市民病院 人間だれしもそうだが、竹田くんの内面には2つの人格の葛藤があった。 内面の葛藤は、ポーの「ウィリアム・ウィルソン」、スティーブンソンの「ジキル博士とハイド氏」ら作品の主題ともなった。 竹田くんの内面の葛藤は顕著で、時々、きわめて理性的で人間味あふれる竹田くんの一面が姿を現した。その人格が現れる時、竹田くんは自省的になり、周囲は竹田くんに同情し力になりたいと思った。 だが、危険を顧みず手段を選ばずに突っ走る利己的な一面が最終的には常に勝った。 手術禁止の3ヵ月後、ある報道がなされる。その内容は、竹田くんの利己的な部分が「これだ!」と叫びたくなるような内容だった。