「芥川龍之介全集(Kindle版 200円)より:蜘蛛の糸」 『芥川龍之介全集・378作品⇒1冊』 作者:芥川 龍之介 芥川龍之介全集・出版委員会 Amazon ⚫️ ⚫️ ⚫️ ⚫️ ⚫️ 釈迦の慈悲ではない 芥川龍之介の『蜘蛛の糸』を、釈迦の慈悲をテーマにした道徳的寓話だと読む向きは多い。 「カンダタが生前に一度だけ蜘蛛を助けたから、釈迦がその行為を覚えていて糸を垂らす」 という筋だけを見れば、確かにそう見えるかもしれない。 だが、それは「ありがちな読み」であって、芥川があえて釈迦を登場させた意味を見落としている。 これは道徳の話ではない・・・芥川が描いたのは、釈迦の姿を借りた「人間観察」…