小野正嗣さんが、最後となる担当の日曜美術館で河井寛次郎記念館を訪れていました。小野さんが美を語る姿勢はとても好きだったので少し寂しさを覚えます。番組最後に食事をおいしそうにいただくお姿なのが美術に対する氏の考え方を表しているのではないかと思ったし、もしかしたら、最後のこの河井寛次郎記念館を訪れるという企画も、氏の要望で実現したのではないかと思うのです。かつて氏は、「芸術は歓待の場所を作れるもの、それを与えることができるものと、信じている。」と語っておられ、まさに、今回の河井記念館は、寛次郎がそのことを具現化した空間であり、住居兼制作場所そしてギャラリーであり来訪者を歓待し時には励ましの場所でも…