”はさんで固定する”が、そのタイトル。「なんのこと?」と訝るのは当然かと。 世に「ロックバランシング(ストーンバランシング)」との技術、いや、一種のアートがあると言う。 石を絶妙のバランスで積んで組み上げる、一過性のもの。 またNHKの番組でもう二十年に渡り放送されている〔ピタゴラスイッチ〕の中に登場する「ピタゴラ装置」。 本展を観ながら、その二つを想起する。 それをアーチストは二次元平面で表現する。挟んで固定して。 何とも絶妙のバランスが心地良く、一方で危うさをも内包する。 会期は~8月26日(土)まで。
二十歳という最年少で「第25回写真 1_WALL グランプリ」を受賞した『岡﨑ひなた』の個展。 タイトルは”空蝉ミ種子万里ヲ見タ。”とされている。 題材は彼女が生まれ育った人口1,942人の和歌山県の小さな村。 海の幸や山の幸に恵まれ独特の風習が今でも息づく。 しかし、過疎化や都市化の波はいやがおうにも浸食し、そうした暮らしは早晩消えて行くのだろう。 彼女の写真は村のイマをこれから後の世代に残す試みでもある。 会期は~6月24日(土)まで。
”第25回グラフィック「1_WALL」グランプリ受賞者個展”とは言え、展示されているのは壁に投影される複数の映像と、やはり壁に取り付けられた幾つかの小さなオブジェ様の物体。 本展のテーマは「ひとり空間」とのことで内容は何れもそれを確かに感じさせるもの。 館内の照明は落とされ薄暗い空間も壁の物体に近づき目を凝らせば、その意図がとりわけ明瞭に。 10㎝四方ほどの小さな部屋で中には生活者の痕跡。 映像も併用され中に住まう人のシチュエーションと感情を慮る。 会期は~5月13日(土)まで。
何とも意味不明のタイトル。 展覧会のポスターも縁だけがあしらわれ、ほぼほぼ空白の表現。 中に入れば薄暗く、中央にはスペースを二つに区切る一面の壁。 そこにはポスター宜しく、人一人が潜り抜けられる穴が穿たれ、中に入れば動画が流され、良く判らぬ複数のオブジェも。 天上からは頑丈なロープが吊り下がり、壁の中央部にはドラムペダルが取り付けられている。 首を傾げていると、事務室から作者と思しき男性が現れ、件のロープにぶら下がり「ターザン」のように勢いを付け壁のペダルに足を蹴り込む。 度毎にどすん、どすんと音がする、なんとゆ~パフォーマンス!! 終われば身を翻し、姿を消す。 おそらく室内のモニターで客が入…
この時期恒例のチャリティー企画も、今年は例年とは異なり「シークレットオークション」。 要は全て一点モノなので、入札してくれ、と。 量産品且つ、一万円くらいまでの値付けであれば、良い作品なら買う気満々だったのだが、このシステムでは最早手は出ない。 ファンはとんでもない値付けをするからね。 とは言え二会場の計188点を総覧すると、そもそものフォルムが影響するせいか、多くの作品は至ってフツ~の「猫}。 『宇野亞喜良』や『山本タカト』でさえ、そうなんだから。 で、あれば、『時吉あきな』のような正面から真正な猫を描いた作品が好ましい気もするが。 会期は~1月21日(土)まで。
「明日天国を離れる ― I leave heaven tomorrow」が実際の本展のタイトル。 一見、二人展のようにも取れるが、実際は、一人が実在で、もう一人は架空の人物との認識で宜しいか。 なんとなれば”第24回グラフィック「1_WALL」グランプリ受賞者個展”、同展は個人での応募とのシバリがあるハズなので。 一種のギミックも、入り口脇には佐川梢恵:滞在森野真琴:不在等の表示もあり(実際は同一人物なので、同時に滞在は物理的に不可能なのだが・・・・)。 周囲の壁にはぐるりとイラストが並べられ、奥のスペースには布団が敷かれている、 で、よくみると、其処にはご本人が寝ておられBGMとして流れてい…
計五名の作品が展示されグランプリは『岡崎ひなた』の〔水面にカゲロウ〕に決定済で、この選択には、かなり頷いてしまう。 今回は一つの映像作品を含めて、作者にとって身近な被写体を扱ったモノが多い印象。 その中でも、消え行く風俗にスポットを当てた彼女の作品に共感を覚えるのは、自身も幼い頃に似たような情景を目にしていたことが背景に有るかも。 なにせ田舎育ちなものだから、自分達が生きる為に、海産物や鶏、動物の死はかなり身近だった記憶。 そうしたものが、数十年の時を経て眼前に提示されると、やはり感情が揺さぶられてしまう。 もう一つ、おそらく「LGBTQ+」を扱ったと思われる『本吉映理』の〔is becomi…
計五名の作品が並び、グランプリは既に『趙文欣』の〔Void Space | 真空空間〕に決定している。 {グラフィック}とは書かれているものの、作品自体はブラウン管上に投影されたインスタレーションに近い見え方。 それを含めて何れもが、個人的にはピンと来るものは無く。 まぁ、こんあ時もあるよね。 会期は~7月23日(土)まで。
”第23回写真「1_WALL」グランプリ受賞者個展”。 タイトルは「Wonderful Circuit」。 チベットでの写真法要の写真そしておそらく本人の恋人であろう女性の僧侶の写真そうした数々が壁を埋め尽くす。 夫々が単独であれば異なる感慨、例えば喪失感等を覚えるのだろうが、ここでは幾つもの感情がないまぜになってしまう。 逆に本人のプロフィールや形作るバックボーンに想いを馳せてしまう。 会期は~6月25日(土)まで。
”第23回グラフィック「1_WALL」グランプリ受賞者個展”と書かれている。 その割には館内を埋め尽くすのはほぼほぼ立体なのだが・・・・。 それも人に似せ、(おそらく)綿を詰め込んだ、人形ともオブジェとも付かぬ、何とも怪しげなモノ。 それらの物体は、基本触っても可で、作者による「壊れても問題ありません」との書き付けもあり。 中には「テルミン」を組み込んだものもあり、係員さんにお願いすれれば、実際に演奏?することも可能。 会期は~5月21日(土)まで。
東京丸の内のアートセンターBUGで千賀健史個展「まず、自分でやってみる。」が開かれている(4月14日まで)。アートセンターBUGは以前有楽町にあったガーディアン・ガーデンを継承するアートスペースだ。ガーディアン・ガーデンはリクルートが管理するギャラリーだった。それを閉鎖して新しく東京駅八重洲南口に建つグラントウキョウサウスタワーの1階に移転してアートセンターBUGとしてオープンした。 JR東京駅八重洲南口から徒歩3分という極めて便利な場所、アートスペースBUGはカフェが併設されていておしゃれな空間になっている。ギャラリー空間もそこそこ広く天井も高い。ただ必要以上とも思える天井高が必ずしもギャラ…
薔薇の革命 少女革命ウテナ パロディ競作集 カレーのお姫様/森永みるく薔薇の花嫁の秘密/むっちりむうにい妄想の果て/孫御飯ガーディアン・ガーデン/綾野貴一西園寺とチュチェとの闘い/妖麗羅生きてこそ。/大谷新LOST COMPLEX/牧瀬蓮バラの花嫁たち♥/内村かなめ青は遠い色/綾瀬ななみチュチュチュのCHU♥/猫島礼永遠の螺旋/時流亜希羅記憶の封印・他/夏野すいか燃える!お兄ちゃんDINAMITE/林屋志弦笑顔の行方/貴沙羅ゆう根室記念日/杉浦た美春宵の虚/谷山彰彼らをひやせ・他/M・キャベツDe memoire de roses《薔薇の記憶》/鮎太屋志那子 少女革命ウテナ スタッフ広場長谷川…
これまで、アートスペースのハシゴと言えば、銀座が多かったのですが、これからは東京駅のしかも八重洲口に行くことも増えそう!というお話です。 www.ma-naru.com 東京駅といえば、ステーションギャラリー、KITTEに入っているインターメディアテク、三菱一号館、など丸の内側がオシャレだし、洗練されているし、良いアートスペースや博物館があるイメージだったのですが、八重洲口も今、再開発が進んで少しずつ景色が変わってきましたね!2022年に設置された吉岡徳仁さんのパブリックアートも、印象的です。 八重洲口と言えば、旧ブリヂストン美術館、アーティゾン美術館は外せません。 それこそ、東京駅から徒歩圏…
「クロニクル」のことを思い出し、力を手に入れてあの子たちはただ遊ぶのに使っていたが、他に利用していく発想もあったよな。もしクリエイターだったら何をするだろうな。 昼、実家。 戻り際にまた土砂降りになり、上と下と帽子を装着し完全装備で漕ぎだしたが会社に着く前にやんでしまう。 鹿島槍から帰って来たMさんとLINEでやりとりしていて、今回は最後まで楽しく帰ってきたと報告してくれて、そのこと自体もよかったが、報告してくれたことも嬉しくてにこにこしてしまった。なんなら少し泣けた。 退社後、ガーディアン・ガーデンへ。閉めてしまうそうで最後の展示はカワイハルナさん。 色紙とかデジタルとかかと思ったら手描きだ…
#カワイハルナ #はさんで固定する #ガーディアンガーデン #リクルート #銀座東京都中央区銀座7-3-5 ヒューリック銀座7丁目ビルB1F ガーディアン・ガーデン にて、カワイハルナ展 「はさんで固定する」開催中です。作家挨拶/何かをはさんで保たれる形、はさまれて固定される形を作るため、その周りの造形を考えます。意味、目的がある行為ではなく、純粋に物体の様々な状態を再現した構成物のある風景を並べます。会期/2023.7.11 火 - 8.26 土時間/11:00a.m.-7:00p.m.休館日/日曜祝日・8月11日(金)〜16日(水)入場料/無料関連会場/BUG(東京駅八重洲南口直結のグラン…
○「第3回銀座中央ギャラリー公募展」 (銀座中央ギャラリー/ギャラリー 邱山居銀座/画廊一兎庵) (会期:2023年7月10日(月)~7月16日(日)) ○「たんざく展」(銀座新井画廊) (会期:2023年7月10日(月)~7月22日(土)) ○「小杉幸一 グラフィックパーク」(ギンザ・グラフィック・ギャラリー) (会期:2023年7月11日(火)~8月21日(月)) ○「The Second Stage at GG #54 カワイハルナ展 「はさんで固定する」」 (ガーディアン・ガーデン) (会期:2023年7月11日(火)~8月26日(土))
展覧会『第25回写真「1_WALL」グランプリ受賞者個展 岡﨑ひなた展「空蝉ミ種子万里ヲ見タ。」』を鑑賞しての備忘録ガーディアン・ガーデンにて、2023年5月23日~6月24日。 第25回写真「1_WALL」グランプリ受賞者・岡﨑ひなたによる個展。作家の生まれ育った和歌山県の小村で撮影された写真35点で構成。 冒頭は、朝未き、高台から湾に接する集落を見下ろす写真。空と山と海と、それらに挟まれた人々の住まいという、作品の舞台である作家の故郷を俯瞰する。空と大地、海と陸、夜と朝。そしてそれぞれの対(つい)の間(はざま)。それらを見晴るかす高台には墓地がある。作家は、死者の立場に身を置いて、生者の世…
○「人物画展+(プラス)」(銀座中央ギャラリー) (会期:2023年5月29日(月)~6月3日(土)) ○「コンポステーラ 星の野原Ⅱ」(GINZA SIX 5F Artglorieux) (会期:2023年5月25日(木)~5月31日(水)) ○「第25回写真「1_WALL」グランプリ受賞者個展 岡﨑ひなた展「空蝉ミ種子万里ヲ見タ。」」 (ガーディアン・ガーデン) (会期:2023年5月23日(火)~6月24日(土))