作家。 1965年11月2日 愛知県生まれ。 愛知県立丹羽高等学校卒業。筑波大学大学院農学研究科修士課程修了。 製薬会社で農薬の研究開発に従事した後、 『直線の死角』で第18回横溝正史ミステリ大賞を受賞し作家デビュー。 自身の経歴を生かしてか、医療に関連した作品が多い。 2006年『嫌われ松子の一生』が映画、ドラマ化。 2007年3月『黒い春』がWOWOWのドラマW枠でドラマ化。 2010年9月『天使の代理人』ドラマ化。
百年法 上
死者の鼓動 (幻冬舎文庫)
嫌われ松子の一生 (上) (幻冬舎文庫)
鑑定 作者:山田 宗樹 角川春樹事務所 Amazon あらすじ 精神科医・葛西幸太郎は、市長選の候補者に対する殺人未遂および放火の実行犯・犬崎理志の精神鑑定を担当していた。犯行を淡々と語る犬崎に、葛西はある違和感を抱く。精神状態が安定しすぎているのだ。犬崎の中に、本来の自我を麻痺させ、代わりに彼の精神を支配している〈なにか〉が存在するのではないか――。葛西が疑いを深める中、全国各地で不可解な動機による傷害・殺人事件が起こりはじめる……。 読後感想 上記事件の原因はエモーショナル・コントローラー(略して「エモコン」) 人間をやる気にさせる装置である 精神科医院で活用され、家庭用まで販売されている…
小惑星接近(衝突?)前の人間模様。 まだまだ百年法の印象が強い。 2029年に起きた小惑星衝突の危機。 すんでのところで衝突は免れたものの人々の恐怖は拭いきれず、シェルター用の実験地底都市が建造された。 劣悪な環境下で暮らす実験期間は10年、被験者たちには終了時に巨額の報酬が約束されている。 しかし実験終了目前、239人の被験者たちがなぜか地上に出たくないと抵抗し始めた――。 『百年法』の著者が描く、緊迫のエンターテインメント長篇! ヘルメス 作者:山田宗樹 中央公論新社 Amazon ランキング参加中ライフスタイル ↓設定はこれもちょっと似てる。 滅びの前のシャングリラ (中公文庫) 作者:…
存在しない時間の中で 70点2024年4月18日~2024年4月20日にかけて読了著者:山田宗樹発行元:角川春樹事務所 最寄り駅のエキナカの書店で購入。 あらすじ 天山大学のカピッツァ・クラブの発表会に闖入者が現れる。彼はホワイトボードに長大な数式を書き残し、忽然と姿を消した。その数式を解析したところ、この世界は別次元の世界の影であること、すなわち世界は上位の存在によって作られたものであるということが示唆されて・・・ ポジティブ・サイド 久々に論理の面白さを堪能できる作品に出会えた。物語の設定としては山本弘の『 神は沈黙せず 』に近いし、途中で起こる超常現象はどうしたってグレッグ・イーがんの『…
「嫌われ松子の一生」と続編「ゴールデンタイム」を読み終えた。 「嫌われ松子の一生」は、映画の宣伝シーンでなんとなく知っていたが、今まで読む機会がなかった。 確か、中谷美紀が主演していたような記憶がある。Wikipediaによると、映画は2006年5月に公開されている。 映画は小説と趣が違い、ファンタスティックなミュージカルシーンやコミカルなタッチで描かれているようだ。 小説は、レイプ、裏切り、殺人、シャブ、刑務所等々「これでもか!」というほど悲惨で、落ちていくさまが描写されていて、読みごたえがありつつ、このまま読んでいいのか躊躇してしまう感もあった。ラストも悲惨な結果となるのだが、ふと、作者は…
感想 100年法からさらに、身体と意識を分けて考える思考に…。 ある訳ない…と思い読みながらも、もしもあったら… と想像してしまっている自分に気づきました。面白い。 子どもの頃に自分の身体から離れてしまった意識は 子どものまま、その頃に関わってもらえなかったことや、甘えられなかったことを持ったまま 本当に子どものまま、何年もの時を過ごしていたように感じられた。 内容(「BOOK」データベースより) 体から意識を取り出す技術が確立された日本。取り出した意識を一時的に宿らせることができる人造の人体は「代体」と呼ばれ、急速に普及しつつあった。そんな中、代体を使用中に失踪した男が、無残な姿で発見される…
上 読み終わるまでの平均的な時間(6時間5分) 下 読み終えるまでの平均的な時間(6時間8分) 感想 長編の小説の面白さを感じた。 山田さんの作品を続けて読んで、世代を超えてのストーリーって壮大さを感じる。 そして、人類が不老不死を手に入れた世界の話、死という概念が無い中での人間の思考… 私たちは生まれた時から、年老いた先に死があることで、今、この年齢で何をすべきか、を考えていると思った。 これが、永遠に続く生命だと、どう思うのだろうか 生きていることへのありがたさがなくなるのだろうか 幸せであっても、小説の中にもあるような 生かされていることへの苦しみが出てくるのかも知れないと感じた。 終わ…
(上)・読み終えるまでの平均的な時間(4時間25分) (下)・読み終えるまでの平均的な時間(6時間20分) 感想 松子の一生をドキドキしながらたどりました。 とっても長いお話でしたが 読みすすめながら、主人公と一緒に松子さんに対する思いもだんだんと変化してきました。 小説なので波瀾万丈があって当たり前だけれど、そんな一生にもどこか憧れる気持ちがありました。 教員をやっていた松子が、普通の生活という言葉からかけ離れた生活を送るようになって、生活的には大きく変わってしまうことになったけれど、どんな生活をしていたとしても、松子自身が求めていたものは松子を受け止めてくれる人だったんだろうな、と思いまし…
山田宗樹 「存在しない時間の中で」山田さんの作品の中で気になるものを見つけたので読んでみました。 あるとき数物研究機構から衝撃的な数式の論文が発表され、それは謎の人物が書き残したものであった。もし正しければこの宇宙のすべては遥か上の次元にいる何者か、いわゆる「神」のような存在が設計、作成されたものであるという内容であった。当初は信じられなかったが、実験によって世界中で奇跡を起こすことに成功し世界は沸き立つ。しかし2度目の実験で10年後に今の世界は停止させるというメッセージが届く。世界は神のような存在によって本当に終わらされてしまうのか?というお話。 こちらはSF小説となります。相手が上位の存在…
山田宗樹 「きっと誰かが祈ってる」今年のGWは順調に読書が進んでいます山田さんの作品で気になるものを見つけたので読んでみました。 主人公は乳児院にて実親と暮らせない2歳までの子供たちの母親役「マザー」を担っていた。里親が決まったときの別れは辛いが限られた期間で愛情を注ぐ日々であった。あるとき自分が最初にマザーを担当した子供のことが気になり調べてみると引きとった里親が事故で亡くなり、その親が引き取ったと知る。心配になり様子を見に行くとその子が万引きしている姿を目撃する、というお話。 子供への愛情をテーマにした作品です。山田さんは「百年法」などのSF系作品が有名ですがこちらはドキュメンタリー系とな…
タイトルから感じるのとは正反対の読後感。 『人類滅亡小説』山田宗樹 空に浮かぶ雲の中に古代から存在してきた微生物。それらが変異し大量発生、周囲の酸素を吸収するようになった。その雲が自重で地面に落下。その現象が起きた地点は急激な酸欠状態になり、ほとんどの生物が死んでいくという惨状が次次と発生。だがその予測不能な事態に、人間は有効な手立てを何も見いだせないでいた。終末感が漂う時代、人々はいかに生きるのかを選び始める。普段どおりの生活を続ける者、新興宗教に救いを求める者、微かな生存に望みを託す者、いっそ鮮やかな死を望む者、そして―(Amazonより) 『百年法』で自分の読書体験の新時代を切り開いてく…