部分積分の学問
*リスト:リスト::数学関連
最近、東京大学出版会の基礎数学シリーズ第2巻『解析入門Ⅰ』を読み進めている。以前にも読もうとして挫折した経験がある。一度は諦めて売却したけれど、性懲りもなくまた購入して再挑戦することにした。それがもう3年近くも前になる。購入日は2021年11月14日だった。 解析学を理解したい理由として、単純に数学という学問に興味があったから、というのが理由の1つだ。線形代数学、解析学、集合論が現代数学を学ぶ上での基礎だろうか。基礎といえば数学基礎論という分野もあるけれど、数学を構築する論理に関してが主であり数を対象とした分野ではないと理解している。 物理学も好きな分野であり、そこでは線形代数や解析学が使われ…
0. この記事でやること Darboux の定理と言う名前の定理はいくつかあるらしいが、ここでいう Darboux の定理は、解析学における積分の理論で重要になる命題である。最近解析学を学んでいるのだが、Riemann 積分の理論の中では一番技巧的(?)な命題で、ちょっと理解に苦労したので、この命題の証明を自分で再構成してみることにした。以下では、 Darboux の定理と同値な命題を明らかにした上で、それを用いて定理を証明する。本質的な部分は教科書の標準的な証明 *1*2 と変わりはないが、より本質がわかりやすい形になっていると思う。 1. Riemann 積分 $f$ を閉区間 $[a, …
前回の調和級数の回 *1の続きだが、今回は Cauchy の収束判定法を用いて、級数 $ \sum_{n=1}^{\infty} \frac{1}{n^{\alpha}} $ の収束条件を考えてみよう。 $ \alpha $ が実数のとき、級数 $ \sum_{n=1}^{\infty} \frac{1}{n^{\alpha}} $ は $ \alpha > 1$ なら収束し、$ \alpha \leqq 1$ なら発散することが知られている。これは前回の調和級数を特別な場合として含む。この証明は、古典的な証明を一般化した Cauchy condensation test *2を用いたり、広義…
数学 #まとめ編 yhayato1320.hatenablog.com Index Index 解析学 微分積分学 積分法 微分方程式 常微分方程式 偏微分方程式 関数解析学 / 位相解析学 フーリエ変換 / Fourier Transform 作用素 Jensen の不等式 参考 書籍 Web サイト 解析学 微分積分学 微分積分学 ja.wikipedia.org 積分法 積分の歴史 ~ルベーグ積分までの道のり~ [2020] wakara.co.jp 微分方程式 常微分方程式 偏微分方程式 関数解析学 / 位相解析学 関数解析学 ja.wikipedia.org フーリエ変換 / Fou…
こんにちは. ぱいです. 下記 3 点の条件を同時にみたす病的な実関数 を思いついたので, 解説します. 条件 すべての点 において, は連続となる. すべての点 において, は下半連続とならない. すべての点 において, は上半連続となる.
日記 昨日、台風で部分的に休校になるものだと思いこんでいたので夜遅くまで起きてみたのだが結局台風がすぐに温帯低気圧に変わってしまったせいでそれはただの夜ふかしとなってしまった。つまるところ今日もあまりパフォーマンスが出せなかった気がする。 今日の時間割はアルゴリズム、中国語、現代社会、それと電子回路。 積分 最近全然話題に出さなくなった積分。 今日の昼休みに現代社会の課題を終わらせようと図書館に行った際に「ご冗談でしょう、ファインマンさん」という、課題とは全くの無関係な本を見つけた。 実は前に私が、図書館入ってすぐのところにある本棚に置かれている大学編入用の問題集を解いたときにこの本由来の積分…
Analysis. アナリシス
「Foundations of Modern Analysis」は、フランス数学界の碩学、ジャン・デュドネ(Jean Dieudonne)が1960年代初めに著した一冊にして、そのタイトルが明に示す通り、また序文にも記されているように、現代解析学の基礎・基盤を読者に提示するものである。 タイトルにある"foundations"を「基本」と捉えると、解析学の「入門書」と見做されるかもしれないが、まったくそうではない。 この点を序文から引いてご紹介しておくと、まず、読者としては大学の数学科を終えた大学院生、もしくは例外的に優秀な学部専門課程の学生が想定され、彼らが研究の道へ踏み出す前に習得しておく…
解析概論の無理数論を読む(その1)の続きです.the-maya-hiker.hatenablog.com解析概論は用語や記法が独特なので,この記事では一般的(と思われる)用語や記法に書き改めることにします. 切断の定義 まずは切断の定義です.数直線をどこか1点で切断して左(小さい方)と右(大きい方)に分けるイメージですね. 定義1 有理数全部の集合を次の条件1, 2に従って空でない2つの部分集合に分けるとき,そのの対を切断といい,で表す. かつ .すなわち を全体集合として, であり である. ならば . また を切断の下組, を上組という. 切断の下組だけで定義する 切断 において と は互…
数学を勉強し直したいとずっと思っていて,代数学の本を少しずつ読み進めているのですが,解析学も少しだけ並行してやっていくことにします.解析学はだいたい実数の定義から始まると思いますが,実数を厳密に定義している解析学の本は高木貞治『定本 解析概論』(isbn:9784000052092)しか持っていません.というわけで,この本の附録I 無理数論を読んでいきます(まず実数を定義したいので1章の前に附録Iを読む).大学1〜2年の内容だと思うので,高校生でも読める内容だと思います.本の記述を全て検証し,行間は全て埋めていくつもりですが間違いも多々あると思います.この記事に間違いを見つけたら是非教えて下さ…
出会いと思い出 愛することは理解すること 理解することは愛すること 認める心 信じる心 支える心 育てよう 健全育成 愛のスコール ようこそ完全愛情物語へ 安寧愛情物語より 愉快愛情物語と共に 貫く愛心愛情物語 愛好愛情物語を込めて 寄り添う愛嬌愛情物語 ときめく恋愛愛情物語 励まし合う愛 崇高な童心愛情物語 満ちる愛想愛情物語 愛の塊=自然笑顔=笑顔満開 夢体系 水産学磨きをする=農芸化学磨きをする=生命科学磨きをする=児童学磨きをする 経済学磨きをする=音楽磨きをする=商学磨きをする=幼稚園課程磨きをする 教育学磨きをする=地理学磨きをする=国際関係学磨きをする=小学校課程磨きをする 業界…
新世界政府の七不思議 新世界政府の、新世界地図には、有色人種の国が無い。 グローバル企業は、世界人口が増せば、儲けが増える。世界政府の世界人口削減計画は、不可解なところが多い。人口が増えれば、税収入も増える。EU連合は世界政府の布石が丸判り。白人国で有る、次成るは、中南米連合で有ろう。独裁国家や経済破綻の国も在るが。スペインが動けば、実現の可能性も有る。白人が多い、スペイン語が通じる。紙幣が紙屑に成った国も在る。高額紙幣が、折り紙の土産物に売られて居る。 今、ホルムズ海峡の封鎖が問題に成って居る。戦争を煽って、封鎖させたら、儲かる国が在る。産油国は、石油が売れ無いと、国庫が枯渇して、戦争等続け…
https://www.utp.or.jp/book/b302120.html 「通称ラノベ」と呼ばれるラノベ数学書 ラノベって言ってんのは数学科でイキってるやっていっけている賢しいお坊ちゃん賢い御仁だけだと思うし、そもそも数学科行ってない人が数学書読むなんて機会なかなかない*1*2ので、数学科で写経修行授業受けてる前提のラノベ判定だと思った。 例えば実数軸上の関数と言われても筆者のようなパンピーなら「んんんんんぁぁああああああああああああああああ!!!!」って悶絶する。でもそういうイチゲンサンオトコワリ門前祓い格調高いフォーマルなお言葉を目にしてもいちいち拒絶しないで「ああこういうことにゃ…
こんにちは。ひよこてんぷらです。 ブログ記事を書くのは久しぶりです。前回の更新から1年以上経っています。 今回は唐突ですが、解析学ジャンルにおけるジャーナルの評価についての分析をしてみようと思います。自分はもともとデータベース等をチェックするのは好きなので、この手のことはずっと前からやっていたことです。 ではなぜ急に?ということですが、それは我々の業績がどのようにして「評価」されているのか気になったので、これまでの所感も含めてまとめてみようと思ったからです。 現在私は研究機関に所属しています。所属機関において、まず機関から依頼があったことは「これまでの業績を研究機関専用のデータベースに登録して…
科学だけでなく、様々な分野への興味を示した人物 Wikipediaより 皆さん、こんにちは! 今回はニュートンに関する雑学をご紹介します! アイザック・ニュートンは、物理学や数学における基礎を築き、近代科学の発展に大きく貢献した人物です。 彼が導き出した万有引力の法則や運動の法則は、現在も科学の世界で重要な役割を果たしています。 ニュートンの生涯には、科学だけでなく神秘主義や哲学への関心も深く、それらにも様々なエピソードが残されています。 今回は、ニュートンの生涯、偉業、そして彼にまつわる興味深い雑学を紹介します。 ニュートンの生涯 生い立ちと初期の教育 ニュートンは1643年、イングランドの…
彗星を追うヴァンパイア 彗星を追うヴァンパイア (角川書店単行本) 作者:河野 裕 KADOKAWA Amazon 予備ノリのたくみが「ほんタメ」というYouTudeチャンネルでおすすめしてたので、読んでみた。 「ほんタメ」は流行いちいち追うの面倒だけど、いつか読まないとなあと思ってる緩い本読みにお勧め。流行ってしばらくしたときにお勧めしてくれるのでがっつり流行の最先端じゃないから自分のペースで読もうと思ったときに読める。 さてこの小説の感想は、 理系にとっての原点を思い出す! ネタばれなしの感想 この小説のメインターゲットは理系、特にかつての大学生 文系が読んでももちろん楽しめるけど、主人公…
マルガリータ 丸刈りにした マルガリータ 曲がりくねった マルゲリータ 下痢免れた マルガリータ 親の総取り 微笑んで宣う 「盗難には気をつけなさいよ」 バラの花の匂いがした。特徴的だからすぐわかる。だが花の匂いだけで、肝心なバラはどこにも見当たらない。おかしいな。庭師の格好をした若い男は大ぶりのハサミをそこらへ捨てて探し歩いた。庭師に庭の花が見つけられないなんてことは原則に反する。もっとも、本物の庭師だとしたらの話だが。 生垣を廻ったところで庭師は匂いの本体を見つけた。すなわち、バラを。だが正確にはバラではなくバラのごときものだった。バラの花の模様が描かれたピンク色のドレスを着た女の子が生垣…
ガウス曲線に大自然の摂理を見たり ガウス曲線のガウスは、独逸が誇る、大天才数学者の名前、解析学の大御所で有る。天災数学者は稀で有るが、更に大が着く。日本では、ガウス曲線は、中学の二年の経理のの統計で学んだ。西洋の釣り鐘の様な、左右対称な波型の曲線、正規分布の曲線でも有る。解析学では、関数として、数式で表記出来る。美分析分が出来る。ガウス曲線を観ると、天理の法則や、数学の定理の外に、大自然の摂理が有る事が判る。我が地球生物も既に、6度もの、大量絶滅期を迎えて居る。5度目の大量絶滅は、巨大隕石の落下でで有った。されど、恐竜の絶滅無しに、哺乳類の繁栄も無かった。大量絶滅のあとに、進化が爆発的に進んだ…
数学好きな人たちのサークルといえば、ピタゴラスが創設したピタゴラス教団や、孤高の天才・グロタンディークが所属したブルバキなどが有名です。どちらも名前からして強烈なインパクトがあって、特に後者に関しては、ついつい「ブルバキ…」と口走りたくなってしまいますよね。となると、他にも数学を研究する数学大好き集団はいたのか気になります。というわけで、今回は歴史的に有名な数学研究グループについてご紹介します!
数学にはノーベル賞に代わって「フィールズ賞(カナダ)」や「アーベル賞(ノルウェー)」があります。しかしそれ以外にもすばらしい業績を残した数学者に与えられる名誉ある賞があります。今回はその中のひとつ、フランスのフランス科学アカデミー賞をご紹介します。
記事の内容 この記事では、数学を楽しむための本を紹介します。 私自身、一般的な読み物から、大学数学入門まで幅広く学びを楽しんでいます。 それら本をこの記事で整理し、誰かの役に立つようにまとめておきたい、というのが記事の狙いです。 数学、本当に面白く奥深いですよね。自分のペースで、ゆったり歩んでいきたいですね。 それでは目次をご覧ください。 記事の内容 このブログ全体のガイドラインはこちらへ 数学読み物 数学の世界地図 数の悪魔 「無限」に魅入られた天才数学者たち 神は数学者か 集合とはなにか 竹内外史 「超」入門 微分積分 大学入試問題で語る数論の世界 素数夜曲 女王陛下のLISP 数学は言葉…
ガロアという数学者をご存じでしょうか?とびぬけた数学の才能がありながら、不幸が重なり、若くしてこの世を去ってしまった、太く短く人生を駆け抜けていった数学界のカリスマです。数学的な研究については難しくて理解できていませんが、私の大好きな数学者の一人です。 今日はそんなガロアについてご紹介します!
リスキリング、リカレント、学び直しという言葉をよく聞きますが、実際にそのようなことをしている人を見たことないという人も多いかと思います。 当記事では今実際に大学でリカレント・学び直し中である私の体験を紹介します。 今何をしているのか? リカレント、リスキリング、学び直しの記事を書いていますが、今私自身は東京理科大学の理学部第二部数学科で勉強をしています。 この理学部第二部というのは夜間の学校で、高校を卒業してから入学する人が8割、社会人を経験し入学する人に2割くらいになります。(年度によって異なる) 社会人を経験して入学する人は教員免許を取得することを目的にしている人が多いイメージです。 一方…
ユークリッドの幾何学には多くの暗黙の前提が使われています。それらが19世紀に指摘され、幾何学を改良する試みがヒルベルトによってなされました(Hilbert, D.(1899),Grundlagen der Geometrie(『幾何学の基礎』寺坂英孝・大西正男訳・解説、共立出版、1970))。ヒルベルトの公理系では基本的な公理の他に、アルキメデスの公理とデデキントの公理の二つが採用されています。 「線が完備である、つまり、線にはギャップがない(連続している)」というのがデデキントの公理ですが、これは実数の連続性(continuity of real numbers)とも呼ばれ、実数がもつ性質で…