新田次郎『孤高の人』で知られる加藤文太郎は、私が尊敬する人物の一人だ。その旨は兵庫縦断スピードハイク(2019/11/05) - 自転車で山、海へ行く に書いたので、ここでは割愛する。加藤文太郎は六甲全山縦走の先駆けとなり、その後も厳冬期のアルプス縦走において、脅威的な記録を数々打ち立てた。保温性の高いダウンジャケットや、GORE-TEXをはじめとする、優れた防水性と軽量性を兼ね備えた登山用ウェアがある現代でさえも、冬のアルプスは夏と比べ物にならないほど危険で、入山を許されるのは一部の上級者に限られる。彼が熱心に山を駆けた時代は大正から昭和初期にかけてであり、その頃の装備は現代のものと比較する…