など、数列の無限和。として実数や複素数を取った場合の収束条件の議論などが基本だ。また、として変数xに対してを取った場合は、ベキ級数と呼ばれる。
幾何級数の公式から導かれる以下は代表的な級数の一つだ。 (|x|<1)
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特殊関数論の始まりは等比級数の和の式です。これが最重要だとする数学者もいるそうな。 こんなわかりきった関数など興味なしとする人々もいるでしょう。 だけどね、こんな反復操作するとどうでしょうか? つまり、qを等比級数の和の式で置き換えるのです。 この級数展開をq<1でしてみなはれ、と振られたら、数学居士の面々もうなるのではなかろうか? 自分も音を上げたし、数式処理ソフトも完全なる解をよこさない。 こんな半端な級数展開を返したわけであります。 n=10での説明です。 本来は下記の等比級数を考えている。 このqを下記にように置き換える。 すると、等比級数の項目が激増してしまう。 級数和の式から変形す…
フーリエ変換② 前回の文章をさらに解説しよう。 「すべての周期音は、 その音の1、1/2、1/3、⋯倍の周期の 純音の和で表すことができる」 これを要約したのがフーリエ級数だ。 級数とは数列の各項を順に加法記号(+)で結んだもの。 簡単に言えば、数を無限に+で足し合わせたものだ。 例えば、 1 + 2 + 3 + 4 + ⋯ 1/2 + 1/4 + 1/8 + 1/16 + ⋯ なども級数である。 これを上の文章で音響学に適用すると、 すべての周期音は、 のような式で表せるということになる。 そして、純音は三角関数だから、 つまりこのように表記できる。 今回は級数という単語の意味だけ覚えよう。…
ヨハン・ベルヌーイは1697年に下のような驚くべき結果を出した。 実際にこの数値は両辺とも「1.2912859970626635404072825......」となり一致する。 右辺の美しさは調和級数と並ぶかもしれない。 その証明は下のハヴィルの本を見てほしい。 自分の注意を惹いたのは、左辺の定積分は確定した値をもつことだ。 xが0以上での定積分の数値を出しておく。2に近いのだが、2ではないのだ。 k^kにかかわる関係がないのかどうかをあれこれ数値計算してみたのだが、思わしい結果は得られなかった。 あまりに特殊な数値の実験数学であるけれども、読者諸賢にも考究していただければ幸いだ。 以下、ヒン…
数学の公式でもっとも美しいものの一つは であろう。 今回はこの式を使った不条理な記号&数値計算です。 これを変形する。 また、 であることを用いると下の式となる。 左辺の指数関数の肩のπ/2をΘとする。 この関数のΘによるテイラー展開を行ってみようではないか。 4次までの級数展開はこうなりますね。 さて、この展開式は2次、3次、4次とΘの冪を増やしていうことでオリジナルの関数に接近する(収束性の吟味はおいておく) 2次、3次、4次...の級数式にΘ=π/2を代入するとどうなるかを観察するのが目的であります。 15次まで計算してGauss平面に書きしるしたのが下図であります。 右平面から開始して…
前回の調和級数の回 *1の続きだが、今回は Cauchy の収束判定法を用いて、級数 $ \sum_{n=1}^{\infty} \frac{1}{n^{\alpha}} $ の収束条件を考えてみよう。 $ \alpha $ が実数のとき、級数 $ \sum_{n=1}^{\infty} \frac{1}{n^{\alpha}} $ は $ \alpha > 1$ なら収束し、$ \alpha \leqq 1$ なら発散することが知られている。これは前回の調和級数を特別な場合として含む。この証明は、古典的な証明を一般化した Cauchy condensation test *2を用いたり、広義…
≪1≫ 泣く子も黙る痛快な関数は何?といえば、ご存知ゼータ関数。 これの分母や分子をいろいろいじくって楽しむという趣味があるのですが、本日は分子の方に三角関数をのせて楽しんでみたいと思います。なお、k≧1としていますように、範囲は実数の世界のものです。名付けて「ゼータの三角関数乗せ」。 ≪2≫ ではいきなりですが、分子1のところを sinn とかに置き換えてみましょう。 、、 三角関数のなかにπを入れないのが味わい深いものとなるようです。これをk=1,2あたりで計算しますと、次表の結果に。 sin、cosはお行儀がよいものの、tanはやや暴れん坊風。挙動を見るためグラフ化(n=1000程度です…
x=0の近傍で微分可能な関数は下式に展開されるというのは高校で習った。 例えば、指数関数は となるが、 この分母を細工して、項を追加した場合はどんな関数(陽な表示)になるだろう? 式の変形でこうなるのがわかる。 では、これはどうか? 受験数学的だけれども、三角関数のバリエーションもある。 結果はこんな感じ。 三角関数の結果が代数的でないと陽表現にはならないだろう。 この関数のグラフだ。 ちょっとした変形なのに陽な結果がだせそうにないのが、これだ。分母の1がなければ、シンプルな分数式になる。 あるいは二項係数 Cを含む下式。 あるいは、手練な人ならなにかに結びつけることは可能かもしれない。 この…
はがの整数倍でない時,条件収束する級数です.この証明が面白かったのでメモしておこうと思います.条件収束するとはすなわち,は収束するが,各項の絶対値を取った級数は発散するということなので,示すことが二つあります. まずが収束することを示すにはディリクレの収束判定法を用います. ディリクレの判定法 - Wikipedia 簡単に言えば単調な列が0に収束し,の部分和列が有界ならの和が収束するという定理です.,としてこの定理を適用してあげると収束することが示せます.条件の確認をします.が単調で極限値が0であることはいいでしょう.の部分和列が有界なことを示します.あまり有名ではないですが以下の公式があり…
吉田 武 「オイラーの贈物 人類の至宝e^jπ=-1を学ぶ」メモ 新装版オイラーの贈物: 人類の至宝e^iπ=-1を学ぶ 作者:吉田 武 東海教育研究所 Amazon 電気回路理論でさんざんお世話になったので、リチャード・ファインマンに人類の至宝と言わしめた e^jπ=-1のイメージはなんとなく理解しているつもりだけど(単位円で角度が0°から180°までグルッとまわるとcos π =-1みたいな...)、そもそもどうやってこの式が出てきたのかよく分からん。 この本はe^jπ=-1に至るまでを最初のところから丁寧に書いてあるようなので、もう一度高校生の基礎解析(今はそんな呼び方じゃなくなったよう…
数秘術的に自然数の演算アクロバットをひねくりまわす癖があるヒトならば、考えたことがあるであろう級数和をもて遊んでみよう。 お題のとおりの自然数の虚数乗の和だ。初項だけの時を除けば、一般的には複素数になる。1は何乗しても1だからだ。 nをどんどん大きくして、どこかで実数になることがあるだろうか? あいにくとそうならない宿命だが、惜しい場所がある。せっかく計算したのだから、その場所をレポートしておきたい。 下のグラフがnが1万までの複素平面での全体像だ。縦軸が虚数軸、横軸が実軸だ。 もう少し手前のn=100までのプロットを示す。 実軸の-35あたりで交差しているようだ。n=51前後で実数に接近する…