(英語で”volume”)を意味しているとのことである。それでちょっと気になったのが、このような用語の違いは仏教経典の系統が分かれて伝承される中で、一体いつ頃に生じたのだろうかという疑…