第4章:静けさに響く記憶~ タムタラの墓所 ~ タムタラの墓所内部へと踏み込む。このあたりだけ、地上から差し込む光がわずかに床を照らしている。頭上には、大木の根らしきものが行き場を失い、宙に浮かんでいた。 それにしても……。こんなに広い空洞だったっけ?思った以上の広さに、正直圧倒されている。 駆け出しの冒険者だった頃は無我夢中で走り回っていたせいか、景色なんて目に入っていなかったのだろう。……昔の記憶なんて、当てにならないものだ。 これは一体何だろう? 東屋のようにも見えるし、祈りを捧げる場所にも思える。 死者に、何を願うというのだろう。──ただ、安らかに眠っていてほしいだけなのに。 ここで魔…