人の手が生み出した美しい田園地帯 イタリア北部トスカーナのオルチャ渓谷。オルチャ川の流域に田園地帯が広がる丘陵地帯である。今では一面の小麦畑でイタリア一の穀倉地帯であるが、実は人の手が加わるまではこの地は不毛の大地だったという。 www.youtube.com 畑の中に棒のようなものが見えるが、これはイトスギだという。これはオルチャ渓谷を象徴する風景で、根を地中深く伸ばすイトスギは農道の補強や傾斜地の土止めなどに植えられ、畑の境界を示す目印でもあったという。 人の手が加わる前のこの地の様子を示すのが、渓谷の中に部分的に残っている白い地面である。これは白く細かい粘土の土壌で水はけが悪く、作物が容…