封切り二日目。 席数112の【SCREEN8】の入りは七割ほど。 幸せの絶頂で突然、相方が身を翻すように姿を消す。残された片方は戸惑い、しかし行方を追う過程で彼女(または彼の)思わぬ過去が浮かび上がる。 直近ではやや手垢の付いた筋立て。ただ「思いもよらぬ過去」をどう設定するかで、まだまだ魅せることができる作品に仕立てられると思い知らされた一本。 勿論、それには主役の『杉咲花』の演技も大きく影響しているのだが。 忽然と姿を消したのは『川辺市子(杉咲花)』。三年の同棲のすえ『長谷川義則(若葉竜也)』がプロポーズをした翌日のこと。 その時は涙を流すほど喜んでいたのに、と翌日は誂えた浴衣を着て(約束で…