『私たちの世代は』/瀬尾まいこ/文藝春秋/2023年刊 『戒厳令下の新宿 菊地成孔のコロナ日記 2020.6─2023.1』/菊地成孔/草思社/2023年刊 例の感染症の流行によって、従来ありえたはずの学校生活を失った子どもたち。『私たちの世代は』は、渦中の彼らの生活とその後を描いた小説だ。現在中学二年生の甥っ子はまさにそういう「世代」。読めば自分の身に重ねて思うところがあるかもしれない、読書感想文を書きやすいかもしれない、そう思って試しに読んでみたけれど。 主人公が二人いて、時制も少し複雑だ。たとえば小学生の「私」から、就職活動をしている「私」に切り替わって、さらに小学生の「わたし」に切り替…