しょっちゅう目の前を通っていれば「あ、突然無くなってるやん」と気付くのだが、たまにしか目にしていないと、やっぱり「あ、突然無くなってるやん」と気付く。「無くなった」と気付くということは、「有った」状態を認識している。認識するという状態を経過していなければ、はなからそこには何も存在していなかったことになる。 こちらの喫茶店への認識はあった。認識どころか、それは強い存在感で。いかにも「吸える喫茶店」たる風情がビュウビュウ吹きまくっていた。「入りてぇなぁ」よしんば「入って吸いてぇなぁ」といつも思ってはいたのだが、灯りは点っているのに無人だったり、営業していそうなのに扉が施錠されていたり。で、いつもフ…