中央銀行が物価上昇率をある一定の範囲におさめることを宣言しコミットする事。人々の期待インフレへの働きかけを狙っている。
政府が中央銀行に政策目標として物価目標を与え、中央銀行がその目標を実現すべく努力するという政策。物価目標としては通常1〜3%、2〜5%程度の数値が与えられる。政府と中央銀行が目標について合意し、中央銀行が自発的に行なう性善説スタイルのもの、政府が中央銀行に責任として物価目標を与え、実現できない場合は総裁の責任問題として総裁更迭を行うという性悪説スタイルのもの、その中間で、中央銀行が与えられた目標実現に最善を尽くし、達成できなかった場合も国会などで説明のチャンスを与えるというものなど、実際上の制度にはいくつかの種類がある。
高いインフレ率を低く抑える目的で導入され、効果をあげた実績はカナダ、イギリス、ニュージーランドなど海外中央銀行で過去にある。
逆に、不況が長引く2000年前後の日本では、インフレ率を引き上げる手段としての実効性を議論したものの、手段がなく金融政策では達成できないとして断念した。しかし、米国では2012年1月にFRB(米連邦準備制度理事会)が同様の目的で、個人消費支出(PCE)価格指数で2%を長期的な目標とするとした。
インフレ・ターゲット
インフレターゲット