戦前の国立中央図書館の名称。
組織としては1897年(明治30)に旧東京図書館(現東京芸術大学内)の施設を用いて設立された。
1906年(明治39) に明治政府により新しい建物が創建された。
この建物は、その後1929年(昭和04)に増築をされ、戦後は国立図書館として、 更に国立国会図書館支部上野図書館として運営をされる。
現在は国立国会図書館国際子ども図書館となり、児童書の専門図書館になっている。
平成30年丸善京都本店で、岩田真美・桐原健真編『カミとホトケの幕末維新:交錯する宗教世界』 (法藏館、平成30年11月)の刊行記念講座が開催された。私は、そのうち引野亨輔・碧海寿広両先生の「本屋と仏像の明治」を拝聴。引野先生は、「皆さん、中公新書『仏像と日本人』を出された碧海先生目当てでしょうが~」と謙遜しておられた。いやいや、私は引野先生の発表も目当てでした。特に印象深かったのは、西洋流印刷術が明治20年代には一般的になっていたという通説に対して、東京と京都で出版された仏書について活版と木版の数量分析による比較を行い、京都ではそうではなかったことを明らかにしたことであった。 この数量分析は前…
近代書誌懇話会編著『帝国図書館コレクション案内:請求記号から見た蔵書構成』(近代出版研究所、令和5年12月)を御恵投いただきました。ありがとうございます。 「本書の意義」によれば、「本書は現在、国会図書館(以下、NDL)が所蔵する本(国会本)の請求記号から、その本の来歴を明らかにする便覧」である。ややマニアックな内容で、門外漢にはよく分からない部分もあった。しかし、「腰掛け司書」ならざる志ある司書の皆様は、取りあえず買っておきましょう。ネットで注文できるが、多分公費対応はしてないので国会図書館(納本されるだろう)を除き、図書館では見られないと思われる。→注文は、皓星社の「帝国図書館コレクション…
夢見る帝国図書館:中島京子著のレビューです。 夢見る帝国図書館 作者:京子, 中島 発売日: 2019/05/15 メディア: 単行本 図書館の歴史を辿りながら、思い切り本の世界に浸ろう! なんだろう、読んでいることの幸福感を何度も感じさせてもらえた心地の良い一冊であったなぁ。多分そうさせたのは、この本はどこのページに居ても、図書館や本にまつわる興味深い話がいっぱいで、そうした話を知ることの楽しさを、特に本を愛する人々に存分に感じさせてくれる作品であると思うのです。 遠い昔から今の時代へ。まるで時間旅行をして来たような、そう、この本自体が「夢見る」といった読後感がありました。 本書は図書館の歴…