この世界は、私たちが目で見えているものがすべてなのだろうか。 ふとした瞬間にそんなことを考える。空を見上げたとき、部屋でひとり静かに過ごしているとき、ふと背中に視線を感じることがある。誰もいないのに、誰かがこちらをじっと見つめているような、不思議な感覚。 それはただの思い過ごしなのか。あるいは——本当に誰かに、何かに見られているのだろうか。 私たちは人間という立場から世界を観測している。地球上の生態系の頂点にいるとされるこの種は、知性を持ち、科学を進化させ、宇宙の果てを観測しようとしている。でも、その「観測の構図」が一方通行だという保証はあるのだろうか。 よくSFの世界では、人間のさらに上に存…