2017年に公開されたジョーダン・ピール監督の長編デビュー作『ゲット・アウト』は、約450万ドルという低予算で製作されながら全米初登場1位を記録。最終的に全世界で2億5,500万ドル以上の興行収入を叩き出すヒット作となった。 批評的にも成功をおさめ、第90回アカデミー賞において黒人フィルムメーカーとして初となるオリジナル脚本賞を受賞。ホラー映画というジャンルが持つ社会的・政治的批評性を再定義した。 本稿では、多方面から高い評価を獲得している本作の多層的な魅力について、ホラーとしての独自性、圧倒的な映像美と象徴性を持つ催眠術の描写、巧みなユーモアの配置、そしてピール監督のその後の作品群へと連なる…