古くなるほど、美しい——経年変化を纏うという贅沢 旧車には、新車にはない空気がある。骨董の器には、量産品では出せない手触りがある。掛け軸に刻まれた数百年の時間は、どんな印刷技術でも再現できない。 ひとつのものを長く使い、時間と共にその表情が変わっていく。そこに宿る美しさを愛する感覚は、ジャンルを問わず確かに存在する。ファッションも例外ではない。むしろ、肌に触れ、身体と共に動き、洗いを繰り返すことで変化する衣服こそ、経年変化の恩恵をもっとも濃密に受け取れるものかもしれない。 今回は「経年変化シリーズ」の第1回として、時間と共に深みを増す3つのアイテムを取り上げる。新品の状態がゴールではなく、着込…