百花文庫で、志賀直哉著 『早春の旅 他二篇』を読了。 この本に収められている三つの短編は、お子さんたちとの様子を書いたものです。 直哉さんには、義理のお母さんが産んだ年の離れた兄弟たちがいます。 その兄弟のことや、祖母、実母、義母のことを、彼は沢山の作品にしています。 新潮日本文学アルバムにも 「直哉の成長過程の上で、肉親の果たした役割は実に大きく、それが志賀文学の第一の核となっている」 と書いてありました。 志賀直哉の代表作といえば『暗夜行路』や『城崎にて』ですが、 それよりも私は『清兵衛と瓢箪』『小僧の神様』など子供を主役にした物語が好きです。 それらを読むと「ああ、志賀直哉って根っから子…