救急車が 目の前 通ったかとおもうと また ゆく… いのちを 乗せているのか これから いのちへと 向かうところなのか いつも どきどきする 胸が つまる おもわず その場に 立ちすくむ 助けてもらって 助けてあげて… と 祈る 月が 黒くて大きな鱗のような 幽玄な雲に すっぽりと 覆われていた その雲の鱗の隙間から 光が洩れる やさしい光 なのに ちょっぴり こわい光だ 立ち止まって 見上げてたら 怪しげに 警戒したように こちらを睨む人の視線が… いけない いけない と 歩きつつ 場所を移動して 平然と ちらり ちらりと 月を眺めて 歩いてきたのだった… うつくしい月! 孤独な日常 会話も…