最近,東京外国語大学名誉教授で東洋史学者の岡田英弘氏が亡くなった(2017年5月)。彼の本は何冊か読んでいる。最初に講談社現代新書の「中国文明の歴史」をざっと読んで感銘を受けたので、同じ話題、特に中国人にとっての漢字/漢文の役割について敷衍した解説を読みたくて、市立図書館から岡田英弘著作集IV「シナ(チャイナ)とは何か」を借りてきて読んだ。 その第IV部「漢字とは何か」はとてもおもしろかった。1986年、私が中国を訪問して西安の碑林を案内されたときの記憶とよく合致している。碑林には古代からの中国の石碑が収納されている。読もうと思えば何とか意味がつかめそうだが、念のために案内してくれた中国人院生…