今回ご紹介するのは、津村記久子『ウエストウイング』 です。 津村記久子の物語は、就職氷河期世代真っ盛りといった風の全体的に未来の見えないどんよりした気怠さ全開の雰囲気なのに、独特のユーモアとシニカルさにニヤリとさせられ、何故か読み終わると、「明日もまあがんばろうかなあ」なんて励まされてしまう、という不思議な魅力があります。 本書もそういったお話です。 年齢も性別もバラバラの3人が一つの場所を共有しながらすれ違い、思わぬ災厄にあったり、知らず助け合ったり、面白い小説でした。 それでは、あらすじと感想を書いていきます。 あらすじ おすすめポイント お互いの顔も知らぬまま始まる関係 日常に突然訪れる…