吉田町から牧之原市にかけて移動中に昼食の時間になった。電話連絡のために車を停めたのは、古びたショッピングセンター。昔でいう「相良」のあたりらしい。 広大な駐車場と、潰れた大型店舗の間には、手入れがされていないヤシの木や棕櫚。ちょっとだけプレミアム方向に寄せた感じのスーパーマーケットと、図書館を兼ねた公民館みたいな公共施設、それに百円ショップなどが点在している。車も人も少なく、なぜかコインランドリーは2店舗もある。海が近いせいか、どの建物も色褪せ、錆で汚れている。100円ショップの「セリア」でさえ、廃墟みたいな色合いになっていた。 わたしたちが光の速さで進めないなら 作者:キム チョヨプ 早川書…