平安時代の清少納言『枕の草子』、鎌倉時代初期の鴨長明『方丈記』と並び、中世古典の日本三大随筆と評価され、「つれづれなるままに、ひぐらし硯にむけかひて」という有名な序文で始まる吉田兼好の『徒然草』の第百十七段一節である。 この言葉を知ったのは、2004年・平成16の12月13日付読売新聞夕刊のコラム「よみうり寸評」である。 寸評子は、有益な人を後に「医者、智者、福者」などというのは、この『徒然草』が起こりであると解説している。確かに自分の人生をふりかえっても「よき友」に助けられたことは二度や三度ではない。三人の「よき友」に恵まれれば、人生は安泰である。 吉田兼好は鎌倉時代の終わりごろ、1283年…