歴史学者。東京外国語大学名誉教授。 専攻は中国史、満州史、モンゴル史、日本古代史。宮脇淳子は弟子にして妻。 著書に『倭国』『倭国の時代』『チンギス・ハーン』『世界史の誕生』などがある。 1931年(昭和6年)1月24日、東京生まれ。 1953年(昭和28年)、東京大学文学部卒。 1957年(昭和32年)、日本学士院賞受賞。 2017年(平成29年)5月25日、死去。
『日本人が教えたい新しい世界史<新装版>』(宮脇淳子,徳間書店,2020年3月31日電子書籍版発行)を読了。 ランキング参加中読書 それでは歴史が成立するためには,どういう条件が必要なのでしょうか。直進する時間の概念と,時間を管理する技術と,文字で記録をつくる技術と,物事の因果関係の思想の四つの条件が必要だというのが,私の歴史の先生であり夫でもある岡田英弘が言い出した説です。(13 ページ) 歴史が成立する 4 つの条件を覚えておこう。 直進する時間の概念 時間を管理する技術 文字で記録をつくる技術 物事の因果関係の思想 アメリカ国籍を取ればアメリカ人になれるわけですが,そのときには何が大事な…
昨年末、日本語ペラペラのあるチャイニーズの知り合いが我が家に来た際、私の本棚にある下記の本をみて「ボクもこの本持っています」と教えてくれました。 中国文明の歴史 (講談社現代新書) 作者:岡田英弘 講談社 Amazon そして「今、この本を中国に持っていくと検閲で没収されます。僕はこれまで中国について実はよくわからないところがあったんですけど、この本を読んで中国のことがいろいろと理解できました」と教えてくれました。 漢字や易の背景くらい知っておかなくちゃな~という軽い気持ちで買った本が、そんな(おそらく中国にとって都合の悪い)重大な内容だったのかと驚き、慌てて著者・岡田英弘先生のその他の本を読…
概要 構成 ポイント 感想 概要 タイトル:世界史の誕生 著者:岡田英弘 異なる概念から成り立っている「西洋史」と「東洋史」、地域も離れている2つの歴史はモンゴル帝国によるユーラシア大陸での活動によってつながりを持つことができた。 モンゴル帝国の活動から2つの世界がつながる世界史を解説しています。 歴史は文化であり、それを産み出した文明がおおう地域によって、通用範囲が決まるものである。 歴史を持つ二大文明である地中海=西ヨーロッパ文明と中国文明は、それぞれ前五世紀と前二世紀末に固有の歴史を産み出してから、十二世紀に至るまで、それぞれの地域でそれぞれの枠組みを持った歴史を書き続けていた。 それが…
最近,東京外国語大学名誉教授で東洋史学者の岡田英弘氏が亡くなった(2017年5月)。彼の本は何冊か読んでいる。最初に講談社現代新書の「中国文明の歴史」をざっと読んで感銘を受けたので、同じ話題、特に中国人にとっての漢字/漢文の役割について敷衍した解説を読みたくて、市立図書館から岡田英弘著作集IV「シナ(チャイナ)とは何か」を借りてきて読んだ。 その第IV部「漢字とは何か」はとてもおもしろかった。1986年、私が中国を訪問して西安の碑林を案内されたときの記憶とよく合致している。碑林には古代からの中国の石碑が収納されている。読もうと思えば何とか意味がつかめそうだが、念のために案内してくれた中国人院生…