てくてく 太陽が空高く昇るにつれて、その熱は物理的な暴力のように彼に襲ってきた。 空気は加熱し、息を吸いこむとのどと肺が焼けるようだった。 読み進めている『アラルエン戦記』の7巻からの抜粋です。アラルエン戦記(全14巻セット)作者:ジョン・フラナガン岩崎書店Amazon 主人公のウィルが、手放してしまった愛馬の行方を追って砂漠を彷徨う場面。目指す場所から大きく逸れた場所で彷徨うウィル。 彼が生き残ることも知ってるし、愛馬タグも彼の元へいずれ戻ることも知っている。 (ここより時が進んだ地点が、5〜6巻にて既に描かれている) そもそもこれはお話の世界。 それでも私は、彼の味わう暑さと渇きの苦痛に心…