ルドルフ・フォン・グナイストはプロイセンの法学者である。 腕利きの、といっていい。その名声が一種引力として作用して、相当数の日本人が彼のもとを訪れた。教えを請い、啓蒙を得、草創間もない祖国日本の法整備を志し、意気揚々と引き揚げてゆく極東からの生徒たち。 彼らに対し、逆にグナイストの側から「教えてくれ」と声を上げたことがある。明治十三年、行政裁判法につき質問するためやってきた、村田保(たもつ)に対してだ。 (Wikipediaより、村田保) 内容は、専ら水産に関することどもにつき。 「日本の海に棲まう魚類は六百種もの夥しさに及ぶと聞いた。ドイツの六十余種に比し、実に十倍相当だ。従って漁獲量も莫大…