第2章:英雄じゃない、ただの旅人~ チョコボのいる風景 ~ グリダニアの街から出て、すぐに足を止めた。 冒険者として始めたばかりの頃、この辺で巨木の魔物に殺されかけたことを思い出した。 新米冒険者あるあるらしいが、あの頃は怖いもの知らずだったな。 ───俺が臆病になったのは、長生きしてこの世界をもっと知りたいと思ったから。 思いにふけってると相棒が小さく「クエッ」と鳴きながら、クチバシで俺の頭をぐいっと軽く押してきた。 あぁ、そろそろ旅立とうか。 頭をなでると相棒──アスティは嬉しげに目を細める。 今まで大きな戦場で何度も怪我を負わせてしまったな。 今後はのんびり気ままな旅だ。 危険は回避して…