●歌は、「君がため山田の沢にゑぐ摘むと雪消の水に裳の裾濡れぬ」である。 加古郡稲美町 稲美中央公園万葉の森(26)万葉陶板歌碑(作者未詳) ●万葉陶板歌碑は、加古郡稲美町 稲美中央公園万葉の森(26)にある。 ●歌をみていこう。 ◆為君 山田之澤 恵具採跡 雪消之水尓 裳裾所沾 (作者未詳 巻十 一八三九) ≪書き下し≫君がため山田の沢(さは)にゑぐ摘(つ)むと雪消(ゆきげ)の水に裳(も)の裾(すそ)濡れぬ (訳)あの方のために、山田のほとりの沢でえぐを摘もうとして、雪解け水に裳の裾を濡らしてしまった。(伊藤 博 著 「万葉集 二」 角川ソフィア文庫より) (注)えぐ:〘名〙 (あくが強い意の…