作家。 1965年11月2日 愛知県生まれ。 愛知県立丹羽高等学校卒業。筑波大学大学院農学研究科修士課程修了。 製薬会社で農薬の研究開発に従事した後、 『直線の死角』で第18回横溝正史ミステリ大賞を受賞し作家デビュー。 自身の経歴を生かしてか、医療に関連した作品が多い。 2006年『嫌われ松子の一生』が映画、ドラマ化。 2007年3月『黒い春』がWOWOWのドラマW枠でドラマ化。 2010年9月『天使の代理人』ドラマ化。
百年法 上
死者の鼓動 (幻冬舎文庫)
嫌われ松子の一生 (上) (幻冬舎文庫)
存在しない時間の中で 70点2024年4月18日~2024年4月20日にかけて読了著者:山田宗樹発行元:角川春樹事務所 最寄り駅のエキナカの書店で購入。 あらすじ 天山大学のカピッツァ・クラブの発表会に闖入者が現れる。彼はホワイトボードに長大な数式を書き残し、忽然と姿を消した。その数式を解析したところ、この世界は別次元の世界の影であること、すなわち世界は上位の存在によって作られたものであるということが示唆されて・・・ ポジティブ・サイド 久々に論理の面白さを堪能できる作品に出会えた。物語の設定としては山本弘の『 神は沈黙せず 』に近いし、途中で起こる超常現象はどうしたってグレッグ・イーがんの『…
「嫌われ松子の一生」と続編「ゴールデンタイム」を読み終えた。 「嫌われ松子の一生」は、映画の宣伝シーンでなんとなく知っていたが、今まで読む機会がなかった。 確か、中谷美紀が主演していたような記憶がある。Wikipediaによると、映画は2006年5月に公開されている。 映画は小説と趣が違い、ファンタスティックなミュージカルシーンやコミカルなタッチで描かれているようだ。 小説は、レイプ、裏切り、殺人、シャブ、刑務所等々「これでもか!」というほど悲惨で、落ちていくさまが描写されていて、読みごたえがありつつ、このまま読んでいいのか躊躇してしまう感もあった。ラストも悲惨な結果となるのだが、ふと、作者は…
感想 100年法からさらに、身体と意識を分けて考える思考に…。 ある訳ない…と思い読みながらも、もしもあったら… と想像してしまっている自分に気づきました。面白い。 子どもの頃に自分の身体から離れてしまった意識は 子どものまま、その頃に関わってもらえなかったことや、甘えられなかったことを持ったまま 本当に子どものまま、何年もの時を過ごしていたように感じられた。 内容(「BOOK」データベースより) 体から意識を取り出す技術が確立された日本。取り出した意識を一時的に宿らせることができる人造の人体は「代体」と呼ばれ、急速に普及しつつあった。そんな中、代体を使用中に失踪した男が、無残な姿で発見される…
上 読み終わるまでの平均的な時間(6時間5分) 下 読み終えるまでの平均的な時間(6時間8分) 感想 長編の小説の面白さを感じた。 山田さんの作品を続けて読んで、世代を超えてのストーリーって壮大さを感じる。 そして、人類が不老不死を手に入れた世界の話、死という概念が無い中での人間の思考… 私たちは生まれた時から、年老いた先に死があることで、今、この年齢で何をすべきか、を考えていると思った。 これが、永遠に続く生命だと、どう思うのだろうか 生きていることへのありがたさがなくなるのだろうか 幸せであっても、小説の中にもあるような 生かされていることへの苦しみが出てくるのかも知れないと感じた。 終わ…
(上)・読み終えるまでの平均的な時間(4時間25分) (下)・読み終えるまでの平均的な時間(6時間20分) 感想 松子の一生をドキドキしながらたどりました。 とっても長いお話でしたが 読みすすめながら、主人公と一緒に松子さんに対する思いもだんだんと変化してきました。 小説なので波瀾万丈があって当たり前だけれど、そんな一生にもどこか憧れる気持ちがありました。 教員をやっていた松子が、普通の生活という言葉からかけ離れた生活を送るようになって、生活的には大きく変わってしまうことになったけれど、どんな生活をしていたとしても、松子自身が求めていたものは松子を受け止めてくれる人だったんだろうな、と思いまし…
山田宗樹 「存在しない時間の中で」山田さんの作品の中で気になるものを見つけたので読んでみました。 あるとき数物研究機構から衝撃的な数式の論文が発表され、それは謎の人物が書き残したものであった。もし正しければこの宇宙のすべては遥か上の次元にいる何者か、いわゆる「神」のような存在が設計、作成されたものであるという内容であった。当初は信じられなかったが、実験によって世界中で奇跡を起こすことに成功し世界は沸き立つ。しかし2度目の実験で10年後に今の世界は停止させるというメッセージが届く。世界は神のような存在によって本当に終わらされてしまうのか?というお話。 こちらはSF小説となります。相手が上位の存在…
山田宗樹 「きっと誰かが祈ってる」今年のGWは順調に読書が進んでいます山田さんの作品で気になるものを見つけたので読んでみました。 主人公は乳児院にて実親と暮らせない2歳までの子供たちの母親役「マザー」を担っていた。里親が決まったときの別れは辛いが限られた期間で愛情を注ぐ日々であった。あるとき自分が最初にマザーを担当した子供のことが気になり調べてみると引きとった里親が事故で亡くなり、その親が引き取ったと知る。心配になり様子を見に行くとその子が万引きしている姿を目撃する、というお話。 子供への愛情をテーマにした作品です。山田さんは「百年法」などのSF系作品が有名ですがこちらはドキュメンタリー系とな…
タイトルから感じるのとは正反対の読後感。 『人類滅亡小説』山田宗樹 空に浮かぶ雲の中に古代から存在してきた微生物。それらが変異し大量発生、周囲の酸素を吸収するようになった。その雲が自重で地面に落下。その現象が起きた地点は急激な酸欠状態になり、ほとんどの生物が死んでいくという惨状が次次と発生。だがその予測不能な事態に、人間は有効な手立てを何も見いだせないでいた。終末感が漂う時代、人々はいかに生きるのかを選び始める。普段どおりの生活を続ける者、新興宗教に救いを求める者、微かな生存に望みを託す者、いっそ鮮やかな死を望む者、そして―(Amazonより) 『百年法』で自分の読書体験の新時代を切り開いてく…
2022年4月からセミリタイア生活に入り時間が出来ましたので、蔵書の小説を読み直してます。 今回は山田宗樹「百年法」。 2012年発表作品。 百年法 上下合本版 (角川文庫) 作者:山田 宗樹 KADOKAWA Amazon 日本推理作家協会賞受賞作。 山田宗樹は1965年生まれで自分より一世代上の作家さんです。 「嫌われ松子の一生」が大ヒット作となったのでご存知の方も多いかと。 物語は先の大戦後に共和制となった日本が舞台となる西暦2048年から始まります。 そこは、戦後米国主導により導入された不老化処置によって国民は不老(事故や病気によって死には至るので不死ではない)となっている世界。 同制…
2022年4月からセミリタイア生活に入り時間が出来ましたので、蔵書の小説を読み直しております。 今回は山田宗樹「嫌われ松子の一生」。 2003年発表作品。 嫌われ松子の一生(上) (幻冬舎文庫) 作者:山田 宗樹 幻冬舎 Amazon 嫌われ松子の一生(下) (幻冬舎文庫) 作者:山田 宗樹 幻冬舎 Amazon 映画化もされ山田宗樹の名を一躍広めたヒット作である本作。 晩年に「嫌われ松子」と呼ばれ不遇の死を迎えた女性・川尻松子の運命に翻弄され続けた生涯を描く傑作長編。 物語は福岡から上京して大学生活を送る川尻笙の元を突然父親が訪れることによって幕が開きます。 笙の伯母(父親の実姉)にあたる川…
おもしろい小説を読みたい! というわけで、歴代の「本屋大賞」受賞作品とランキング作品をすべてまとめた。表紙画像クリックでAmazonへ、あらすじやレビューも確認できるのでご参考まで。 それではいってみよう! 2024年 本屋大賞『成瀬は天下を取りにいく』宮島未奈 「島崎、わたしはこの夏を西武に捧げようと思う」。幼馴染の成瀬がまた変なことを言い出した。コロナ禍に閉店を控える西武大津店に毎日通い、中継に映るというのだが……。今日も全力で我が道を突き進む成瀬あかりから、きっと誰もが目を離せない。 成瀬は天下を取りにいく 「成瀬」シリーズ作者:宮島未奈新潮社Amazon 2024年 ノミネート作品(2…
2023年の月別の読書リストを公開したいなと思いまして!基本的に読み終えた本が並んでいます。頭に(再)がついているのは、再読本です。 本のリンクをいくつか貼りましたがアマゾンで申し訳ない気持ち。 1月 なんかは読んでたけど全然記録にも記憶にもない。調子悪かったよね。 2月 『るなしい』(3)(意志強ナツ子/講談社/2023) もっと読んだんだけれど、これまた記憶にない・・・。しかし、『るなしい』不穏でおすすめです。ハラハラする。意思強ナツ子先生の作品はとてもいい。絵もすてき。 3月 『ブッダの脳: 心と脳を変え人生を変える実践的瞑想の科学』(リック ハンソン (著)、 リチャード メンディウス…
本日紹介された本 『さみしい夜にはペンを持て』古賀 史健『ギフテッド』山田宗樹『すばらしい新世界』オルダス ハクスリー 『人生ミスっても自殺しないで、旅』諸隈元『忘れられない日本人 民話を語る人たち』小野和子『解剖学者と殺人鬼』アレイナ・アーカート『不道徳教育講座』三島 由紀夫 『東京都同情塔』九段理恵『直木三十五伝』植村鞘音『東京タワー』江國香織『私とは何か:「私」から「分人」へ』平野啓一郎『めざせムショラン三つ星』黒柳桂子『薄っぺらいのに自信満々な人』榎本博明 『傷を愛せるか』宮地尚子『十字軍物語 第一巻 神がそれを望んでおられる』塩野七生『はちみつ色のユン』Jung『半藤一利と宮崎駿の腰…
読書日記 2024年2月7-13日 ・ヴィクトル・ユーゴー(豊島与志雄訳)『レ・ミゼラブル(完全版)』(後半) ・龍門諒、恵広史『BLOODY MONDAY』6-11巻 ・ダンテ・アリギエーリ(平川祐弘訳)『神曲 地獄篇』 ・ダンテ・アリギエーリ(平川祐弘訳)『神曲 煉獄篇』 ・ダンテ・アリギエーリ(平川祐弘訳)『神曲 天国篇』 ・岡野宏文、豊崎由美『百年の誤読』 ・岡野宏文、豊崎由美『百年の誤読 海外文学篇』 ・滝沢秀一『やっぱり、このゴミは収集できません~ゴミ清掃員がやばい現場で考えたこと~』 ・伊坂幸太郎『チルドレン』 ・萩原朔太郎『詩の翻訳について』 ・中島敦『山月記』 以下コメント・…
読書日記 2024年1月31日-2月6日 ・米澤穂信『真実の10メートル手前』 ・米澤穂信『王とサーカス』 ・米澤穂信『インシテミル』 ・ほったゆみ、小畑健『ヒカルの碁』13-23巻 ・ロバート・A・ハインライン(矢野徹訳)『月は無慈悲な夜の女王』 ・レイ・ブラッドベリ(伊藤典夫訳)『華氏451度』 ・ヴィクトル・ユーゴー(豊島与志雄訳)『レ・ミゼラブル(完全版)』(前半) ・龍門諒、恵広史『BLOODY MONDAY』1-5巻 以下コメント・ネタバレあり
地球の命運を左右する重大な局面を迎え、極端な挑戦にひたむきに立ち向かう人類の姿を描く、近未来的なSF作品。 この物語は、巨大シェルターとして地下深くに設けられた実験地底都市が舞台となる。滅亡の瀬戸際において人類が辿り着いた究極の選択肢、それが「ジオX計画」として知られるもので、あり得ないほど困難な状況下での生活を送ることとなる被験者たちの姿が、読者に強烈な印象を植え付ける。 「ヘルメス」は、2029年という時代背景を前提に、ある日突如として人類の運命を揺るがす小惑星の衝突が予測され、それが現実のものとなるはずだった。小惑星の脅威は確実とされたが、天変地異にも似た奇跡によって、すんでのところでそ…
皆さんは書籍を読まれるでしょうか。そもそも「書籍」というものをご存じでしょうか。 そう、あれです。木の繊維を固めたものでできていたり、01の記号の塊をコンパイルしたものであったりはしますが、あれです。おそらく共通のものがイメージできていると思います。できていない場合はあと50回ぐらいこの文章を読み直した後、100日間、毎日滝に打たれ、粉雪を200000000回熱唱してから先に進んでください。人生とはそういうものです。唐突な試練が訪れるのです。ビバ人生。 そんな書籍を一生けん命ネタバレを踏まないように細心の注意を払いながら、頑張って紹介していきます。頑張ったところでどうにもならないのは社会が示す…
STRAYDOG公演、本日初日!STRAYDOG30周年のラストを飾るのは、嫌われ松子の一生 松子の再演、、、どんな進化をしているのか、楽しみです。 →https://www.straydog.info/2023matsuko 【“STRAYDOG”30th Anniversary Produce】「嫌われ松子の一生」_______________【日程】 2023年11月29日(水)~12月3日(日)【劇場】 シアターグリーンBIG TREE THEATER 【原作】 山田宗樹『嫌われ松子の一生』(幻冬舎文庫)【脚本・演出】 森岡利行 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 【STORY】 松子の生涯…
「横溝正史ミステリ&ホラー大賞」に今年もカクヨム窓口を設置します! ●横溝正史ミステリ&ホラー大賞とは 50余年にわたり推理・探偵小説を精力的に執筆し続け、また怪奇・ホラー小説にも親和性が高い横溝正史氏の名を冠した本賞。ともに四半世紀以上の歴史を持つ「横溝正史ミステリ大賞」と「日本ホラー小説大賞」を2019年に統合し、ミステリとホラーの2大ジャンルを対象とした「横溝正史ミステリ&ホラー大賞」としてうまれかわりました。 そんな歴史と個性を備えた新人文学賞に今年もカクヨムから作品を応募できます! いずれも日本を代表する人気ミステリ作家の綾辻行人、有栖川有栖、黒川博行、辻村深月、米澤穂信の超豪華選考…
好きな小説の第3弾になります。 七人の証人 西村京太郎 作家はあまりにも有名で、十津川警部も2時間ドラマでシリーズ化 しているなど、有名です。 今回紹介させていただくのは、その十津川警部物の中で、鉄道ものとは 関係ないですが、謎の土地に十津川警部と、ある殺人事件に関連した七人 の関係者が、誘拐されて連れて来られます。 一応解決している件の殺人事件について、誘拐犯が真相を探るのが目的 ですが、けっこう引き込まれる展開でした。 ガリバー・パニック 楡周平 建設作業員の主人公は、突然異世界に飛ばされるが、そこは自分だけが 巨大化した世界でした。当然周囲から最初は怪物扱いされますが、段々 打ち解けてい…
山田宗樹さんの「存在しない時間の中で」を読みました。 存在しない時間の中で (ハルキ文庫 や 18-2) 作者:山田 宗樹 角川春樹事務所 Amazon 次女が手に入れて読んでいたけど、少し難しくて途中でやめてしまったみたい。その後「おかあさん 好きそうじゃない?」とオススメされて。 物理学の話なんかが出てくると、たしかに少し難しかった。でもストーリー展開はわかりやすいし、どうなるのかなーという興味も手伝って割とスラスラ読めた。 この世界は実は…という部分は突拍子もないような仮説ではあるものの、あり得なくもないなあと思えてくる。すごい次元の話なんだけど、具体的に語られているできごとは身近なこと…
どこへいこうか? 本の世界は広い 無事のお帰りをお祈りします。 本の彷徨い方 *時間軸、世界線は保証しかねます。 福岡 あ アーサーGARAGE たーし➡北九州市 秋月記 葉室麟➡筑前の小藩、秋月藩 悪人 吉田修一➡福岡市 あぶさん 水島新司➡ あやかしの鼓 夢野久作➡福岡市 或る「小倉日記」伝 松本清張➡北九州市 アンゴルモア 元寇合戦記 博多編 たかぎ七彦➡ アンゴルモア 元寇合戦記 博多編 12 たかぎ七彦➡承天寺(じょうてんじ)は、福岡県福岡市博多区博多駅前にある臨済宗東福寺派の寺院、博多の辻堂口(南東の出口)、 戦神 赤神諒➡ いなか、の、じけん 夢野久作➡福岡市・大浜 犬神博士 夢…