先日読んだ北森鴻の連作短編「触身仏 蓮丈那智フィールドファイルII 」の中の一篇「御蔭講」。御蔭講というのは、伊勢神宮に参詣することを目的とした講で、講員が一定期間講金を積み立てて参詣の費用を捻出し、くじを引いて、1人または2人が伊勢参りに行くというもの。 互助組織としての「講」はいまも「頼母子講」とか「無尽」という名前で、月1回程度特定のメンバーで集まって食事や飲み会をし、その時に食事代とは別にお金を出しあい積立金を集めるシステムが残っています。 村落で労働を提供してかやぶき屋根の葺き替えとかをやるのも萱講と呼ばれています。このお話しは、「御蔭講」といってもお伊勢参りをする講の伝承ではない…