「Foundations of Modern Analysis」は、フランス数学界の碩学、ジャン・デュドネ(Jean Dieudonne)が1960年代初めに著した一冊にして、そのタイトルが明に示す通り、また序文にも記されているように、現代解析学の基礎・基盤を読者に提示するものである。 タイトルにある"foundations"を「基本」と捉えると、解析学の「入門書」と見做されるかもしれないが、まったくそうではない。 この点を序文から引いてご紹介しておくと、まず、読者としては大学の数学科を終えた大学院生、もしくは例外的に優秀な学部専門課程の学生が想定され、彼らが研究の道へ踏み出す前に習得しておく…