『ガラスの海を渡る舟』(寺地はるな・著) 主人公は、祖父のガラス工房を引き継いだ道と羽衣子の兄妹二人。 その10年間を、それぞれの視点で描かれた連作短編集。 両親は2人が子供の頃に別れていて、兄の道は人とのコミュニケーションが苦手だ。 道の普通の人とは違う言動を、何かと疎ましく思っていた父。それに対し道をずっとかばってきた母。 妹の羽衣子も、自分は普通に何でも出来ても当たり前と、親から褒められたことがないと感じ、兄のことがずっと嫌いだった。妹にいつも反発されていた道も妹のことが苦手だ。 そんな二人が祖父亡き後に、思いがけず力を合わせて、ガラス工房を立て直さなければならなくなる。 そのガラス工房…