解説 市川慎一 いずれの文もフランスのアシェット社が刊行した旅行専門誌『世界周遊』(La Tour du Monde 1860年創刊)に掲載されたものである。 18世紀の中頃から、自らは外地に出られない人たちも、宣教師の報告や航海士の紀行文を紐解けば、地上には、ヨーロッパの古い文明とは無縁の新しい世界があることを知ることがようやく可能になってきたのである。 19世紀に入ると、蒸気船の出現とも相まって、フランスは空前の海外旅行の時代を迎えることになる。 一 モージュ「日仏修好通商条約全権団随行員の日本観」について 日本の地図では「宗谷海峡」の名で親しまれている海峡は、国際的にはむしろ「ラ・ペルー…