呪術とは本来意味のないことに注意を向けさせて、あたかも意味があるような気持ちにさせる、という面があるような気がする。 例えば、文字には、文字自体には意味がない。だがある文字が、文字自体、あるいは呪文自体が意味を持つ、と思ってみると、なんだかたいそうなことを言っている感じがする。 この感じが、いわゆる「神秘主義」といわれるものの持つ雰囲気につながるような気がする。 だが、この神秘「主義」、という言葉にも要注意だ。主義は自身が主義を主張するために無理やりになんでも「主義」にとりこもう、という傾向を持ちがちだからだ。 主義は必要であるから主義となる、という受け身の姿勢が大切であるだろう。また、人に自…