めずらしく夢を見て、起きたら中身をわすれていた。よくあることだ。 夢を見た、というと、寝ているあいだに脳が情報を整理しているのだ、と返されることがときどきある。するとなべてこともなく日々を送っていることになるが、いかがなものか。 じっさい、情報を整理しているのだとしたら、いそがしいのにわざわざメモリをさいて宿主に映像を見せなくてもよさそうなものだ。だからこれは脳のサービス精神というよりは、リークというか漏洩というか、そちらのほうが実態にちかいようにわたしにはおもわれる。 ゆえに、夢はそれがほとんど意味をなさない断片の連続であっても、そこから一足とびに核心に迫る可能性もないとはいえないので、目覚…